OL風の女性「フチ子」が腰掛けるフィギュア「コップのフチ子」の原案者であり、ギャグイラストの「バカドリル」、「このマンガがすごい!2017 オトコ編(宝島社)」でトップ10入りした「マンガ サ道」などで知られる異才の漫画家タナカカツキの名作「逆光の頃」が映画化され、7月8日(土)より全国順次公開される。
原作「逆光の頃」は、1988~1989年に「コミックモーニング」にて連載され、話題を呼んだタナカのデビュー作。原作は全12編から構成されていて、日常と非日常、夢と現実、双方の世界を行き来する少年のゆらめきときらめきが、京都の町を背景に鮮やかに紡ぎだされており、その叙情性が高く評価されている。本作では、その中から「僕は歪んだ瓦の上で」「銀河系星電気」「金の糸」の3編とオリジナル部分を映像化する。
監督・脚本を手掛けるのは、2013年公開の「ももいろそらを」が第24回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門で作品賞、次作「ぼんとリンちゃん」も日本映画監督協会新人賞を受賞するなど、作品ごとに注目を集める小林啓一。
主人公である孝豊を演じるのは、「PとJK」「トリガール!」などでブレイク必至の若手俳優・高杉真宙。そして主人公が恋する幼なじみ・みこと役に、次期NHK連続テレビ小説のヒロインに抜てきされた葵わかな。孝豊の友人で、音楽に没頭するバンドマン・公平を演じるのは、「渇き。」「ちはやふる」など話題作に続々と出演している清水尋也。さらに、京都の町で小料理屋を営むみことの姉・五月を演技派女優の佐津川愛美が好演し、人気落語家でありながら役者として小林監督作品への出演は3作品目という常連の桃月庵白酒も出演するなど、個性豊かなキャスト陣も見どころだ。
そして今回、ティザーポスターと特報映像が解禁された。特報では、京都の町で青春時代を過ごす主人公・孝豊(高杉)と、彼を取り巻く人々の姿が収められている。一切のせりふがない本映像では、風になびく風鈴の音が鳴り響き、揺れ動く少年の感情を鮮やかに彩る。京都五山送り火の大文字や鴨川などの京都らしい風景も本作の見どころの一つ。また、ずぶ濡れで何かを真っ直ぐと見据える孝豊の視線や、セーラー服姿のみこと(葵)も印象的だ。
映画「逆光の頃」は、7月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開。
<ストーリー>
日本の歴史を感じさせる古都、京都。京都生まれ京都育ちの赤田孝豊。どこにでもいるような平凡な高校二年生の孝豊は、同級生たちとの友情やけんか、幼馴染の女の子への恋などを経験していく。
思春期ならではの人生に対する漠然とした不安を抱えながら、一歩前に進みだそうとする。
<スタッフ>
原作:タナカカツキ
脚本・監督:小林啓一
<キャスト>
高杉真宙、葵わかな、清水尋也、金子大地、田中壮太郎
公式サイトhttp://gyakko.com/
©タナカカツキ/講談社・2017東映ビデオ/マイケルギオン