プレミアムドラマ『全力失踪』(BSプレミアム)が9月3日(日)からスタート。試写会に、主演の原田泰造をはじめ、緒川たまき、鈴木梨央が登壇した。
原田演じるうだつの上がらない主人公・磯山武が「もう一度人生をやり直せたら…」と新しい人生を求めて現実から逃げ出し、7年間行方不明になることで死亡したとみなされる“完全失踪”に挑むコメディドラマ。残された妻(緒川)や娘(鈴木)家族のドタバタや闇金の借金取立人の追跡劇もありながら、磯山が訪れる全国各地の人々と心通う出会いと別れを描いていく。
原田は今回の出演オファーに、「家族とか借金とかいろんな責任を全部捨てて逃げるドラマってそんなにないんじゃないかなって思ったんです。普通はどうにか努力してそれを乗り越えて、『よかったね』って終わると思うんですけど、この作品は全部捨てて逃げるからやってみたいって思ったんです」と振り返った。また、今作がNHKドラマ初主演ということについては「相当気合が入っていたんですけど、主演ってどんな感じなのか全く分からなくて。もうちょっとで撮影が終わるんですけど、今でも分からない感じ。だからみんなの言うことを聞いていた感じです」と照れた様子で心境を明かした。
そんな原田に対し、「一緒にお芝居をしていて楽しい方でした。常に磯山武で居てくれる。本当に素晴らしくて、この世界に没頭させてくださる役者さんでした」と緒川が絶賛すれば、鈴木も「せりふとか動きがお父さんそのもので、すごく感動しました!」と続く。これには原田も「本当に気遣ってもらって…」と恐縮しきりだった。
“完全失踪”にちなんで「今まで逃げだしたかったことは?」という質問に原田は、「若いころに作った借金で、返済日には失踪したいなって思っていました。本当に磯山の気持ちがダイレクトに分かります。最後は親に返済してもらって。だめな男でしたね…」と当時の自分と磯山を重ねて告白。「昨日、お姉ちゃんと喧嘩しまして…」と切り出した鈴木は、「2人でお風呂入っていたんですけど、お姉ちゃんが好きな歌をからかってしまって。お母さんを呼んで大波乱になって、家出したいって思いました」と。鈴木のかわいらしいエピソードで会場が笑いに包まれる中、原田は「人が歌った歌を馬鹿にしちゃ絶対だめだよ。仲直りしてね」と父親の顔でアドバイスを送っていた。