公開中の映画『光』の公開記念トークイベントが行われ、永瀬正敏、LiLiCoが登壇した。
視力を失いゆくカメラマンと、そのカメラマンとの出会いで人生が変わっていく女性の姿を描いた本作。第70回カンヌ国際映画祭において、エキュメニカル審査員賞を受賞した。
この日が初対面だという、永瀬とLiLiCo。「(私のこと)避けてました?」と不安そうなLiLiCo。しかし、7月の台北映画祭に本作が招待されていることから、永瀬が「僕と監督が行けるかどうか、まだ分からないのですが。よかったらLiLiCoさんもどうですか?」と誘うと、LiLiCoは「行っていいんですか!言葉もいろいろしゃべれるし、おいしいところもたくさん知っていますよ。通訳でお願いします(笑)」と満面の笑み。
本作の感想を聞かれたLiLiCoは「映画って文化が違うと、少し理解できないことがあるのですが、この映画はないんですよね。スクリーンに映し出される映像も素晴らしいのだけど、こんなにも『言葉』に耳を傾けたことはありませんでした。この映画には強い言葉がたくさん出てきて、言葉の“間”も大事な要素でした」とさまざまな国のカルチャーを知っているからこその目線で、映画の魅力を表現した。
また、劇中の主人公が命よりも大事なカメラを投げ捨てるという場面にちなみ、2人がこれまでに思い切って捨てたものを聞かれると、永瀬は「基本的には物は捨てない」とコメント。「失敗とかは、引きずっていられないなと思います。次にいかなきゃいけない時に、一回捨ててゼロにして明日、明後日を迎えることは大事だと思います。しいて言うなら…よく落し物をして失敗したなと思うことはあります。鍵、財布とか」と意外な一面を明らかにすると、LiLiCoから「一番落としちゃいけないものですよ(笑)!」とツッコミが。
一方のLiLiCoは「私は故郷スウェーデンを捨てたのだと思います。18歳で日本に来て、全く言葉の分からない国で頑張るっていうのは、そういうことだと。でも一回離れたことで、今は世界で一番美しい国だって思います。今や(スウェーデンは)私の中の『光』ですね」とコメントした。
イベント最後には、河瀨直美監督が会場に駆け付けるというサプライズが。「映画は本当に国境を越えるし、人々をつなぐ感覚を共有できるから、駆けつけてよかったです」と語り、会場は歓声と拍手に包まれながら、イベントは幕を閉じた。
『光』
新宿バルト9、梅田ブルク7ほか 全国公開中
監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE