山田孝之と菅田将暉が、7月スタートのテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『dele(ディーリー)』((金)後11・15ほか)にダブル主演する。
タイトルの「dele」は、「削除」を意味する校正用語。「ストレイヤーズ・クロニクル」を生んだ作家・本多孝好が完全オリジナルドラマの原案・脚本に初挑戦する1話完結型作品だ。
人の死後、パソコンやスマホに残される「デジタル遺品」が題材で、山田は不都合なそのデータをすべて内密に抹消する会社「dele.LIFE」を立ち上げた車いすのプログラマー・坂上圭司役。菅田は圭司の仕事を手伝う何でも屋の真柴祐太郎を演じる。2人のキャラクターは、山田と菅田への当て書きで生まれた。
任務を遂行しようとする度、さまざまな問題に巻き込まれる圭司と祐太郎。やがて、依頼人の人生とそこに隠された真相をひも解かなければならない状況に追い込まれていく。
山田と菅田はこれまでドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし7人』や、映画「闇金ウシジマくん Part2」「何者」などで共演。先月にはTwitterとInstagramに共同アカウントを開設して話題を呼んでいたが、この『dele』での共演が理由だった。
脚本には本多のほか、「SP」シリーズの金城一紀、映画「グラスホッパー」の瀧本智行(今作では監督も担当)、映画「あなたへ」の青島武、映画「進撃の巨人」の渡辺雄介、「相棒」シリーズの徳永富彦が参加。音楽はアニメ『血界戦線』の岩崎太整に、ドラマの劇伴は初となるDJ MITSU THE BEATSと、一流クリエーターが集結している。
山田は「菅田君とは過去3回共演しましたが、いつかガッツリ共演してみたいと思っていたので、今回の設定はとてもうれしく思いました。まさか連続ドラマで実現するとは予想外でしたが」と、菅田との芝居にやる気十分。
菅田も「山田さんはお芝居の最中はもちろん、意外と撮影合間に話す内容にヒントがたくさんある方。リハーサルをやってみて『ここはどうしようかな』と考えているとき、山田さんと話をすると、腑に落ちることがよくあります」と、山田から受ける刺激に感化されている。
<山田孝之(坂上圭司・役)コメント>
オファーを受けたとき惹かれたのは、デジタル遺品を題材にするということ。そして、菅田くんとの共演でした。誰もが気にかけているデジタル遺品ですが、現在その解決策があるとするならば、“信頼できる人間に頼む”という、実にアナログな方法くらいしか思い浮かびません。しかしその現実を知らせることは、とても意義のあることだと考えます。菅田くんとは過去3回共演しましたが、いつかガッツリ共演してみたいと思っていたので、今回の設定はとても嬉しく思いました。まさか連続ドラマで実現するとは予想外でしたが。
このドラマの面白い点は、毎回脚本家の方が違うというところです。回によってそれぞれ描写や表現方法に違いも出てきます。それをひとりの人間として演じることは、難しい作業ではありますが、やり甲斐もあります。僕が演じる圭司は、決して悪い人ではないのですが、まあ、性格はよくないかなと思います。“他人から見たらムカつく人”を演じるのは面白くもあり、難しくもあります。セリフは少し大変です。圭司は知識が豊富なので、説明セリフやカタカナの用語が多いんです。しかも、パソコンを触りながら話すので、ついつい画面に出てきた文字を読みたくなっちゃうんですよ。実は第1話の台本を読んだときに、絶対に大変な思いをすることは分かっていたので、ゆっくりしゃべろうと考えていたんです。でも、圭司として言葉を発したとき、「やっぱり、この人はゆっくりしゃべる人じゃない。抑揚無く早口でしゃべらなきゃ、らしくないな」と。まあ、それを実践すると、NGが多く出るわけですが。演じる側としては大変ですけど、そこがまた面白いところでもありますね。
撮影では日々、“残るもの”を作ってきている、という感覚があります。文字にしちゃうと何だかなぁ…という感じですけど、この作品に携わる全員の“熱意”がちゃんと伝わると思います。また皆さんには、耳から入ってきたセリフをしっかりと心で受け止めてほしいです。というのも、劇中でごく普通に話している言葉の中に、伝えたいことがたくさんあると感じたからです。「この人はそうなんだ」ではなく、自分だったら、自分の周りだったら…と考えてほしいです。今回の作品では特にそう感じています。
<菅田将暉(真柴祐太郎・役)コメント>
祐太郎は「dele. LIFE」で働き始める前まで、ちゃんとした職があるわけではなく、ふらふらとしていた男。そんな“たゆたっている感じの人間”が居場所を見つけていく過程を、日々の撮影で実感しています。今回は衣装など、ビジュアルにもこだわりました。特殊にしたいわけではないですけど、何か記憶に残るものにしたくて…。 髪型など、祐太郎の長所である“自由な感じ”を意識しています。また、彼が抱く素朴な疑問は、視聴者目線に近い感覚。そういう素直な感じは、大切にして演じています。
この現場は“みんなで一緒に作っている感覚”があって、すごく楽しいです。みんな、本当に楽しそうに撮影している、それがすべてなんじゃないかな。“よりよいもの、面白いものを楽しんで作ろう”というベースは、作品にも絶対に出ているはず。その点、全員が様々な観点から意見を言い合える今回の現場は、すごく理想的な形だと思います。山田さんから受ける刺激も大きいです。山田さんはお芝居の最中はもちろん、意外と撮影合間に話す内容にヒントがたくさんある方。リハーサルをやってみて「ここはどうしようかな」と考えているとき、山田さんと話をすると、腑に落ちることがよくあります。
今っていろいろ白黒つけることが増えたけれど、一見悪く見える人も、実はそうでもなかったりする。それも含めて“人間”なんです。そういう視点が一話ごとの物語の結末にも表れていて、僕はすごく好きです。この作品で描かれる人間像に、きっと見てる方は驚き、考えさせられ、答えを見つけたくなるはず! そういう刺激が随所にあるドラマだと思います。