「仮面ライダーゴースト Blu-ray COLLECTION」の映像特典として収録されたスピンオフドラマ「アラン英雄伝」のトーク付き上映イベントが東京・渋谷で行われ、主演の磯村勇斗、上堀内佳寿也監督、高橋一浩プロデューサーが登壇した。
本作は『仮面ライダーゴースト』のスピンオフで、仮面ライダーゴーストと敵対する眼魔世界の住人でありながら、人間の世界に共感し、人間側に立って眼魔世界と戦うことになった磯村演じるアランの目線で物語が描かれる。Vシネマ「ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター」「仮面戦隊ゴライダー」の上堀内監督がメガホンを執り、全4章で構成される。
MCを立てずに行われた今回のトークセッション。高橋Pから「きょうは磯村君がトークを仕切るっていう…」と振られると、「本当ですか!? 冗談だと思っていました…」と突然の大役に驚きを隠せない磯村だったが、気を取り直して「映像特典って、テレビでしか観れないじゃないですか…」と話し出す。しかし、「どうしてもスクリーンで『アラン英雄伝』を上映したいと思っていたので、今回実現できたことに感謝しています」と話を完結させてしまい、上堀内監督から「自分で言って自分でまとめてるじゃん!」とツッコまれると場内は爆笑に包まれた。
本作の思い出のシーンについて「アランが初めてたこ焼きを食べるシーン」を挙げた磯村。だが、本編にも同様のシーンが登場しており、本編の諸田敏監督と、スピンオフの上堀内監督の間で“どちらが初めてたこ焼きを食べる表情を撮るか”で小さなバトルが起こったという。磯村は「(板ばさみで)どうしよう、どうしよう、ってなりましたが(笑)、結局本編で“2回目”の表情をしたんです。そしたら、上堀内監督がワンちゃんのような笑顔ですごくうれしそうにされてて」と振り返り、上堀内監督は「僕も磯村監督も、諸田監督とすごい仲いいですからね?」と前置きしつつ、「あのとき、人生で一番の笑顔でしたね(笑)」と明かした。
また、劇中で役者として初めて“涙の演技”に挑戦したという磯村。「相当プレッシャーがあったし、夕陽バックだったので、夕陽が沈むプレッシャーもあって、緊迫感の中でやっていましたね」と苦労話を明かすと、上堀内監督は「磯村君は一発でベストタイミングで涙を流してて。よく頑張ったね…」と絶賛。磯村は「頑張るしかなかったんです(笑)。やるしかなかったんで…」と話し、そのプロ根性に会場も感心しきりだった。
上映会でも大きな笑いが起きたシーンの1つだったアランとジャベル(聡太郎)がブランコに乗りながら語るシーンについて磯村は「実は、本番で笑いそうになってたんです。最初は漕ぎ方がバラバラだったのに、途中からアランとジャベルのブランコが同じリズムで揺れちゃって(笑)。めちゃくちゃ笑いを我慢しながら芝居をしていました」と裏話を明かした。それを受け上堀内監督は「俺はこんな(しかめっ面の顔をする)形相でモニターチェックしていたのに…!」と言い返そうとするも、すかさず高橋Pが「お前も笑いながらやっとったやんけ!」とツッコミを入れ、会場は大爆笑に。
テレビシリーズ最終回の後日譚も描かれる本作だが、撮影は本編15~16話撮影中に行われたという。「スケジュールもタイトで、過酷でした」と撮影を振り返る磯村だったが、高橋Pから「仮面ライダーの役者で、先のことを教えてもらえる役者ってあまりいないんです。先を知ってのお芝居はどうだった?」と問いかけられると、「先が分かっている分、役がブレずに済んだのかなって。やってよかったな、って思います」と。壮絶な人生を歩んできたアランということで、磯村は「これ以上アランをいじめないで!」と思いながら演じていたそうだが、「アランが何も知らない感じで成長していく姿にキュンときますよね。“勇斗~!”ってなる」と上堀内監督。磯村は「そこはアランじゃないんですね!(笑)」とツッコミを入れつつ、「アランは何も知らない状態からのスタートだったので最初は不安でしたが、どんどん要素を付け加えてくださったので、自分自身も一緒に成長できたな、と。アランという役をいただけてよかったです」とまとめ、会場からは温かい拍手が巻き起こった。
「今回『アラン英雄伝』をスクリーンで上映できたのはすごくうれしいです。自分はいつまでもネクロムだしアランなので、皆さんもそれも心の中に入れて応援していただけたらと思います。そして、4月19日(水)には、Vシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダー スペクター』が発売されます」とPRした磯村。続けて「相方の山本涼介からは『Vシネマ、買ってください』とひと言だけメッセージを預かってるので、それを伝えようかな、と(笑)。これからも仮面ライダーゴースト、それぞれのキャスト、そして仮面ライダーを応援してください。ありがとうございました!」と締めくくった。