ドラマ『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日系)に丹野香役で出演中の森川葵さん。さまざまな形の男女の恋愛模様を描いたドラマだが、中でも香は昼は工事現場、夜はガールズバーで働き、自身が男なのか女なのか分からず、性のアイデンティティに悩むという難しい役どころ。女優としての新境地に挑む森川さんに話を聞いた。
私もかわいい女の子を見るのが大好き!
◆自身が男なのか女なのか分からず、性のアイデンティティが揺らいでいるという難しい役どころですが、演じる上で心がけていることは?
香のように自分が男なのか女なのか分からないっていう人、世の中にはいっぱいいると思うんです。私が香を演じることで、その人たちが嫌な気持ちにならないようにしなくちゃいけないと思っています。香を“変な子”みたいに捉えられないようにしなきゃって…。周りから見たらちょっと変わった子かもしれないけど、香にとってはそれが普通のこと。だから自分はそれを認めてあげないといけないなって。“性同一性障害”という呼び方にも違和感があって。脚本家の井沢満さんもおっしゃっていたんですが、恋愛の方向性が人とちょっと違うだけで、恋愛感情自体は普通のことだし、特別なことに思わないで演じてほしいと言われました。
◆香は同性の梓(志田未来)に惹かれていきます。森川さん自身、香に共感できるところはありますか?
私もかわいい女の子を見るのが大好きだし、素敵な女性を見るとやっぱりキュンとします。香の気持ちはその延長線上にあるのかなって思うので、よく分かります。香は一人称が“ボク”になったり“私”になったりするんですが、それは香の揺らいでいる気持ちがそうさせるんだと思います。場所や相手に限らず変わったりするので、香が混乱しているように、私も一緒にこんがらがってしまいます(笑)。
◆姉妹や幼なじみ、会社の同僚など近しい関係性の男女がそれぞれのベクトルで恋愛関係になり、最終話までどうなるのか想像がつかない展開ですが、最終回に向けての見どころは?
狭い世界でこんなに恋愛感情が入り乱れるってあまりにドラマティックというか、ありえないことなのかなって思ったりもするんですけど…(笑)。演じている私たちも“えっ、そことそこが!?”って混乱しています(笑)。でもよく考えたら恋愛感情ってやっぱり身近な人に抱くもののような気がするし…中身をよく知らないと恋愛ってできない。一緒に過ごしていくうちにその人のいいところが分かってきて、好きになるんだろうし。そう考えると、こんなに恋愛関係が複雑なのもありえないとは言い切れないと思います。どことどこがどういう風にくっついていくのか、最終話まで私たちもまったく予測できないので、いろんなカップリングを頭の中でつくって楽しんでいます(笑)。最終的にどのカップルが落ち着くのか、予想しながら楽しみにしていてくださいね!
■PROFILE
森川葵
●もりかわ・あおい…1995年6月17日生まれ。愛知県出身。『賭ケグルイ』(TBS系)が放送中。映画「リバーズ・エッジ」が2/16(金)公開。映画「OVER DRIVE」が6/1(金)公開。
■番組情報
『明日の君がもっと好き』
テレビ朝日系
毎週(土)後11・05~11・59
●photo/小澤正朗 hair&make/山口圭子(MARVEE)