現在放送中のドキュメンタリードラマ『MASKMEN』(テレビ東京ほか 毎週(金)深0・52)。人印で芸人として活動している斎藤工さんと、人印をプロデュースする野性爆弾・くっきーさんが飛び入りでお笑いライブに出演。終演後にライブの感想や、ドラマの最終回に向けての意気込みを聞きました。
ネタ披露中に「この時間が永遠に続けばいいのに」と思いました(斎藤)
もしかしたら、2人でデパートの営業をしてるかも!?(くっきー)
◆飛び入りでお笑いライブに参加し、斎藤さんとくっきーさんお2人でネタを披露されました。ライブを終えた感想をお願いします。
斎藤:まだ若干ハイです。本当にくっきーさんとご一緒できて幸せだったので、「この時間が永遠に続けばいいのに」と舞台上で思っていました。
くっきー:斎藤さんが手を組みたいと言ってくれはった時から幸せなんですけど、最後の最後にこうやって一緒にネタができてMAX誉れぐあいというか、超絶誉れって感じです。めちゃめちゃ楽しかったですし、幸せな時間でした。
◆今まで、芸人として挑戦されてきましたが印象的な出来事はありますか?
斎藤:サンキューたつおさんの大喜利の授業をミラクルひかるさんと受けた時に、くっきーさんの芸風はやり続けてやり続けて、今の形に奇跡的になったものだから鍾乳洞であると。だから、第三者がやっても成立するわけがないって言われた時に、ある意味その通りだなと思いましたし、だからこそぶつかっていかなきゃと思って。そこがターニングポイントになりました。
くっきー:そうだったんですね。
斎藤:確かに、くっきーさんはネタとしてやっていることは変わってないんですよね。世の中が急にくっきーさんに注目しだしたというか、流れがきていて。僕が監督した作品にご出演頂いてから2年ぐらい経ちますけど、その間のくっきーさんの存在感というのは、一視聴者として激動だったんじゃないかなと。
くっきー:僕は仲間割れしたり、自分ひとりで考え込んだりとかいろいろあったんですけど、結局それも込みでただただ楽しい時間やったなと。たぶん、今日家に帰ってもまだ体がホカホカしている状態なので、風呂入って濃いめのジュース飲むときに寂しさが出るかもしれないですね。そのぽっかり空いた穴は誰が埋めてくれるんやろ…、これ(小指を立てる)ですかね(笑)。
斎藤:(笑)。
◆芸人として数々の挑戦されて大きく変化したことはありますか?
斎藤:前々から、今の俳優としての自分だけだと本当に面白みが全くないというのはあって。僕自身が俳優という職業を気にして格好をつけてしまうんです。でも、芸人さんはその前にお笑いに対するニーズとかに“自分を晒せる強さ、カッコよさ”に追われているので、今後自分が俳優業を続けていくときに根幹の部分がタフになっていくべきだと思いました。芸人活動を経て得た、“晒せる強さ”は、今後も見せられたらと思います。
◆くっきーさんから見て、芸人に挑戦する前の斎藤さんと、挑戦した後の斎藤さんの違いはありますか?
くっきー:元々、勘がすごくええ人だと思うんです。今日のネタに関しても、言うなれば斎藤さんがボケで僕がツッコミになんですが、ボケるタイミングやアクションを起こすタイミングは全部斎藤さん任せ。そのボケる間が、お笑いの間だったのですごくいいなと。芸人にならはっても、大成するんちゃいます?(笑)
◆俳優さんをプロデュースされるのは大変だったかと思いますが、また同じように違う人をプロデュースできそうですか?
くっきー:イヤ!(笑)もうイヤです。やるとしても斎藤さんしかやらないです。
斎藤:それはめちゃくちゃうれしいです!
◆一緒にドラマをやってきて思うお互いの好きなところや尊敬している部分を教えてください。
くっきー:斎藤さんの? 何か照れくさいな~。実は1回、六本木のクラブのトイレで肉体関係を交わしてるんですけど…(笑)
斎藤:あれは11月の末でした。
くっきー:いや、冗談やのに!(笑) でもこうやってノッてくれるので、一緒にいてホンマ楽しいです。人間的に寛大というか、器が大きいですね。
斎藤:ありがとうございます。僕は元々、くっきーさんのファンだったので。くっきーさんの世界観は、今こうして世の中が“天才”と騒ぐずっと前から変わらずやり続けられていて、ひとりのクリエイターだと思います。
くっきー:(うれしさ&照れくささでニヤける)
斎藤:今日のネタも初めてやる上に、普段ボケのくっきーさんがツッコミまくるのに事前の稽古をやらないで、本番の生の感覚でネタを披露するという、その度量がすごい。俳優さんでも台本を繰り返し読んで、アドリブをするということはよくあるのですが、それとも違う…本当に侍が何千人の前で1人刀に手をつけずに立ち向かうような大きさを感じました。
くっきー:めちゃめちゃカッコいいですやん!
斎藤:くっきーさんの肩に鷹止まってましたよ。
くっきー:いやいや、僕楽屋でビクビクしながらブドウ糖をめっちゃ食うてましたよ!「脳みそ回れ、脳みそ回れ!」って(笑)
◆今後、2人でやってみたいことはありますか?
くっきー:今日のネタ終わった瞬間に、斎藤さんが開口一番「これで営業回れますね」って。どこの営業回るつもりやねんって思いました(笑)
斎藤:過疎地で。このネタいくらでも伸ばせますよね。
くっきー:確かに。好きなだけやれるんで、どこかの過疎地のデパートで僕ら出てるかもしれないですね!
◆ちなみに、この『MASKMEN』プロジェクトはこれで終わってしまうのでしょうか?
斎藤:それは放送を楽しみにしていただきたいんですが、いったんここでピリオドを打たせていただいて…。
くっきー:下手したら『男はつらいよ』の寅さんシリーズみたいに続くかもしれない(笑)
斎藤:映画化とかね(笑)
くっきー:いいですねー!
◆では、最後にドラマの最終回の見どころを教えてください。
斎藤:“何かに挑んでいる人間”という風に映っていると思いますし、終盤に関しては一番ドラマとして動く部分が集約されています。最後は編集が大変なぐらい撮っているので(笑)、濃厚な内容だと思います。
くっきー:極端に言えば、スベリ続けてきたんです。スベル、スベル、スベル、またスベル!って、強弱のあるスベリを続けてきて、見ている人も「いつウケるねん」って思ったと思います(笑)。もし今まで見ていなかった方は、過去めちゃくちゃスベっていたというのを意識してみてください!(笑)
■PROFILE
●さいとう・たくみ…1981年8月22日生まれ。東京都出身。A型。2001年に俳優デビュー。以後、映画やドラマ、舞台で活躍する中、自身も映画監督として作品を手掛ける。主な出演作は、『最上の命医』、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』、映画「団地」、「去年の冬、きみと別れ」ほか。映画「のみとり侍」(2018年5月18日)、「ラーメン・テー」の公開が控えている。
公式サイト:http://www.saitoh-takumi.jp/home/
●くっきー…1976年3月12日生まれ。滋賀県出身。AB型。幼稚園からの幼なじみのロッシーと1994年4月1日にコンビ「野性爆弾」を結成。吉本興業の劇場・baseよしもと、うめだ花月で活動したのち、東京に活動拠点を移す。現在、個展「超くっきーランドneo」が台湾で4月8日(日)まで開催中。Twitter:@yodareyodare
■番組情報
ドラマ25『MASKMEN』最終回
テレビ東京
3月23日(金)深0・52~1・23
<最終回あらすじ>
フェイスザチャンスという芸名でR-1ぐらんぷり予選一回戦に挑んだ斎藤工。賞レースを勝ち進む要素を盛り込んだ渾身のネタだったが、まさかの一回戦敗退。失意に暮れた斎藤は、友人でもある芸人・永野から笑いをとるためには素顔で勝負するべきだとアドバイスを受け、人印とフェイスザチャンスのマスクと決別。素顔でのお笑い挑戦を決意し、再び野性爆弾くっきーの元を訪れる。