【ハリウッド版「デスノート」インタビュー第3弾】プロデューサー/マシ・オカ「ギャラを時給換算すると、とても安いです(笑)」

特集・インタビュー
2017年09月18日

漫画「デスノート」原作のハリウッド版映画「デスノート/DeathNote」インタビュー第3弾は、プロデューサーを務めるマシ・オカさん。日本にもアメリカにも精通しているマシ・オカさんだからこそできた“プロデュース”、そして構想段階の裏話をたっぷり伺いました。


実写化することによって、原作の素晴らしさを世界中の人と共有したい

映画「デスノート/DeathNote」

◆海外ドラマ『HEROES』などで俳優として活躍されていたマシ・オカさんが「デスノート」をプロデュースすることになったきっかけを教えてください。

 僕自身、アニメや漫画オタクなので、実写化することによってその作品の素晴らしさを世界中の人と共有したい、ファンを増やしたいと思っていて。特に「デスノート」は、原作の大ファンだったんです。だから、この作品の映画化に向けて既にアプローチを始めていたプロデューサーのロイ・リーさんとダン・リンさんからお話を頂いたとき、ぜひやらせていただきたいとお返事しました。

◆プロデューサーは、マシさんを含め4人いらっしゃいますよね。

そうですね、皆さん素晴らしいプロデューサーです。そんな中で、僕の立ち位置は“日本サイドの代弁者”。原作に携わる人たちの意見が反映されるよう、必ず相談を試みて製作していく感じかな。もちろん自分のアイデアもあるけど、製作陣の中では日本とのコミュニケーションをとれるのは僕だけだったので、責任を持ってそこに特化することを大切にしていました。今回のハリウッド版「デスノート」では、原作漫画の先生方がすごく寛大で「日本でさまざまな形でメディアミックスされているので、ハリウッドでも思い切って作ってほしい」と言ってくださったので、お互いとても良い関係性を保つことができました。

◆本作の監督は、ホラーやスリラー映画を数多く手掛けるアダム・ウィンガード。今作にも彼が生み出すホラーの要素を強く感じました。

アダムさんが監督として製作チームに入ってくれたときに、それまでの脚本からがらっとテイストも変わったんです(笑)。彼はうまく“血”を扱うと言いますか、エンターテインメントとしてだけでなく血の重みを感じてもらうために、人間の死のシーンを鮮明に描くことを大切にしていた気がします。

◆ハリウッド版「デスノート」と日本の映像化作品との大きな違いはありますか。

日本の「デスノート」をご存知の方々が見ると、今作は登場するキャラクターの設定から結構違うんじゃないかな。アメリカの映画でマストなのは、“キャラクターの成長”なんです。人間には必ず陰と陽があって、それを行き来させることでその内面の葛藤が見える。そういった意味では、原作より“正義”や“悪”が決めにくいかもしれません。だってこの作品の登場人物は、全員がグレーだから。

◆新しい形のハリウッド版映画「デスノート」。初挑戦となったプロデュース業の手応えはいかがでしょう。

プロデューサーは作品を0から作らなきゃいけないので、本当に大変でした。役者は、役をもらったときには、もう製作も役があることも決まっているからね。権利の交渉、脚本家、監督のスケジュールを組むのに時間がかかるし、いろんな問題が起きるので、製作期間の10年は長かったな~。だから、もらったギャラを時給換算するととても安いです(笑)。でも長い期間製作に携わってきたからこそ、この世界観は共感できるところが多いと思いました。今の時代さまざまなことが起きていく世の中に対して、誰もが自身の力不足のようなものを感じているんじゃないでしょうか。だからもし“デスノート”を手に入れたとしたらどう使うのか、自分ならこのような力を持ったとしたらどうするか、それぞれ違う“正義”と“悪”について話しながら見ていただけるかもしれないなって。僕は、この後の主人公たちがどうなるのかも知りたい、そのためにはとにかくいろんな人に見ていただきたいです。

 

■PROFILE

●まし・おか…1974年12月27日生まれ。東京都出身。海外ドラマ『HEROES』のヒロ・ナカムラ役で話題を集める。今作ではプロデュース業に挑戦したほか、俳優だけでなく、さらにデジタル視覚効果アーティストとしても活躍中。

 

■作品情報

「Death Note/デスノート」
Netflixにて独占配信中

監督:アダム・ウィンガード
原作:大場つぐみ、作画:小畑健
出演:ナット・ウルフ、マーガレット・クアリー、ラキース・スタンフィールド、ウィレム・デフォー ほか

<Netflix視聴方法>
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●視聴デバイス:テレビ、パソコン、タブレット、スマートフォン、ゲームなどで視聴可能。
 

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