10月6日(土)スタートの『土曜ドラマ9「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」』(BSテレ東)。第1話のゲストとして被疑者の崎田を演じた佐伯大地さんに作品の見どころを聞きました。
僕の“マイクロジェスチャー”にも注目してください
崎田は、両親もいなければ帰る家もなく、ネットカフェに寝泊まりしながら生活する、いわゆる“ネットカフェ難民”。そういう背景から犯行に及んでしまいます。僕はネットカフェ難民の存在を詳しくは知らなかったので、彼の気持ちを考えるのが難しかったんです。
◆どのように役作りをされましたか?
撮影の合間にネットカフェに行ってみました。ネットカフェを利用したことはありますが、崎田の気持ちになって行ってみたんです。僕は体が大きいので少し窮屈に感じましたが、ここで生活できなくもないなと。今まで普通に利用していた時には考えなかった感情が出てきました。それと、このドラマの撮影に入る前に「予告犯」という朗読劇の舞台をやっていて。その作品でもネットカフェから犯罪予告動画を配信するという、似たような境遇の犯人を演じていたので、その要素も取り入れながら演じました。
◆取調室で栗山千明さん演じる楯岡絵麻と対峙しますが、最初は強気だった崎田が、次第に追い詰められていく姿が印象的でした。
崎田は自分が弱い人間だと知っているので、最初は「お前らに俺の気持ちなんて分かるものか!」と思いながら、弱者であることを盾に刑事に牙をむくんです。基本的に身勝手な人間ですが、そういう弱い部分が彼の人間味かなと。喜怒哀楽をオブラートに包むことができない人間だと思い、怒る時は怒り、喜ぶ時は喜ぶというように、感情を大げさに表現しました。
◆撮影の雰囲気はいかがでしたか?
栗山さんは、クールで凛とした印象がありましたが、すごく柔らかい方でした。行動心理学という手法で取り調べをする絵麻は、劇中でもとにかくたくさんしゃべるんです。刑事モノって、バディを組む相棒が説明役だったりすることが多いですが、絵麻の相棒・西野(白洲迅)は全然しゃべらないんです。だから栗山さんが休憩中に「絵麻ばっかりしゃべって…西野もしゃべりなさいよ!(笑)」と白洲さんに冗談を言ったりしていましたね。それと、絵麻は人がうそをつく瞬間に0.2秒間だけ現れる“マイクロジェスチャー”を見逃さないんですが、その撮影方法が独特で。4Kのスーパースローカメラで目元や口元をアップにして微細運動を撮るんです。最初は恥ずかしかったんですけど、貴重な経験をさせていただきました。
僕はすぐバレますね!良くも悪くも裏表がない性格なので(笑)。自分もうそをつきたくないし、相手にもついてほしくない。でも、自分を守るためのうそもあると思いますし、生きていくために必要なうそはあってもいいと思います。
◆あらためて、ゲストとして登場される第1話の見どころをお願いします。
物語は、ほとんどが取調室のワンシチュエーションで進んでいきます。第1話では絵麻が行動心理学を駆使して崎田を追い詰めますが、第2話以降もいろいろなくせ者が登場します。あとは4Kならではの微細な映像美。スーパースローで撮影した僕の目元や口元、指先の“マイクロジェスチャー”にも注目していただけたらうれしいです(笑)。
■PROFILE
●さえき・だいち…1990年7月19日生まれ。東京都出身。
主な出演作はドラマ『崖っぷちホテル!』『ラストチャンス 再生請負人』など。11月24日(土)からミュージカル『刀剣乱舞~真剣乱舞祭2018~』が開幕。
公式サイト:https://saeki-daichi.com/
■ドラマ情報
土曜ドラマ9
『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』
BSテレ東
10月6日(土)スタート
後9・00~9・54
<第1話あらすじ>
行動パターンからうそを見破る“泣く子も黙る閻魔さま”こと美人取調官の楯岡絵麻(栗山千明)は、6歳の少女を誘拐し2000万円の身代金を要求した容疑者・崎田(佐伯大地)と対峙。絵麻は行動心理学を用いて崎田のうそを見抜き、とらわれの少女の居場所を突き止めようとする。捜査を進めていくと、少女誘拐事件だけでない大きな事件に行きつく…。
<出演>
栗山千明、白洲迅、宇梶剛士、野村修一、椎名香奈江、佐伯大地(第1話ゲスト)
●photo/中村圭吾 text/宮西由加