7月29日(土)公開の満島ひかり主演映画『海辺の生と死』が6月17日から開催される第20回上海国際映画祭SPECTRUM部門に正式出品され、ワールド・プレミア上映されることが決定した。
小説家・島尾敏雄とその妻、島尾ミホ。太平洋戦争末期、2人は自然と神と人とが共存し、圧倒的な生命力をたたえる奄美群島・加計呂麻島で出会う。本作は、後年、互いに小説家である2人がそれぞれ執筆した鮮烈な出会いと恋の物語を映画化。島尾ミホがモデルのヒロイン・大平トエを満島ひかり、トエの恋人で若き日の島尾敏雄がモデルの朔中尉を永山絢斗が演じる。
<越川道夫監督コメント>
どこよりも先駆けて、上海の皆さんに『海辺の生と死』をご覧いただくことになりました。この映画を選んでいただいた方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。この映画は、南の島で育った1人の女性と迷いながらも特攻艇隊の隊長として島に着任した1人の青年の恋愛を描くと同時に、大きな災厄や戦火の下で、私たちが、そのようなものにどのように抗することができるのか、どのように狂わずに日々を営むことができるか、ということが描こうとしました。私たちは、もうそれがいかに困難であるかということも知っています。満島ひかりさんが演じたトエという、可憐であると同時に、その内側に強さを秘めたヒロインを通じて、そんなことを感じていただければ、こんなにうれしいことはありません。
映画『海辺の生と死』予告編
<ストーリー>
昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。
国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。
朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。
島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。
やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。
母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった…。
『海辺の生と死』
7月29日(土)より、テアトル新宿ほか全国順次公開
出演:満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、川瀬陽太、津嘉山正種
脚本・監督:越川道夫
原作:島尾ミホ「海辺の生と死」(第15回田村俊子賞受賞・中公文庫刊)島尾敏雄「島の果て」ほかより
脚本監修:梯久美子
参考文献:『狂うひとー「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社刊)
歌唱指導:朝崎郁恵
企画・製作:畠中鈴子
製作:株式会社ユマニテ
制作:スローラーナー
配給:フルモテルモ、スターサンズ
©2017 島尾ミホ / 島尾敏雄 / 株式会社ユマニテ