日本のスーパー戦隊をモチーフに、ハリウッドが最先端技術を駆使して映画化したド迫力のヒーローアクション大作「パワーレンジャー」が、7月15日(土)公開! 日本語吹き替え版の声優を務める勝地涼さん(ジェイソン・スコット/レッド・レンジャー役)、広瀬アリスさん(キンバリー・ハート/ピンク・レンジャー役)、山里亮太さん(アルファ5役)にインタビュー。
レッド役はちょっと申しわけないです(笑)(勝地)
初めての声優なので混乱していました(笑)(広瀬)
◆日本が誇るヒーロー作品が、ハリウッド映画として“凱旋”しましたね。
勝地:スーパー戦隊が「パワーレンジャー」という名前で日本とアメリカのハイブリッド作品としてアメリカでも放送されていることを今回初めて知ったんですが、これだけ長年世界で愛されている作品に参加できるのはうれしいです。でも、やっぱりレッド役の吹き替えというのは申し訳なさもあります。自分のキャラ的に黄色のほうが合ってるんじゃないかと(笑)。
山里:黄色は今回女の子だったね(笑)。歴史あるスーパー戦隊のレッドっていうのはプレッシャーかもしれないけど、勝地君の声は間違いなくレッドです! カッコよかった~!
勝地:本当ですか! 現場ではただこなすのが精いっぱいだったんです。
広瀬:私は今回初めて声優に挑戦したんですけど、声だけで喜怒哀楽を表現するのでいろいろ考えないといけないし、かと言って考えすぎもよくないしで混乱してました(笑)。
勝地:アフレコしてると、ブースがたまに敵に見えるときあるよね。
広瀬:そうなんですよ! ブースが後ろにあったので不安になってバッと後ろ振り向いたり(笑)。「どんなピンクになるんだろう?」という不安もあったんですけど、年齢が近い分、やりやすさがあったのは助かりました。
勝地:(ピンク役のナオミ・スコットと)顔も似てるしね。
広瀬:似てないですよ!(笑)
山里:いや似てる似てる! お2人とも自分のこと謙遜してますけどね、やっぱり役者さんなので声に魂を込めるのがすごく上手なんですよ。僕は魂の込め方も分からないし、バリエーションと言ったら声の大小ぐらいですから。
勝地・広瀬:(爆笑)
勝地:でも、山里さんもこれまで役者も吹き替えもされてましたよね?
山里:僕が演じたことあるのは“怪人”“マッドサイエンティスト”“ストーカー”“オタク”。正義の味方は今回が初めてなんです。子供に嫌われ続けてきたんで、今回声優をして子供たちから人気が出るかなって期待があります。役としては5人をサポートするロボットなんですけど、人間よりも人間らしいから感情表現がまあ難しい! 僕が普段やってる声の仕事とは全然違うんだなって思いました。
◆何か参考にされたキャラクターなどはありましたか?
山里:先輩であるC3PO兄さんなんかは1回見させていただきましたけどね。
勝地・広瀬:(爆笑)
山里:ほかにも「ロボット 参謀」で検索して調べたんですよ。どんなのがいるのかなって。そしたら日本の介護ロボットしか出てこなくて、日本の介護がいかに充実してるかってことだけを知って当日アフレコに臨みました(笑)。
勝地君は僕の声を消してアフレコしてたんですよ!(山里)
広瀬:この前の公開アフレコもそうでしたけど、実は山里さんにすごく助けられたんです。
山里:え~!そうだったの!?
広瀬:聞き慣れた声なのでホッとするんです。
山里:うれしいですね~。公開アフレコで1つ思い出したんですけど、本番前、勝地さんに「普通にやれば大丈夫だよ」とかアドバイスしてたくせに、僕が一番下手だったんですよね。タイムマシンがあったら、戻って自分をぶん殴りたいですよ!
勝地:やめてください(笑)。僕も山里さんに助けられた1人ですから。
山里:え、ちょっと待って勝地君! 僕の声消してアフレコしてたじゃん! 何でうそつくんだよ!
勝地:(笑)
広瀬:そうだったんですか!?(笑)
山里:そうだよ。僕の声が入ると集中できないってさあ!
勝地:ええと…ちょっとだけ耳に障るというか(笑)。
広瀬:アルファ5はほかのキャラよりもテンションが高いですしね(笑)。
勝地:ナイスフォロー(笑)。僕らとアルファ5のせりふがかぶってる部分とかは分からなくなるので、そういうところは消してもらってやっていました。
山里:でもそれはあるかもね。みんなが深刻なときに1人だけテンション高かったりするからね。かつてパワーレンジャーが全滅した話をアルファ5がするんだけど、僕むっちゃ楽しそうにしゃべってるので、そこはちょっと見どころです(笑)。
◆(笑)。では、物語としての魅力も教えてください。
勝地:アクションももちろんなんですけど、人間ドラマとして見応えがあるってところです。「なりたい自分になればいい」って仲間を励ますせりふがあるんですけど、それはある意味自分自身への励ましでもあって、僕も学生時代を思い出してすごく共感できたポイントです。
広瀬:そのシーンは何テイクやっても毎回グッときて、私も泣きそうになってました。ただ明るいだけじゃないというか、キンバリーが学校での人間関係に悩む姿もすごくリアルなんですよね。
勝地:これからヒーローになっていく過程が見られるのは、夢があっていいですよね。あと、映画の中でパワーレンジャーが横一列に並んで戦うシーンがあるんですけど、おなじみの音楽がかかったりしてすごく懐かしさを感じました。
最近はキックボクシングで戦っています(勝地)
◆パワーレンジャーは立ちはだかる悪と戦いますが、今皆さんが実際に戦っていらっしゃることは何ですか?
勝地:自分は真剣にぶつかったつもりでも相手に響かないと意味がないというか、そういう正義って難しいと思ったりしますけど…。今戦っていること、そうですね…。あ、キックボクシングやってます!
山里:シンプルな戦いあったじゃん!
勝地:ありましたありました。サンドバッグと戦っています。健康のために始めたんですけど、もはや趣味みたいになってます(笑)。
山里:もし対戦相手がほしかったら、うちにデッカイ女の人いますよ?
勝地:いや、負けますよ!(笑)
◆(笑)。広瀬さんはいかがですか?
広瀬:そうですね。日々の睡魔でしょうか。
山里:強いでしょ、アイツ!
広瀬:強力なので戦いが欠かせません(笑)。だからツボ押したりガムをかんだり…。
山里:B’zの「ultra soul」のサビを全力で歌うとめっちゃ目覚めるよ! その代わり全力で「ヘーイ!」までいかないとダメだから!(笑)
広瀬:今度やってみます(笑)。山里さんが今戦っていることって何ですか?
山里:SNSの攻撃です。(即答)
勝地・広瀬:(爆笑)
山里:どうもされがちなんですけど、攻撃も立派な声援ですから別にいいんです。今回も戦うことになると思うので、戦いの準備はできています。あ、でも、2人は絶対大丈夫! むっちゃよかったもん!
勝地:いやあ、怖いです(笑)。炎上したときってどう対処してるんですか?
山里:簡単ですよ。僕をたたく人の勝利条件って僕が凹むことなので、そうならなきゃいいだけです。どうするかって言うと、僕をたたくツイートに対して器のデカい返し、もしくは面白い返しをつけてリツイートするの。そうすると、たたいたバカを餌に僕の株が上がるっていう。これが一番です!
広瀬:生々しいですよ!(笑)
勝地:分かりやすいですけどね(笑)。
◆ではそろそろお時間なので…。
山里:ええ!? これで締めるんですか!?
勝地・広瀬:(爆笑)
山里:じゃあ1人ずつ締めのコメント言いましょうか。では勝地君から!
勝地:はい(笑)。この作品で描かれるのは完全体のヒーローではなく、普通の若者たちがヒーローに成長する過程なので、大人の方が見ても見応えがあると思います。もちろん、子供が楽しめる要素もいっぱいあるので、ぜひご家族でご覧ください。
広瀬:女の子って戦隊ものを見る機会が少ないと思うんです。でも、私自身もアクション映画としてすごく面白かったですし、きっと老若男女楽しめる作品だと思います!
山里:今何かに悩んでる人は、登場人物の誰かに自分を照らし合わせたらきっと答えが見つかると思うので見ていただきたいなっていうのと、一部の人には「僕をたたくのならしっかり見てからたたきなさい。待ってるぜ」って言いたいですね。だから字幕と吹き替えと両方見てください。
勝地・広瀬:(爆笑)
勝地:言葉の重みが違います(笑)。
山里:ええ。炎上だけは慣れていますんでね。ネットとかでは備長炭なんて言われてますから(笑)。
■PROFILE
ジェイソン・スコット/レッド・レンジャー役
勝地涼
●かつぢ・りょう…1986年8月20日生まれ。東京都出身。AB型。SPドラマ『1942年のプレイボール』(NHK総合)が、8月12日(土)放送。
キンバリー・ハート/ピンク・レンジャー役
広瀬アリス
●ひろせ・ありす…1994年12月11日生まれ。静岡県出身。AB型。山﨑賢人とW主演を務める映画「氷菓」が11月3日(金・祝)公開。
アルファ5役
山里亮太
●やまさと・りょうた…1977年4月14日生まれ。千葉県出身。AB型。『スッキリ!!』(日本テレビ)ほかレギュラー番組多数。
■PROFILE
<STAFF&CAST>
監督:ディーン・イズラライト
出演:デイカー・モンゴメリー、RJ・サイラー、ナオミ・スコット、ベッキー・G、ルディ・リンほか
日本語吹き替え:勝地涼、広瀬アリス、杉田智和、水樹奈々、鈴木達央、沢城みゆき、山里亮太、古田新太ほか
©2017 Lions Gate TM &©Toei & SCG P.R.
●photo/金井尭子 text/金沢優里