5月6日に公開初日を迎えた『八重子のハミング』の舞台あいさつが行われ、升毅、高橋洋子、文音、中村優一、安倍萌生、梅沢富美男、佐々部清監督が登壇した。
4度のガンの手術から生還した夫が、アルツハイマー病を発症した妻に寄り添って介護を続ける12年間を描いた本作は、昨年山口県にて先行公開し、2万5000人以上の動員を記録した。
芸能生活42年にして初主演となった升毅は「実在のモデルがいる中で、実際に演じられるだろうかと不安で不安で仕方なかった」と当時の心境を明らかにしながらも、満員の客席を前に「こんな最高なご褒美はないと思います」と涙ながらに語った。
また、意外にも映画への出演が少なかったという梅沢は、「18歳で受けたオーディションで、願書を持って立っているだけで『いらない』と言われた」と過去のエピソードを披露。自身を“映画の新人”と語る梅沢だが、本作においてはギャラも気にせず直訴するほど出演したかったそう。「(出演が決まって)ヤッタ!と喜んだのですが、ギャラは山口駅から撮影場所までのレンタカー代でなくなりました……」と自虐ネタで会場を沸かせた。
イベントの最後に佐々部監督が「皆さんが応援団になってください」と観客に呼びかけると、升も続けて「監督が大切に育てた桜が、お水をやって、昨年の山口先行公開で五分咲き、東京公開を迎えて七分咲き、皆さん力で一緒に満開にしてください」と映画のヒット祈願を桜に例えて表現した。
<ストーリー>
「四十年過ぎ 妻と歩めし 瀬戸の人生 うず潮の道 今ぞなつかし」
どこからか聞こえてくる男性の声……。「やさしさの心って何?」と題された講演。
演台に立つ、白髪の老人・石崎誠吾(升)。若年認知症を患った妻・八重子(高橋)の介護を通して、自らが経験したこと、感じたことを語っていく。かつて音楽の教師だった八重子は、徐々に記憶を無くしつつも、誠吾が歌を口ずさめば笑顔を取り戻すことも。家族の協力のもと、夫婦の思い出をしっかりと力強く歩んでいく誠吾と八重子。山口県・萩市を舞台に描く、夫婦の純愛と家族の愛情に溢れた 12 年間の物語。
『八重子のハミング』
公開中。有楽町スバル座ほかにて全国順次ロードショー
公式サイト:http://yaeko-humming.jp
出演:升毅 高橋洋子/文音 中村優一 安倍萌生 辻 伊吹 二宮慶多 上月左知子 月影瞳 朝加真由美 井上順 梅沢富美男
原作:陽信孝「八重子のハミング」(小学館)
監督・脚本:佐々部清
配給:アークエンタテインメント
©Team『八重子のハミング』