伊吹有喜著作の「ミッドナイト・バス」の制作が決定し、2018年新春に全国ロードショーされることが分かった。
「ミッドナイト・バス」は伊吹有喜による小説で、山本周五郎賞・第151回直木賞三十五賞の候補になった家族の再生を描いた物語。東京での仕事を辞め、故郷の新潟で深夜バスの運転手をしている主人公。ある夜、バスに乗車してきたのは16年前に分かれた妻だった…。一度壊れた家族たちがそれぞれの岐路に立ち、葛藤しながらも再出発していく様子を、バスを利用する他の乗客たちを交えながら丁寧に描かれた感動作。3月1日よりクランクインし、萬代橋、三条市、佐渡市、弥彦山など、日本の原風景が残る新潟県にて全編ロケーションが敢行される。
主人公・高宮利一には、俳優としても活躍しNHK大河ドラマ「花燃ゆ」やNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」などに出演し、バラエティで見せる顔とは違い、見る側の記憶に残るような確かな演技力の原田泰造。利一の元妻・加賀美雪には、「不夜城」や「WHO AM I?」、また流暢な韓国語を披露した「花影」など、得意な語学力を生かし、数々の映画やドラマなど国際色豊かな作品で存在感を放ち続けている、山本未來。そして、利一の今の恋人・古井志穂には、多数の賞を受賞し演技力に定評のある小西真奈美が演じる。その他、利一の娘・高宮彩菜には葵わかな、息子・高宮怜司には七瀬公、また美雪の父親・山辺敬三には、長塚京三が演じることが決定している。
2月26日(日)には、撮影地となる新潟にて製作発表会見が行われ、主演の原田泰造、山本未來、小西真奈美、監督・製作プロデューサーの竹下昌男、音楽の川井郁子、製作の新潟日報社社長の小田敬三が登壇した。主演を務める原田は、「竹下監督からオファーを頂いて、正直うれしかったです。前の作品から約12年経ちますが、その時に一から教えていただいたので先生に会えるようでうれしかったんです。今は、どこか傷つきながらも一歩踏み出す男をどのように演じようか考えています。また、今回の役どころが大型バスの運転手ということだったのですが、大型自動車免許を持っていなかったので取りに行ったんです。この映画が無ければ免許を取らなかったでしょうし、すごく貴重な経験をしました。温かい作品ですので、みんなで真心こめて作って行きたいと思います」とコメントした。
また、原田演じる利一の元妻・美雪を演じる山本は「原田泰造さんは明るくてしゃべりやすいイメージがありますが、役としてどのような距離を取ればいいかまだ分からないので、今は近づきすぎないよう、極力話しかけないようにしています(笑)」と。そして利一の今の恋人・志穂を演じる小西は「純粋に真っ直ぐに主人公のことを好きになる可愛らしい部分と、離婚の経験があり母から譲り受けたお店の経営に悩みながらも一生懸命に前に進もうとする部分を持ち合わせている女性なので、時に愛らしく、時に切なく、丁寧に演じていけたならば、と考えています」と意気込みを語った。
映画「ミッドナイト・バス」2018年新春全国ロードショー
出演:原田泰造/山本未來/小西真奈美/葵わかな/七瀬公/長塚京三
原作:伊吹有喜「ミッドナイト・バス」(文藝春秋刊)
監督・製作:竹下昌男 脚本:加藤正人 音楽:川井郁子
配給:アークエンタテインメント