CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中の人気オリジナル番組『この映画が観たい』4月放送回は、ベッキーさんが登場。「『男はつらいよ』で育った」という意外(!?)な子供時代や、映画とこれまでの人生を語ったベッキーさん。自身のオールタイム・ベストを紹介する中で気づいた“自分にとって大事なこと”とは――。
◆ベッキーさんが好きな映画について語るというのはこれまであまりなかったことだと思いますが、収録を終えていかがですか?
映画のプロでもないのに生意気なこと言ってるなって思いながらやらせていただきました(笑)。「すばらしい映画です」って言ったら上から言ってるみたいになっちゃうし、「キャストがすばらしくて」って言っても大物みたいになっちゃうし(笑)、言葉が難しいなって思いながらやらせていただきました。自分の好きな映画を皆さんにお伝えできる場はないので、うれしかったですね。
◆今回のセレクションはかなり悩まれましたか?
映画をいっぱい観てきたわけでもないですし、ちゃんと観たのに忘れちゃうこともあるから、パっと浮かんできた作品の中から選んだので、時代も最近のものから古いものまで両極端で(笑)。でもパっと出てきたということは印象に残っているということだから、そのフィーリングを大切にしよう!と思って選びました。
◆あらためてご自身の“オールタイム・ベスト”を振り返っていかがですか?
作品ごとにインタビューの最後に「この映画で何を感じましたか?」という質問があって、私ほぼ毎回「人のやさしさ」って答えていて、「私、そこが大事なんだ」って気づきました。
人と人が支え合う感じとか、人に対して優しく思う感じとか、そこが私にとって大事なポイントなんだなって。
◆好きな映画を挙げてみてそれに気づいたんですね。
そうですね。映画を観た後にその映画について語るってあんまりしてこなかったんです。一緒に観に行った人と多少話すことはあるけど、そんなに深く語ることはなくて。
この場面を通じてこう思ったとかってあんまり考えたことがないから、この番組の収録中に話していく中で「そこに感動してたんだ、私」って気づきました。
◆収録では「今後いろんなお仕事をしていきたい」とおっしゃっていましたが、女優としてお仕事をするときの魅力、面白さはどんなところですか?
普段言わないことをせりふで言えちゃうところですね。基本的に、人前で怒っちゃいけないじゃないですか。でも、お芝居なら堂々と怒っちゃっていいとか。
◆切れてもいいとか(笑)
ブチ切れてもいいとか(笑)。そういうのって楽しいなと思います。普段の自分の言葉は全部自分で決めて話しているから、人が決めた言葉を話すって面白いですよね。なかなかできない体験でスカっとします。
お芝居のお仕事では、作品は監督のものだと思っているので、監督の指示に100%従うということと、私は女優じゃない、お芝居のプロではないので、当たり前ですけどせりふは完璧にして現場にいくということを心構えとして持っています。お芝居はまだまだ初心者なので。
◆バラエティなどほかのお仕事とは全然違う感じですか?それともつながっている?
つながってはいますね。ちょっと不思議なんですけど、バラエティの現場で学んだことが実は映画の現場で生かせたり。映画の現場で学んだことが歌の現場で、歌の現場で学んだことがバラエティで生かせたりって、不思議なトライアングルがあるんです。
バラエティでは本当の私の表情が見られるわけです。「あ、私は驚くとこういう顔するんだ」とか、悲しいVTRを見ているとき、こうやって悲しんでいるんだとか。
そこである程度自分の表情が分かるから、それを映画の中でどうアウトプットしていくかということを考えたりします。
◆ジャンルの違うお仕事が影響し合っているんですね。
すごく影響し合っています。
なんとなく、“こういう顔をしているときは楽しいのが伝わるな”っていうのがあったりして、バラエティで自分の表情が学べますね。それを映画で生かしている感じです。……生かせてるのかな?(笑)
◆(笑)。映画のジャンルとして好きなのは?
コメディが好きですね。“山田洋次ワールド”で育ったので。この間、飛行機で「家族はつらいよ」を観たんです。久々に山田監督の作品を観て「やっぱ好きだ!」って思って。2分に1回くらい笑っていた気がするんです。寅さんもそうですけど。それってすごいなあって思います。
◆映画に関してはベッキーさんには山田監督の血が流れている?
本当にそうなんですよ!コメディやりたいなあ。でも、シリアスなのも好きだしなあ。バラエティの経験があるので、ちょっと面白い系もやりたいなっていう気持ちもあります。ここ最近演じたのって殺人犯とかテロリストとかばっかりなんです(笑)。怒るとか、笑顔封印系の役ばっかりなんですよね。それはそれで楽しいんですけどね。
◆ご自身が出演された番組はご覧になりますか?
見ます見ます。反省会大好きなんです。ひとり反省会(笑)。バラエティは自分がウケたときは2、3回見ます。すみません、ちょっと(明石家)さんまさんスタイルで(笑)。
◆今回選ばれた映画は、愛をテーマにしたものが多いのかなと感じたんですが…
なるほど。でも、どの映画も愛がありますよね。人と人のつながりみたいなものがテーマになっているかもしれないですね。
◆そういう心境は今だから生まれたものでしょうか?それとも以前からそうだったのでしょうか?
ずっとありますけど、ここ最近、特に感じているというのはあると思います。人に支えていただいて今お仕事ができているというのがありますので。
◆先日の「東京スポーツ映画大賞」でのビートたけしさんだったり、笑福亭鶴瓶さんだったり。
たけしさんは本当にやさしくてびっくりしました。ちょうど直前に生放送があって、(千原)ジュニアさんに、「『東スポ映画大賞』に出るんですよ」って言ったら「めっちゃいじられるんちゃう?」って言われて(笑)。そしたらすごくやさしい言葉をかけていただいて。ただただ、ありがたかったです。
◆あらためて芸人さんやタレントさんからの愛を感じるのでは?
毎日感じます。本当に。
こんな私にこうやって手を差し伸べてくれる人がいるんだっていうのは毎日奇跡のように感じます。
◆ヒロミさん、カンニング竹山さんと共演された『ボクらの時代』もお2人の愛があふれていましたね。
本当にうれしかったです。この感謝の気持ちがなくなったらおしまいだなって思っています。
◆先輩たちから受け取ったこのバトンを次に後輩たちに渡す立場になったということかもしれませんね。
それは思いますね。私、後輩じゃなくても友達とかがつらい時に全力で支えたいと思います。私が人に支えられた喜びを知っているし、支えられることがどれだけ心強いかっていうことを学んだので、それを生かしたいです。
仕事に対しても周りの人たちに対しても、テーマは“恩返し”なんです。すべて恩返しを軸に考えています。
◆そこまで背負わなくても…
ありがとうございます。そう言うと重くなっちゃうんですけど(笑)。自分の幸せも考えているし、ちゃんと楽しんでます。
◆今、一番幸せを感じるのはどんなときですか?
友達とご飯を食べるときですね。それと、スマホのパズルゲームをしているとき!(笑)
◆お誕生日を迎えられて、この3月で30半ば…くらいというか…(モジモジ)
いいですよ全然!ゾロ目です!33です(笑)
◆ありがとうございます(笑)。10代でデビューしてから約20年、早かったですか、遅かったですか?
早いとは感じないですね。しっかり毎日毎日生きていたから、「一瞬でした」とも思わないです。いろいろ覚えているし。
皆さんから見える山あり谷ありもあるだろうし、皆さんが知らない私の中だけの山あり谷ありもあるし。いろいろなことを学んだなって思います。
20代のころよりは大人になれた気はしています。
◆それはどういった点ですか?
20代のころはつらくて泣いたり、イライラして泣いたりしたことがあったんですよね。具体的には思い出せないんですけど、けっこう泣いてたなって。子供だったんだと思います。
今も子供ですけど、年を重ねて(笑)スキルもついたので、多少はつらいこと、悲しいことの乗り越え方は分かるようになりました。
◆楽屋で本番直前まで泣いていたこともあったというお話もされていましたね。
数えきれないくらいあります。20代は、もちろんありがたい日々でしたけど、単純にハードスケジュールで心と体がパンパンになることもあったと思うんです。
でも、毎日つらいなと思ってたわけではないんです。そのときは夢中だったから。
◆今後、こんなお仕事をしたいというのはありますか?
ロケ番組がやりたいです!今は自分のことを話すことがわりと多いので、仲がいい人と街ブラするとか、何かに挑戦してみよう!とか、そういうロケをしたいですね。“ザ・バラエティ”な感じの。
◆そういうところで新たなダークなベッキーさんを出すというのは?
出しますよ~(笑)。すべてが次につながると思って頑張ります!
■PROFILE
ベッキー…1984年3月6日生まれ。神奈川県出身。
2000年、『おはスタ』のマスコットガール・おはガールの一員を担当。
以降、バラエティ、ドラマ、映画と幅広いジャンルで活躍。
■番組情報
「この映画が観たい#43 ~ベッキーのオールタイム・ベスト~」
自身の人生に影響を与えた映画について語る、ムービープラスの人気番組。今回、ベッキーが挙げたオールタイム・ベストは、「シザーハンズ」「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」「世界から猫が消えたなら」「ズートピア」「ケイティ・ペリー パート・オブ・ミー」の5作品。
CS映画専門チャンネル・ムービープラス
4月3日(月)23:00~23:30ほか
番組サイト(http://www.movieplus.jp/guide/mybest/)
ムービープラス公式サイト(http://www.movieplus.jp/)