久住小春インタビュー「モーニング娘やモデルの経験は生きていると思います」ドラマ『女囚セブン』

特集・インタビュー
2017年06月02日

元モーニング娘。で、ファッション誌「CanCam」の専属モデルとしても活躍した久住小春さんが、本格的に芝居の道へ進みだした。その第一歩となったのが、剛力彩芽さん主演で現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『女囚セブン』。女子刑務所を舞台に女囚たちの激しいバトルを描いた異色のコメディで、久住さんは剛力さん演じる殺人罪で服役中の芸妓・琴音の無実を明らかにしようとする後輩の舞妓・小春役に挑んでいる。女優としては、今まさに始まりの“春”。新たな季節に懸ける久住さんの思いとは――。


白塗りの自分の顔には、いまだに慣れません(笑)

久住小春インタビュー

◆『女囚セブン』という作品に対する第一印象は、どんなものでしたか?

もともとテレビ朝日さんの『金曜ナイトドラマ』枠の作品が大好きで、毎クール見ていたんです。その枠でのドラマなら絶対に面白いだろうなと。女子刑務所が舞台というのも興味を惹かれましたし、キャストもとても豪華で、かつ役にぴったりな方々ばかり。自分がいち視聴者だったとしても間違いなく見ていたと思います。

◆久住さんはお名前と同じ“小春”役ですが、これは偶然?

そうなんです。もともと小春という役名だったらしくて。だから、運命を感じています。

◆今回の小春というキャラクターは、どんなふうに作り上げていったのでしょうか?

舞妓って、もちろんイメージとしてはあったんですけど、演じるとなると分からないことだらけで。まずは形から勉強しようと、舞妓の動画を検索して手当たり次第見ました。撮影現場には元舞妓の方がついてくださるので、細かな所作はシーンごとに指導していただいています。京都弁のセリフに関しては、事前にイントネーションのCDをいただいて、それをひたすら聞くのみ。難しいですけど、音楽のような感じで覚えています。とにかく私の課題は、よりリアルな舞妓に成り切ること。撮影を重ねるごとにレベルが上がっているようにしたいと思っています。

◆白塗りや着物には慣れましたか?

白塗りは、初体験だったんです。自分の顔ながら“わおっ!”ってびっくりしちゃって。いまだに慣れません(笑)。ただ、見た目から別人になると役に入り込みやすいっていうのはありますね。着物は、以前に着たことはあったんですけど、そのときは写真撮影で、1着にかける時間もそんなに長くなかったんです。だから、一日中ずっと着たままでいるのは今回が初めてで。普通に着るときよりも何枚も重ね着するので、体感的な重さは100倍くらい。で、ちょっと着くずしつつ、乱れないようにぎゅっと帯を締めるんですけど、苦しくて苦しくて。その状態で立って座って、裾が長いのでつい踏みそうになっちゃったりすることもあり…。演技だけでなく、そういうところまで気を行き届かせなければならないのは、舞妓役ならではだなと思いますね。

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◆琴音の母親代わりである置屋の女将・一条役の梶芽衣子さんと一緒のシーンがほとんどですが、共演してみていかがですか?

この撮影に入る前に、梶さんが女囚役で主演された映画「女囚さそり」を勉強のために見させていただいたんです。後で梶さんご本人から聞いてびっくりしたんですけど、当時の梶さんの年齢が今の私の年齢とほぼ一緒らしくて。とてもそうとは思えない演技力と大人っぽさに、ただただ圧倒されてしまいました。こんなすごい大先輩と共演させていただくのかと思ったら、余計にプレッシャーが沸いてきちゃって。今でも梶さんと一緒のシーンを撮影していると、不思議な感じがします。空き時間には、女優としてのアドバイスだったり、プライベートのことだったり、いろいろお話してくださるんです。梶さんは旅行をするのがお好きらしくて、そのお話も聞かせてくださいました。

◆剛力さんは所属事務所の先輩に当たりますが、どんな印象をお持ちですか?

女囚役の7人の中では最年少なのに、ほかの皆さんに負けないオーラがあって、すごいなと思います。でも、劇中では今のところご一緒できるシーンがほとんどないんですよ。第2話で琴音たちが出場した“獄中ダンス大会”の会場に一条さんや小春も来ているシーンがあって、その現場で一緒になったんですけど、お芝居は別々で、出演者がエキストラさん含めてすごい大人数だったこともあり、遠くのほうから見つめるくらいしかできなくて。

◆最終回までに、琴音と小春のがっつりした共演があるといいですね。

そうですね。物語としては、これまで女囚1人ひとりの罪を犯した理由が描かれてきましたが、今後は琴音が無実にもかかわらず刑務所へ入るきっかけとなった芸妓殺しの真相が明らかになってくると思います。そこに小春がどう絡んでくるのか、ぜひ注目していただきたいです。


とにかく自分の夢に向かって動く。それだけです

久住小春インタビュー

◆本格的に女優業に取り組むと決断したのには、何かきっかけがあったんですか?

お芝居のスタートは2010年の舞台で、2014年には初めてドラマにも出させていただきました。そのころからもっと本格的にやりたいなと思うようになって。もちろん、難しい仕事であることは分かっています。はっきりとした正解がないので。今回の『女囚セブン』の現場でも皆さんのお芝居を見ていると、剛力さんにしても梶さんにしても、やっぱり全然違うんですよ。それぞれの個性があるというか。私もこれから自分の個性を磨いていきたいと思っています。

◆「表現者」という意味では、モーニング娘。時代やモデル時代と通ずるところもあるのではないかと。

そうですね。モーニング娘。やモデルの経験は生きていると思います。人前でそこまで緊張せずお芝居できるのも、その経験があったからこそ。コンサートやイベントを数々やってきて、かなり度胸がつきましたから。

◆モーニング娘。、モデル、そして女優と、久住さんを新しい挑戦へと突き動かすものとは何なのでしょう?

とにかく自分の夢に向かって動く。それだけです。私の中ではいつも「やりたい」って気持ちが勝つんです。やらないでいると、もやもやしてしまうので。

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◆『女囚セブン』に登場する女囚たちにはそれぞれキャラクターを表すあだ名がありますが、久住さん自身にそういうあだ名をつけるとしたら何だと思いますか?

自分では認めたくないんですけど、人からよく言われるのは「天然」ですかね。今回の小春という役にも天然っぽいところがあって、演じるに当たって監督から「そのままでいい」と言われました(笑)。

◆ご自身では、どういうところが「天然」と言われてしまう要因だと?

以前、ファッションショーで客席にプレゼントを投げるという演出があったんですけど、持っていたかばんを間違えて投げそうになっちゃって(笑)。スタイリストさんやメークさんはそれを予感していたみたいで、ショーの前にかばんだけは投げないようにと注意されていたんですよ。「やりそうだから、先に言っとく!」って。見事にそうなりかけました(笑)。

◆プライベートでは、どんなふうに過ごしていることが多いですか?

動画サイトを見るのが好きなんです。1つ見始めたら関連動画が出てきて、それでどんどん違う方向にずれていって、気づいたら止まらなくなってる(笑)。だから、家にいることがほとんどです。外出するとしても買い物に行ったり、友達の家に行ったりするくらい。行動範囲が狭い上に、いつも同じ。都内から出ませんからね(笑)。

◆インドアなんですね。

そうなんです。だから、アクティブな人にすごく憧れます。私はどうも外に出るのが億劫で。でも、最近はいろんなものを吸収するためにもアクティブにならないと、と思っていて。例えば、旅行するのもいいかなと。韓国とか。

◆海外の中ではわりと近場ですね(笑)。

やっぱり、どのくらいの距離なのかは考えますよね(笑)。だから旅行できないんだろうなぁ。でも、最近周りのみんなが韓国に行って、かわいくておしゃれなものをSNSに上げているの見て、私も興味を惹かれていて。

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◆久住さんはローフードマスターや、ダイエットマスターの資格もお持ちとのことですが、1つやり始めると極めたくなるタイプでもあるんでしょうか?

それはあるかもしれないですね。とことん追求しちゃうタイプだと思います。

◆女優業はもちろんだと思いますが、それ以外で今、追求したいことはありますか?

もうかれこれ5年くらいジムに通っているんですけど、それですかね。最近、本格的に体を鍛え始めたんです。だから、次また取材してくださることがあれば私、バッキバキになってるかもしれません。今飲んでいるこれ(お水)も、プロテインになっているかも(笑)。

 

■PROFILE

久住小春インタビュー●くすみ・こはる…1992年7月15日生まれ。新潟県出身。A型。2005年に「モーニング娘。」に第7期生として加入。2009年の同グループ卒業後、2011年から2015年までファッション誌「CanCam」の専属モデルとして活躍した。女優デビューは、2010年の舞台「安倍内閣」。以降も舞台のほか、ドラマ『発足!ギャル内閣』(チバテレ)や『アゲイン!!』(MBS)に出演。


■作品情報

『女囚セブン』
テレビ朝日系
毎週(金)後11・15~深0・15ほか

脚本:西荻弓絵
監督:瑠東東一郎、豊島圭介
出演:剛力彩芽、山口紗弥加、トリンドル玲奈、内藤理沙、久住小春、平岩紙、橋本マナミ、木野花、安達祐実、梶芽衣子、高嶋政伸ほか

 
●photo/中村圭吾 text/甲斐 武

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