火9ドラマ『明日の約束』(カンテレ/フジ系)に出演中の遠藤健慎さんが、明日(10/24)放送の第2話の見どころとともに、物語のプロローグとなった重要な役どころへの思いを語ってくれました。
視聴者の皆さんをいい意味でだましたかった
◆第1話が先日放送されましたが、地上波の連ドラ出演で初回のキーマンという役どころは相当なプレッシャーがあったのではないですか?
ドラマの今後を左右する役だというのは自分でも思っていたので、ずっと緊張していました。僕が演じる吉岡圭吾がなぜ死を選んだのか、いじめによる死なのか、それとも別の理由なのか。それを視聴者の皆さんに悟られないように、いい意味でだますつもりで演じさせていただきました。
◆周りからの反響はいかがでしたか?
この役を演じることが発表されたときは、たくさんの方から連絡をいただいて驚きました。この火曜9時は前クールが『僕たちがやりました』で、僕たち高校生の間でもすごく人気があったんです。だから「おめでとう」よりも「マジ!?」っていう声のほうが多かったです(笑)。
◆地上波ドラマの力はスゴいですね(笑)。
本当ですね(笑)。出演決定の連絡をマネージャーさんからもらったとき、僕は家族とお祭りに出かけていたんです。でもその時は事の大きさがまだピンときていなくて。それから共演者が井上真央さんや仲間由紀恵さんだと聞いて、これはすごいことになったぞと。「よっしゃー!」っていう感じでした。
◆高校生のうちに学園ドラマに出たいという気持ちがあったと伺いました。
イメージ的に学園ドラマって“僕やり”のようなドラマだと思いますが、『明日の約束』も自分と境遇は全然違うものの、高校生の僕にとっては身近なテーマなので感じるところはありました。ドラマの中に“毒親”が出てきますが、自分の周りにも毒親ではないけど両親が厳しい友達がいて、それを役作りの参考にしたところはあります。等身大とはいかないですが、自分が高校生だというのは役に生きています。
◆劇中では毒親の恐怖を仲間さんが見事に表現されていますね。
靴の位置が少し変わっていただけで出かけたのが分かるなんて恐ろしいですね。自分の両親が毒親じゃなくてホッとしてます(苦笑)。ちなみに僕の父は常に紫色の何かを身に着けているという変わった面があって、事務所のスタッフさんの間でもちょっとした有名人なんです(笑)。
家族や友達、周りを見つめ直すきっかけになれば
◆撮影現場の雰囲気はいかがですか?
最初に井上さんや仲間さんとお会いしたときは、ド緊張で汗が止まらないくらいでした。皆さん一度カメラが回るとものすごい集中力で取り組むので、自分もそれに便乗して、とてもいい緊張感の中で撮影ができています。一方で、同年代の役者さんたちには、役でみんな僕をいじめてくるわけだから、最初は距離感を保っておこうと。
◆1話では井上さん、仲間さんとそれぞれ向き合うシーンもありましたね。
井上さん演じる日向先生に告白するシーンは、事前のPR動画でもほのめかされていた印象的なシーンだったので力が入りました。圭吾を演じるに当たって、先生や大人には心の奥を見られないよう無理に笑顔を作ったりして表情には気をつけているんですが、告白シーンは圭吾の本当の表情を出したつもりです。それより前に井上さん、仲間さん、そして担任の霧島先生を演じる及川光博さんと共演する家庭訪問のシーンを撮ったんですが、緊張して部屋の隅のほうで固まっている僕に、及川さんが気を遣っていろいろ話しかけてくださったんです。そのとき、刑事ドラマでも活躍されている及川さんに「君はミステリアス顔だねえ」と言っていただいて(笑)。井上さんと仲間さんもそれに同調してくださり、だいぶ気持ちが楽になりました。及川さんが本当の担任の先生みたいでした。
◆ドラマは圭吾が不可解な死を遂げ、物語がまた大きく動く目が離せない展開です。2話の見どころを教えてください。
1話は毒親がいて、いじめがあって、圭吾が死を選んで…という、問題提起の回。2話以降は、圭吾の死の背景に何があったのかという深い部分に入っていきますし、新たな問題や新たな登場人物も出てきます。僕は引き続き回想シーンで登場しますが、このドラマは原作がないオリジナル脚本なので台本を読むのが楽しみです。劇中で圭吾が死を選んだ理由はまだ分かっていませんが、いじめとまではいかなくても、加害者意識なくクラスや集団の中で誰かを意識的に避けたりした経験って誰でも一度はあると思うんです。このドラマを通じて、家族だったり友達だったり、あらためて周りを見つめ直すきっかけになればうれしいです。
■PROFILE
●えんどう・けんしん…2000年11月24日生まれ。静岡県出身。A型。主な出演作は映画「ホットロード」「がらくた」「なぎさ」など。
■番組情報
『明日の約束』
フジテレビ系
毎週(火)後9・00~9・54
<STAFF&CAST>
脚本:古家和尚
演出:土方政人、小林義則
出演:井上真央、及川光博、工藤阿須加、白洲迅、新川優愛、遠藤健慎、手塚理美、仲間由紀恵ほか
●photo/舞山秀一