芥川賞作家・柴崎友香の恋愛小説「寝ても覚めても」が、主演・東出昌大で映画化されることが決まった。
柴崎が2010年に発表した恋愛小説「寝ても覚めても」は、忘れられないかつての恋人と、その恋人と同じ顔をした現在の恋人との間で揺れ動くある女性の年月を描き、第32回野間文芸新人賞を受賞。多くの女性の共感を集めた名作だ。
東出は、ミステリアスな自由人と、優しくて誠実なサラリーマンという初の一人二役に挑戦。同じ顔を持ち、同じ女性を愛する、タイプの違う二人の男をどう演じ分けるのかに注目。
またヒロインには、2015年より現在も放映中のソニー損保のCMで注目を集め、フジテレビドラマ『恋仲』で女優デビューした唐田えりかが抜擢。本作で初のヒロイン役を務める彼女は、2人の男の間で揺れ動く女性の9年間を体当たりで演じる。
メガホンをとるのは、日本映画界・若手実力派No.1の呼び声高い濱口竜介。30代後半にさしかかった4人の女性の日常と友情、心の機微を丁寧に描き上げた5時間を越える『ハッピーアワー』が、ロカルノ、ナント、シンガポールをはじめ数々の国際映画祭で主要賞を受賞するなど気鋭の監督である。自らが映画化を熱望した本作で、満を持して商業映画デビューを果たす。
映画『寝ても覚めても』は、2018年全国ロードショー。
<主演:東出昌大 コメント>
「このお話を伺ったのは二年前でした。それから、ずっとずっと首を長くして、今夏ようやっとクランクインを迎えられます。今はうれしくてたまりません。不安と好奇の入り混じった複雑な想いで、台本とにらめっこしている日々を過ごしておりますが、奇跡のような映画を作れればと思っております。頑張りますので、楽しみに待っていてください。よろしくお願いします」
<ヒロイン:唐田えりか コメント>
「初めて台本を読んで泣きました。とっても素敵な物語で、胸が苦しくなったり、温かくなったりと感情移入してしまいました。オーディションが終わってからずっと受かってますようにと願っていたので、受かったよと聞いたときは本当にうれしかったです!! ですがこんな大役をやらせて頂くのは初めてなので不安や恐怖もあり、プレッシャーを感じていたのですが、東出さんに、『朝子があなたで本当に良かった』と言って頂けた瞬間に、思わずうれし泣きしてしまいました。それからは私で良かったんだと自信が持てるようになりました。素敵な方々とご一緒できるのが、既に楽しみで幸せで仕方がないです。この作品に私の全てを、それ以上をかけます! 十代最後の夏、大恋愛します!」
<原作:柴崎友香コメント>
「誰かに恋をしたとき、なぜどうしてもその人でなければならないのか。誰かを想うとき、最後に残る強い気持ちは何か。それを知りたくて手探りでこの小説を書きました。今回の映画ではどんな風景が見えるのだろう。きっとわたし自身も驚くようなことが起こる、そんな予感を持って、完成を心待ちにしています」
<監督:濱口竜介コメント>
「私自身が心から面白いと思っている小説の映画化、その監督を任されたことに興奮と緊張を同時に感じています。長い企画開発中、『同じ顔を持つ2人の男を愛してしまう女』という荒唐無稽さと、緻密な生活描写を併せ持つこの小説の『面白さ』はそもそも映像化可能なのかと不安にもなりました。そんな中、主人公の『麦/亮平』として東出昌大さん、『朝子』として唐田えりかさんを迎えられたことで、この小説はむしろ映像化されることをずっと待っていたのではないか、そんな心持ちになりました。この小説とキャストの出会いを、この上ない幸運と感じています。今もリハーサルしつつも続く脚本直しの中で、『寝ても覚めても』(タイトルがまたとても好きです)という原作の、途方もない面白さや、懐の広さを改めて感じているところです。そしてキャストの2人の存在が、私の緊張を和らげてくれています。きっと、この上なく面白い映画になるでしょう。期待してお待ちください」
『寝ても覚めても』
2018年公開
出演:東出昌大、唐田えりか
監督:濱口竜介 原作:「寝ても覚めても」柴崎友香(河出書房新社刊)
製作:『寝ても覚めても』製作委員会
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
www.bitters.co.jp/netemosametemo
<ストーリー>
大阪に住む21歳の朝子は、青年・麦(バク)と運命的な恋に落ちる。しかし、彼はある日、忽然と彼女の前から姿を消してしまう。それから2年後、東京に引っ越した朝子は、麦にそっくりな顔をした男・亮平と出会う。麦のことを忘れられない朝子は亮平を避けようとするが、そんな朝子に亮平は好意を抱く。戸惑いながら、朝子も亮平に惹かれていくが――。麦と亮平――同じ顔をした、過去の”恋”と現在の”愛”が朝子の心を揺らしていく。