映画「ナラタージュ」の大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、主演の松本潤、有村架純、行定勲監督が登壇した。
公開後の反響を問われた松本は、「知り合いの男性から長い感想を頂いたり、平日の昼間に見てくれた友人からは、たくさんの人が劇場に入っていると教えてもらった」と、ヒットを実感している様子。釜山国際映画祭の公式上映にも参加した有村は、「監督や作品をリスペクトされている方が多く、質疑応答はものすごい数の人たちが手を挙げてくれた。しかも2歩3歩踏み入った質問をしてくれて、とても楽しかったです」と振り返った。
12年の構想を経ての公開となった行定監督は「首がつながった。これが当たらなかったら路線を変えようと思った」と背水の覚悟だったことを明かし、「この人間関係のあいまいさのようなものを描きたい。分かりやすくしなくてもいい。それこそ映画だからできること。こうやって多くの皆さんに見ていただけたということで、またこういった作品をやれる猶予期間が延びた」と笑顔で語った。
また、イベントでは松本と有村に、行定監督からサプライズで感謝の手紙が贈られるひと幕も。『君が参加してくれたからこそ1本の映画が救われた。不器用でその分誰よりも努力してここにいる人。繊細な君とはもっともっと自由に旅してみたい。次はどんな冒険をしようか?その日を楽しみにしている』という言葉を受けた松本は「この手紙をいただけたことが一番の宝物。監督、スタッフの皆さん、このタイミングで架純ちゃんとこのようなラブストーリーができたことに感謝です」と感激した。
いっぽう、『精神的にもきつく不安があったはず。覚悟しなければいけないこともあったと思うが、泣き言も悩みも打ち明けず、ひたすら役と向き合った。その苦悩する姿こそ女優の最も美しい姿。あなたほど寡黙で芯の強い女優を私は知らない。これからもかたくなに演じることに拘り続けてほしい。そして日本映画史に残る女優になって。あなたなら必ずできる』と激励された有村は「このようにお手紙をいただいて…今までやってきて良かったなと思いました」と涙ぐんだ。
そんな有村の横でハンカチがないことに焦る松本は「ここで、俺がパッと(ハンカチを)出せればいいんだけど、入ってないんだよ!」と苦笑い。「ごめん、架純ちゃん」とスタッフから受け取ったハンカチを手渡し、「この流れは読んでいなかった」と悔しそうな松本の姿に客席からは笑いが起こった。
映画「ナラタージュ」は大ヒット上映中。「この恋愛小説がすごい」(2006年版)で1位に輝いた、島本理生の同名恋愛小説を映画化。高校教師と生徒として出会った2人が時を経て再会。決して許されない、一生に一度しか巡り会えない究極の恋に落ちた大人の純愛を描く。
公式HP:http://www.narratage.com/