ドラマ『3人のパパ』(TBS)に出演する堀井新太さん、山田裕貴さん、三津谷亮さんにインタビュー。突然赤ちゃんを育てることになった拓人(堀井)、恭平(山田)、朔(三津谷)を演じる3人に、撮影のエピソードなどを伺いました。
◆昔からお互いをよく知っているこの3人での共演を最初に聞いたときの感想を教えてください。
堀井:最初は「えっマジか!」と思いました。うれしさと同時に、これから作品を作っていく上でのプレッシャーも感じましたね。
山田:メリットは「はじめまして」から始まらないところで、いろんな話し合いができるし、こうしたい、ああしたいということもすんなり相談できるなと思いました。でも、デメリットとして、僕たちだけで盛り上がっちゃいけないというのもある。そんなメンバーじゃないことは分かっているんですけど、ちゃんと客観視して、いい悪いを見極めながら進んでいかなきゃいけないなっていうのをまず考えました。
三津谷:僕は新太と共演するのは初めてだというのもあるし、2人は映像の経験も豊富にある。作品のために動きたい、必要とされる人でいたいっていうのがもちろんありつつ、映像というフィールドがちょっと不安で、「本当に僕でいいんですか?」という感覚がありました。
最初はドッキリなんじゃないかと思ったんです(笑)。ちょうど僕のソロイベントが近かったから、そのためのドッキリで、どこかにカメラが仕込んであるんじゃないかなって勝手に思ってたんですけど、3人で集まったときに「本当にやるんだ」って実感しました。
◆実際に撮影に入ってからはいかがですか?
堀井:楽しいです。気心が知れた仲間と本気で悩んで真剣にぶつかってっていう今が一番幸せです。
三津谷:クランクインの前にリハーサルが何回かあったんです。そのときに、既に2人はそれぞれ台本から飛び出て、せりふというよりはキャラクター自身の言葉として話していて、けっこうあせりました。
クランクインしてからは2人からすごくいい刺激をもらって、引っ張ってもらっています。
山田:僕もめっちゃくちゃ楽しいです。このカットはどういう意味を持つんだろうってひたすら考えたり、たまには感覚でやってみたりという繰り返しで、最後までワンカット撮るごとに突き詰めなきゃいけないと思っています。
◆3人でお芝居の相談をされることはありますか?
堀井:もちろん!それが僕らの武器なので。この作品って、ワンシーン長回しで、掛け合いが非常に多いんです。
だからこそ、僕らは入念に打ち合わせをして臨まないといけない。常に間とテンポというのを考えながらやっているので、協力して役としての辻褄を合わせながら、僕ら役者だけじゃなくて、スタッフさんもみんなで1つのいい作品を作ろうっていう感じでやっています。この作品においては、それがすごく必要なのかなって思います。
◆赤ちゃんがいる現場はいかがですか?
三津谷:赤ちゃんがいるだけで現場が明るくなりますね。あと、テストのときはなるべく赤ちゃんは入れないで、本番だけ入れるんですが、やっぱり予想しないことが起きたりして。逆にそれでいい化学反応が起きて、テストのときは埋まっていなかった感情が、赤ちゃんが入ることで、「ああ、こういうことか」って埋まることがすごくあって。
当然ですけど、赤ちゃんが自然体でいてくれるから、僕らもより自然体というか、役を作りすぎていない状態でいられるんです。
◆赤ちゃんという未知の存在に戸惑いはなかったですか?
堀井:僕はまったくなかったですね。赤ちゃん好きなんです(笑)。
ただ、演じる上では、初めて接する感じとか、もしかしたら自分の子供かもしれないという状況とかを想像してそういう抱き方になってるのかなっていうのは考えることができる。でも、実際に赤ちゃんを抱いたら、動くからそんなこと考えている暇はなくて(笑)。その中でせりふもあるし、とにかく一生懸命でした。
◆赤ちゃんは考えたとおりに動いてくれないですもんね。
堀井:それが赤ちゃんの魅力ですしね(笑)。
◆撮影が進む中で赤ちゃんへの対応力はつきましたか?
堀井:そうですね。役者陣もスタッフさんも。
赤ちゃんって、すごい芝居をするんですよ。僕らがどんなに芝居をつくってきても、一瞬の表情だけで全部持っていかれる(笑)。パワーがすごいですよね、やっぱり。赤ちゃんには勝てない(笑)。
山田:赤ちゃんが寝起きで機嫌が悪いことがあったんです。でも、赤ちゃんがこっちを向いてないのにしゃべってるのも気持ち悪いですよね。それで、一回芝居は忘れて、本気で語りかけてみようってやってみたら、スっと立ち止まって僕の目を見て話を聞いてくれて。
堀井:あれはいいシーン!
山田:それで「笑顔でいること」っていったら笑ってくれて。なんだこれは!って。
堀井:あれは嫉妬したよ。
山田:僕は伝わったんだなって自信になったし、赤ちゃんとしてではなく、人として対等に接したいと思いました。
最初は接し方が分からないから、勢いでワーってやって盛り上げようとしてやっちゃうんですけど、たっくん(拓人=堀井)だったらこうすれば笑って、はじ(朔=三津谷)ならこうすれば笑ってとか、赤ちゃんもそれぞれに対するツボが違っていて、そこを見つけられたのは大きかったですね。この発見は衝撃的でした。
◆ドラマは赤ちゃんと触れ合う中で3人の若者が成長していきますが、実際のお父さんお母さんも子育てをしながら親として成長していくそうです。皆さんもドラマの中での子育て体験で成長しているのでは?
堀井:もう一種のドキュメンタリーですよね。赤ちゃんは芝居だと思っていないし。だから、後半に向けて役を通して晴大(赤ちゃん)を思う気持ちが画ににじみ出ているはずです。
これは役者をやっていて一番楽しいときなんです。芝居を凌駕する、素なんじゃないかっていう。
役者本来のすごみというか、芝居をしているんですけど、一瞬芝居を超える瞬間っていうのが好きなんです。
僕らが伝えれば返ってくるから、共に成長していくドキュメンタリーでありたいですよね。
◆ちなみに一番あやすのがうまいのはどなたですか?
堀井・山田・三津谷:うーん…。
三津谷:赤ちゃんの晴大をあやすのは新太がうまくて、成長した晴大をあやすのがうまいのは裕貴ですね。
山田:そうかなあ?(喜)。
堀井:みっちゃんは?
三津谷:僕はへたくそなんです…。
全員:爆笑
三津谷:もうね、体当たり(笑)。
山田:この前、本当に体当たりしてたもんね(笑)
三津谷:しないしない(笑)。赤ちゃんに体当たりしてたらびっくりするわ!
たぶん僕はぎこちないんだと思います。制作発表のイベントのときに(相楽)樹さんが「三津谷さんは不器用ながらも頑張ってる」というようなことを言ってくれたんですけど、そのときに、「あ、はたから見てもやっぱり不器用に見えてるんだ…」って(笑)。
堀井:実は傷ついてたの!?(笑)。
全員:爆笑
山田:すごくいいこと言ってもらってるじゃんって思ってたよ(笑)。
◆本作はハートフルコメディですが、演じてみていかがですか?
堀井:僕はずっとコメディがやりたい人なので楽しいです。どんどん学んでいきたいですね。
僕は人間のギャップが好きで。コメディって一番ギャップが出やすいですよね。笑っていた人が急に怒ったら怖いし、逆に怒っていた人がやさしくしたら…っていうのがあるじゃないですか。そういうことの基本がコメディだと思うんです。だから、いますごく楽しいです。
山田:声の使い方、大小とかを気にしなきゃいけないなと思って現場に臨みました。急ブレーキ、いきなり発進みたいなものが多いほど、人は見てくれると思うんです。そういう、お芝居のハートじゃない部分、技術の部分をより考えました。
声色だったり、間だったり、せりふのスピードだったりというのを一番気にしましたね。
堀井:お芝居をしていても、日常と非日常の部分があるんです。そこをいかにうまく落とし込むか。誇張する部分もあるし、自然な部分もあるし。そういうものがあるから、コメディは役者として勉強になります。
三津谷:僕はコミカルな役が多いんです。2.5次元の舞台だと、明るい感じでちょっとボケてくださいとか、台本にないけど舞台からはけるときに何かひとつオチをつくってくださいというような感じが多くて。
だから今回コメディと聞いて、自分にとってはやりやすいのかなと思ったんですが、そうでもなくて。
自分が演じているはじちゃんっていう役が、自分とは全然違うコメディ色なんです。
はじちゃんは言ってることは真面目だけど、ズレが生じてるという面白さ。自分がやってきた舞台では、体で面白いことをやっていかなきゃ伝わらなかったから、全力でやることが“面白い”だったんですが、全力でやる面白さは朔くんじゃないって言われて。
よく地の三津谷亮が出てきちゃうので(笑)、そこは難しいなって思いました。針に糸を通す感覚でやっています。
◆それでは最後にドラマの見どころをお願いします。
堀井:赤ちゃんと僕らの芝居がすごくマッチした瞬間がたくさんあるので、そこを見てほしいです。
山田:この作品に向ける一生懸命さを大事にしなきゃいけないと思って、みんなが全身全霊をかけてやっています。面白い作品になっているのでぜひご覧ください。
三津谷:みんなが同じ方向を向いて、早く次の日になってみんなとお芝居したいな、スタッフさんに会いたいなって思えるような現場です。そういう熱意が皆さんに伝わればいいなと思います。
■PROFILE
堀井新太
ほりい・あらた…1992年6月26日生まれ。東京都出身。
山田裕貴
やまだ・ゆうき…1990年9月18日生まれ。愛知県出身。
三津谷亮
みつや・りょう…1988年2月11日生まれ。青森県出身。
■ドラマ情報
TBS テッペン!水ドラ!!
「3人のパパ」
4月19日スタート
毎週水曜 深夜23:56~24:26
出演者:堀井新太 山田裕貴 三津谷 亮 松井愛莉 相楽 樹・濱田マリ
<第1話あらすじ>
平林拓人(堀井新太)は高校時代からの友人・羽野恭平(山田裕貴)、岡山朔(三津谷亮)とシェアハウスで一緒に暮らしている。 ある日、拓人が仕事から帰宅すると部屋の中で見知らぬ赤ちゃんが寝ていることに気づく。恭平と朔も帰宅し、その謎の状況に困惑。状況がつかめないまま、3人が机に置かれた手紙に目を通すと「この子はあなたの子どもです。」と書かれていた! 誰の子かとお互いに詮索するが、無責任な3人はそれぞれに心当たりがあるようで、そこから怒涛のなすりつけあいが始まる。
そんな中、赤ちゃんが熱を出していることに気づく。どうすればいいか分からない3人は、ようやく目の前の命に対して責任を感じはじめ、その子を育てる決意をしたように思えたが…。
番組サイト:http://www.tbs.co.jp/3papa_tbs/