昨年、山口県にて先行公開し、2万5000人以上の動員を記録した話題作「八重子のハミング」が、5月6日(土)に全国公開されることが決定した。
本作は、佐々部清監督が原作にほれ込み製作に踏み切った渾身の作品。四度のがんの手術から生還した夫が、アルツハイマー病を発症した妻に寄り添って介護を続ける12年間を描いた、夫婦の純愛と家族の愛情にあふれたストーリーだ。
主人公・石崎誠吾を演じるのは、芸能生活40年にして初の主演となる名優、升毅。作家としても活躍し、28年ぶりの映画復帰となる高橋洋子がアルツハイマー病の妻を演じる。
原作は、陽信孝の「八重子のハミング」。四度のがん手術から生還した夫が、若年性アルツハイマー病の妻を介護した4000日の記録がつづられている。
映画の公開日と同時に、新たな場面写真も解禁された。
肩を並べて田床山から萩市を眺める誠吾(升毅)と八重子(高橋洋子)とその孫たちの姿や、椿群生林で偶然再会を果たした誠吾と教え子の早紀(月影瞳)が会話しているシーン、火葬場で白髪交じりの誠吾と榎木(梅沢富美男)が語り合う様子、萩市長の中村(井上順)が入院する誠吾のお見舞いにやってきたシーン、笑顔でほほ笑んでいる誠吾の姉・小夜子(朝加真由美)など登場人物たちのさまざまな表情を切り取っている。
メガホンをとった佐々部監督は、「僕がこだわったのは、八重子さんが好きだった場所を撮ろうということ。映画を撮る前に、原作者の陽信孝さんに、オープニングに映る田床山や、二人が連れ添って歩いた藍場川のほとりなど、八重子さんが好きだった場所を全部案内してまわってもらったんです。萩には名所もたくさんありますが、観光的な部分ではなく、実際にそこで暮らした八重子さんが好きだった風景を撮ろうと思いました」とこだわりを明かした。
映画「八重子のハミング」は、5月6日(土)より有楽町スバル座ほかにて全国ロードショー。
<作品情報>
どこからか聞こえてくる男性の声…。「やさしさの心って何?」と題された講演。
演台に立つ、白髪の老人・石崎誠吾。若年認知症を患った妻・八重子の介護を通して、自らが経験したこと、感じたことを語っていく。「妻を介護したのは12年間です。その12年間は、ただただ妻が記憶をなくしていく時間やからちょっと辛かったですいねぇ。でもあるときこう思うたんです。妻は時間をかけてゆっくりと僕にお別れをしよるんやと。やったら僕も妻が記憶を無くしていくことを、しっかりと僕の思い出にしようかと…」誠吾の口から、在りし日の妻・八重子の思い出が語られる。かつて音楽の教師だった八重子は、徐々に記憶を無くしつつも、誠吾が歌を口ずさめば笑顔を取り戻すこともあった。家族の協力のもと、夫婦の思い出をしっかりと力強く歩んでいく誠吾と八重子。山口県・萩市を舞台に描く、夫婦の純愛と家族の愛情にあふれた12年間の物語。
■スタッフ
原作:陽信孝「八重子のハミング」
監督・脚本:佐々部清
■キャスト
升毅、高橋洋子/文音、中村優一、安倍萌生、辻伊吹、二宮慶多、上月左知子、月影瞳、朝加真由美、井上順、梅沢富美男
©Team『八重子のハミング』