人気アニメ「プリキュア」シリーズの15周年記念『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が10月27日(土)より公開。それを記念したカウントダウン企画の第3回は、本作でプリキュアたちの前に立ちはだかる強敵・ミデン役を演じた宮野真守さんが登場。初出演となった「プリキュア」への思いや本作の見どころなどを聞きました。
プリキュアは世代、性別を超えて楽しめる作品
そうなんです! 1stシリーズの「ふたりはプリキュア」が始まったのが、僕が20歳のころだったんですが、くぎづけになって見ていましたね。中学生の女の子が主人公ということで思春期ならではの悩みを丁寧に描きつつ、戦いのシーンになったらものすごい肉弾戦になるという展開が驚きで(笑)。「とんでもないアニメが始まったぞ!」と衝撃を受けたのを覚えています。
◆当時はもう、声優のお仕事をされていたんですか?
はい。ですから、シリーズとして続いていく中で、周りの声優仲間が出演していくのをうらやましく思っていたんです。そんな時、よく共演していた入野自由君が「Yes!プリキュア5」に妖精・ナッツ役で出演したんですよね。それを見て、「そうか、男性声優でもこういう役なら参加できるんだ!」と思って、より“いつか自分も出演したい!”という気持ちが強くなりました。
アフレコ現場は最高に楽しかったです!「ふたりは?」の本名陽子さん(キュアブラック/美墨なぎさ役)や、ゆかなさん(キュアホワイト/雪城ほのか役)との絡みが多かったので、レジェンドたちに囲まれながら、「これは奇跡の時間だ!」と興奮しながら収録をしてました(笑)。
◆そんな宮野さんが感じる『プリキュア』の魅力とはどういったところですか?
どのキャラクターもしっかりとその人物の心根が表現されているというところではないでしょうか。例えば、現在放送中の「HUGっと! プリキュア」には“何でもできる”“何でもなれる”というテーマがあり、主人公の(野乃)はなちゃんたちは常に前向きで、キラキラとした生き方をしている。特にはなちゃんはキュアエールとしてみんなに元気を与えているけど、そうやって誰かを応援しながら、自分自身の可能性も信じているところがあると思うんです。ほかの歴代ヒロインたちも、時には悩みながらも、自分や仲間を信じている。その“真っ直ぐさ”というのは、きっと世代を超えて多くの人に届いているはずで。だからこそ、何年も愛される作品になっているのではないかと思います。
最初にキャラクターの画を見た時は驚きました。てるてる坊主のお化けみたいな風貌をしていて、「これをどう演じればいいんだろう!?」って思って(笑)。でも、シナリオを読んで、監督とお話をさせていただくうちに彼の奥底にある哀しみを感じて、やりがいのある役だなとすごく思いました。彼は他人の大切な想い出を吸い取る力があるんです。でもそれは、自分にはない個性を求めているからなんですよね。そこに切なさを感じましたし、また逆に愛おしく思えるようになりました。
◆単純に“強敵”というだけではなく、そこに強いメッセージ性が込められていますよね。
そうなんです。きっと大人が見ると考えさせられるところがたくさんあると思います。反対に、子供たちはそこまで複雑なテーマが盛り込まれていることに気づかないかもしれません。でも、見終わった後に、「ミデンは怖かったけど、かわいそうだったね」とか、「友達や家族をもっと大切にしよう」とか、「想い出を作るってすてきなことなんだ」とか、そうしたいろんなものを感じ取ってくれるのではないかと思います。本当にすてきな作品なので、ぜひ多くの方に見ていただきたいですね。
■PROFILE
●みやの・まもる…1983年6月8日生まれ。埼玉県出身。B型。声優、俳優、アーティスト。近年の出演作に『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』(ラインハルト・フォン・ローエングラム役)、『PERSONA5 the Animation』(坂本竜司)など。
■映画情報
「映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」
10月27日(土)より全国公開
<STAFF&CAST>
監督:宮本浩史
原作:東堂いづみ
脚本:香村純子
声の出演:引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、多田このみ、野田順子、本名陽子、ゆかな
ゲスト声優:宮野真守、山本美月
<STORY>
“プリキュアの想い出”を狙う敵・ミデンの仕業でプリキュアオールスターズが小さくなってしまった。想い出を奪われるとこれまでの記憶を全部忘れてしまうという。そして残されたキュアエールとキュアブラックが力を合わせて立ち向かう!
©2018 映画HUGっと!プリキュア製作委員会
●photo/花井 透 text/倉田モトキ