映画『羊の木』の完成披露試写会が行われ、錦戸亮、木村文乃、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平、吉田大八監督が登壇した。
釜山国際映画祭でキム・ジソク賞を受賞した本作。センセーショナルなテーマを持つ原作を映画化しようと思った理由について、吉田監督は「設定の面白さです。普通の田舎町に犯罪を犯した人間たちが来て何が起こるのか。この設定だけでやりたいって思いました。原作に負けないパワーを持つために映画化でどうすればいいのか試行錯誤しているうちに2年間ぐらいかかりました」と語った。
平凡な市役所の職員として働いていたが、思いがけず受刑者を受け入れることなり、さまざまな過去を持つ彼らに翻弄される月末を演じた錦戸。「僕は僕自身として月末に翻弄される、思いっきり翻弄されていこうって思って臨んでいました。撮影を富山でやっていたんですけど、ちょっとしんどかったです。東京帰れるってなったときは、よっしゃ!って思いました(笑)」と。
錦戸が初共演となった松田について「探り探りでした。ちょっとずつしゃべって、何度かのみに行ったり。今は緊張せず話せるんですけど、撮影当初はすごく緊張して話していました」と明かすと松田も「僕も緊張してて、映画のファーストシーンの戸惑いがちょうどいい」と映画にリアルな距離感があらわれていることを明かした。
木村は、錦戸と松田とのシーンで「みんな探り探りの部分はあったと思いますが、3人が初めて顔を合わせるシーンで、台本には書いてないのに松田さん演じる宮腰が小躍りして、すごいかわいかった」と、お気に入りのシーンを挙げた。
ここで、ラストに衝撃の展開が待ち受けている本作にちなみ、“衝撃”を受けたエピソードを披露することに。木村から「錦戸さんのことなんですけど、撮影中からずっと気になってることがあって。すごく長い福白髪ですか?それ」と投げかけられた錦戸は「え!抜いて!気持ち悪い!恥ずかしい」と赤面。
優香は「松尾(諭)さんが錦戸さんの同級生役ということに衝撃を受けました。見たら、まぁ見えなくもない(笑)」と明かすと、錦戸は「嘘やん。めっちゃショックですわ!」と話し、会場からは笑いが起こった。
田中は「僕の中でこの映画は終わってない。映画で動かされる日々の考えというものが僕の中でもぞもぞ動き回っている。皆さんご覧になってそんな感想を持たれる人多いじゃないかと。終わったって言えない、初めての感じです」と、初めての感情に衝撃を受けていることを明かした。
最後に錦戸は「僕も数回見ましたが、いまだに整理できない部分もありますし、1回目見終わった後とかは、泯さんも言ってたようになんて表したらいいか分からない感情になったり、いろんな後味があると思うんですよね。もしかしたら甘いかもしれないし、酸っぱいかもしれないし、苦いかもしれない。僕自身皆さんが見てどう思ったか、すごく知りたい。これからの皆さんの感想がとても楽しみです。2時間ドキドキできると思うので、そのドキドキを味わっていただけたらいいかなと思います」と本作への期待をあおった。
『羊の木』
2018年2月3日(土)より全国ロードショー
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊)山上たつひこ「がきデカ」、いがらしみきお「ぼのぼの」
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯/松田龍平
配給:アスミック・エース
公式HP:http://hitsujinoki-movie.com/
<STORY>
さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。市役所職員の月末は、彼らの受け入れを命じられた。一見普通にみえる彼らは、何かがおかしい。やがて月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文をも巻込み、小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める…。
©2018「羊の木」製作委員会
©山上たつひこ いがらしみきお/講談社