西川美和監督&竹原ピストルが『永い言い訳』トークショー開催「この人なら任せられると安心した」

映画
2017年04月21日

西川美和監督&竹原ピストル 西川美和監督が主演に本木雅弘を迎え、直木賞候補となった自らの小説を映画化した最新作『永い言い訳』のBlu-ray&DVDが4月21日に発売。これを記念して、西川監督と本作に出演した竹原ピストルがトークショー&スペシャルライブを実施した。

 竹原のライブ後、西川監督は竹原のライブTシャツ、竹原は「MOTOKI MASAHITO」Tシャツを着て、登壇。撮影で印象に残ったことを聞かれた竹原は、一番緊張したこととして、子役の最終選考に参加して、一緒にエチュード(即興芝居)をしたエピソードを披露。「できないとすごくごねたのに、参加させられたんですよね(笑)」という竹原に対し、西川監督は、「かっちりとした演技をされる幸夫役の本木さんに対して、陽一役はミュージシャンの人の対応能力は豊かだと思ってキャスティングしたが、ふたを開けてみたら、一挙手一投足指示されないと動けませんと言われて驚いた」と当時を振り返った。

 だが、逆に楽曲のイメージ、自由な振り幅をもっているだけでなく、職人的な積み重ねにち密なものがある人だということを知って、同じものづくりをする人間としては、近いものを感じたそう。竹原は西川監督からエチュードで「突然怒って」と指示された結果、子供たちを泣かせてしまったり、いろいろなことをさせられ、自分にとっては陽一役のもう1つのオーディションのようだったと明かした。その様子を観察していた西川監督は、「おそらくご本人は意識していないであろう、子供たちとの距離の近さを感じたし、この人なら任せられると安心していた」と語った。

 公開されて25週間が過ぎた今だからこそ聞いてみたいこと、という設問では、竹原から西川監督に海外での反応についての質問が。本作は、カナダ・トロント国際映画祭を皮切りに、韓国、ローマ、台湾などで上映されてきたが、西川監督の印象としては、「正直あまり日本のリアクションと変わらない」とのことで、どこの国にも“自分は幸夫だ”という人はいたという。

 ただ、香港では男性を主人公にしたことについて聞かれ、西川監督が「妻を失った夫のほうが、ダメージが大きいんじゃないか?よりドラマティックになるんじゃないかと思ったから」と答えたところ、「香港は女性の社会進出率が高く、共働きで、喪失感の男女差がない」と言われたことが強く印象に残ったそう。

 その後は、事前にツイッターで募集した質問に答えることに。「本木雅弘さんのアップが多いのはなぜか?イケメン好きだから?」という質問に、西川監督は「確かに。顔立ちにかかわらず、顔をいうものが好き。今までもアップで終わる映画が多い。山下敦弘監督にも顔好きですね、と言われた。思っていることを正直に言えない人間=幸夫を、本木さんも演じるのが大変だったと思う。複雑な心情を、ちゃんと撮りたいと思ったからじゃないかな。でも、アップに耐えられる顔こそ、映画俳優の顔。そういった意味では、竹原ピストルさんもすごく良い表情をするので、これからもスクリーンで観続けたい」と語った。

 「劇中で一番好きなシーンは?」という質問に、竹原は「ひときわ切ないのは、陽一が真平(息子)をトラックの助手席側に乗せて走り出すシーンで、幸夫が手を振った後に振りかえって歩いていくシーン。実際には、あのトラックは、ドライバーさんが運転していて、本木さんの横にいたんだけど撮影中に近くなれた気がしていた本木さんが、スクリーンに戻っていってしまったような気が現場でしていて、今見ても切ない気持ちになる」と。

 西川監督は「クランクアップの日(10月28日)に撮影したラストの場面で、ピストルさんが幸夫にニコっと笑うシーン。このシーンを撮れたから、この映画は大丈夫だと確信した」と語った。

 また、ブルーレイの特典に自信があるという西川監督は、その見どころもたっぷりと紹介。まず、本編の編集でカットしなくてもよかったんじゃないか?というシーンについて、そのシーンと、なぜカットしたのかを説明し「ぜひ観てもらって、それぞれでも考えて観て欲しい。長い時間をかけて丁寧につくってくれたメイキングについては、映画づくりは、こんな些細なことを気にしながらつくっているものだ、ということを見てほしい」と。

 さらに、劇中で陽一の娘・灯が観ているアニメ『ちゃぷちゃぷローリー』について「自身の過去作を見て泣いたことがなかった自分が泣いた、素晴らしいアニメーターさんがつくってくれたもの」と絶賛。一方の竹原は「メイキングで撮影中の西川監督の表情にぐっときたので、そこも楽しんでほしい」とPRした。

『永い言い訳』
Blu-ray&DVD発売中

原作・脚本・監督:西川美和
出演:本木雅弘、竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、深津絵里

発売・販売元:バンダイビジュアル

©2016「永い言い訳」製作委員会

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