dTVオリジナルドラマ「銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-」が映像配信サービス「dTV」で配信中。9月1日(土)からは第3話「いくつになっても歯医者はイヤ篇」の配信がスタートする。原作の人気キャラクターで、“まるでダメなオッさん”略して“マダオ”の愛称で親しまれている長谷川泰三として、アニメ版で声優を務め、実写にそのまま飛び出してきた立木文彦さんにインタビュー。実写とアニメの違いや撮影現場の様子、見どころなどを聞きました。
マダオは最初で最後のキャラクター
◆今回、dTVオリジナルドラマ「銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-」で、アニメやナレーションの「声」の仕事ではなく、「実写」というオファーが来た時のお気持ちは?
もともと実写版『銀魂』の予告編のナレーションを去年やっていたので、今回のオファーを頂いた時に「あれ、もしかして…?(今年もナレーションかな?)」と思いました。でも福田監督からお声があったということで「あ、そうか。実写か。しゃべりだけじゃない、そのまんま演技をするっていう部分のオファーなんだな」っていうのが分かって、まずはびっくりしました。そして、この銀魂という作品はすごくファンが多いので、自分のビジュアルで登場したことによってどうなっちゃうんだろうっていうのが頭によぎりましたね。
◆やっぱり銀魂の中にマダオがいると、すごいアクセントになりますよね。
すごいアクセントですよね(笑)。原作でもアニメでも回数はあまり出てないですけど、出るとインパクトがある。どういうふうに出てもいいという、この稀有なキャラクターは初めてです。こういうキャラクターに出会うのはたぶん最初で最後でしょうね。どこに出ても違和感がないというか、成立する(笑)。「いやお前いらないから」とか、「そこじゃないから」みたいな感じでもいいし、実際にストーリーに入ってくる場合もあるし。それが銀魂の中のマダオのあり方なんでしょうね。
◆原作のファンの方は実写のマダオが出てくるっていうのはうれしいと思います。
これはどうなんですかね(笑)。たぶんびっくりすると思います。マダオの良さは、「なんで出てくるんだよ」って言われたとしても、それはそれで成立する。そういう役の要素もあるんですよね。変なことやっても「すいません」みたいな感じで逃げられるというか(笑)
自分の中ではある意味アニメを超えてる
◆アニメ版「銀魂」でも声優としてマダオを演じられていますが、実写とアニメで演じ方の違いや気をつけた点はありますか?
声を長年やってきているキャラクターなので、しゃべって演技をすればそのままマダオなんですけど、実写となるとそこに立ち姿やビジュアル、動きで見せないといけないので、セリフを覚えたりするところから、自分の中で初めてやったことのない役作りをした感じでした。同じキャラなのに(笑)
◆立木さんの中でも珍しい体験ですか?
珍しいです(笑)。実際、原作があって、アニメで声当ててる人が、映像に出てその役をそのまんまやるということは、自分が初めてじゃないか、と思っています。あとで調べてほしいですが(笑)。もし初めてだったら、これはちょっとギネスに載っけてもらいたいなっていう(笑)。それぐらい自分の中でもびっくりなニュースでしたね。
◆マダオを実写で演じるプレッシャーはありましたか?
アニメを超えていかなきゃいけない。それができたかどうかはもう、あとはお客様の判断なんですけど。自分なりの今やれることは、かなりやったつもりではいます。自分の演じた感じだと、受け入れてくれると思いますね。
◆実写とアニメの作品自体の違いはどういったところでしょうか?
どの人気漫画、人気アニメ作品もそうだと思うんですけど、世界観が確立しているじゃないですか。そこに実写版ができたっていうのは、昨年の劇場版「銀魂」や実写ドラマ「銀魂」の大ヒットを見れば分かるように、やっぱりキャスティングですよね。豪華なキャスティングで、それが全くすべらない、1ミリもすべっていない。むしろ役者の方々は本当に楽しんで世界観を体現して演技してる。その点では自分の中では、ある意味アニメを超えてると思っています。ジャンルは実写とアニメとでは全く違うんですけど、超えてるなって。実写は実写の行く道を歩き始めたっていう感じがしましたね。実写版はまだ始まったばっかりですけど、劇場版もドラマ版も「銀魂2」でも大成功すれば、今後まさかのシリーズ化みたいになって、長く濃く続いていけばいいですよね(笑)
マダオへの入り込み方は尋常じゃないですよ
◆福田監督の作品への出演は初めてだと思いますが、撮影前の福田監督の印象は?
予告のナレーションとかをやっているので、福田監督はもちろん前から知ってましたし、人柄とかもなんとなく垣間見えた部分もあったので、もう初対面とは思えない感じでしたね。初めて会ったのは、楽屋でこのマダオの髪を作ってる時です(笑)。そのとき福田監督に「やっぱりマダオはこれですよね」と笑っていただけたので、ああ大丈夫なんだなって思いました。あとは自分が演技をちゃんとやれば良いなって。福田監督から深い演技指導とかはほとんどなく、そのままでやってくださいっていう感じだったので、やりやすかったですね。
◆福田監督自身の銀魂への愛がとても深いですよね。
それはすごく感じましたね。相当愛があって、ちょっと半端なことはできないなって。もちろんそういうことするつもりはないですけど。やっぱりマダオって役を(アニメ版で)やっているので、僕も余計入り込み方は尋常じゃないですよ、やっぱり。
演技に対するスタッフのリアクションがうれしかった
◆撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
現場自体は本当に楽しい現場で、いつも笑いが絶えなくて、福田監督自身が楽しんでいらっしゃるなっていう印象ですね。自分の中ではちょっとピリピリした感じも想像してたんですけど、全然そういうところがなく。スタッフの方もいい方ばかりで、初めて行ったとは思えないような感じがあり、雰囲気作りが素晴らしいなと思いました。もっといたかったっていうくらい。映画やドラマの撮影の現場でこんなに楽しそうな現場は、まず僕は知らないです。撮影は1日だけで、4時間ぐらいでしたけど(笑)あと、1シーン目を撮った時、第1声を発した時にスタッフの方々や演者さんが、「本物だ」とか、「うわー」とかそういう感動の仕方をしてくれたのがうれしかったです。あれはなかなか味わえるものではないです。
◆撮影中のエピソードはありますか?
それぞれ役者さんにクロックスのスリッパが置いてあるんですよ、色違いで。そこに“長谷川”って貼ってあって(笑)。小さな喜びで、プチ感動しました。たった1回しか使わないんですけどね。後で「あー写真撮っときゃよかった」って思いました。そういう意味を含めてね、またクロックスを履ける日が来たらいいなって、“長谷川クロックス”を(笑)
◆苦労した点があれば教えてください。
何回も撮り直したり、いろんな角度で撮る際、テンションを保っているのが難しかったです。声の仕事の場合は1回録音したら終わりということが多いので。今回、役柄的に結構叫んだりするところが多かったんですけど、違う角度で、別のカメラで撮る時も、同じ物を要求される。あの難しさは普段自分が経験できてないところで、実写独特でした。撮影全体はすごく楽しかったです。
続編もオファーがあればぜひやりたい
◆小栗旬さん、柳楽優弥さんと、初めてご一緒していかがでしたか?
まさかこんな形でお会いするとは思ってなかったです(笑)小栗さんも銀さんとして役に入っていたから、マダオとして「よろしくお願いします」って撮影の現場に行った時にすぐ打ち解けて、ニコニコしていました。アニメのことや銀魂のことをちょっと話しましたね。柳楽さんもマンガが好きみたいで、自分がかつてやった某役とか、割と有名な役のファンなんですって、向こうから言ってきてくれたりしました。写真撮影もしてもらったりして、自分の中では宝ですね。
◆もし続編があったら、ご出演の希望はありますか?
オファーがあればぜひ出演したいです。この作品で、失敗を恐れず、実写の本物の役として出演したので、もうこの先は覚悟決めてやります。
ドラマ版は確実に見たほうが良い
◆今回のドラマの見どころを教えてください。
新しいことずくめなんです。ドラマ版の台本を見たときに笑いが止まらなくて、これはすごいなって思いましたね。脚本も含めて。だからドラマ版は確実に見たほうが良いですね。絶対見たほうが良いです。見ないと半分以上損をします(笑)。それぐらい面白かったです。あとはやっぱり、小栗さん、柳楽さん、橋本さん含め、映画に出ている方々も出演していて、その方々のぶっ飛び感は見どころですね。そして、個人的に各話ストーリーテラーから始まる部分が非常に楽しみです。これもぜひ楽しみに見てください。
◆最後に、ファンの方、視聴者にメッセージをお願いします。
今回、映像として、声だけじゃなく出た自分ですが、おそらく自分の中では長谷川泰三(マダオ)というキャラの脇道にはそれていないと思うので、これからも長谷川泰三(マダオ)を愛をもって見守っていてください。
■作品情報
dTVオリジナルドラマ
「銀魂2-世にも奇妙な銀魂ちゃん-」
9月1日(土)より第3話「いくつになっても歯医者はイヤ篇」配信中
全3話 毎週土曜更新
「眠れないアル篇」
「土方禁煙篇」
「いくつになっても歯医者はイヤ篇」
特集サイトURL:https://video.dmkt-sp.jp/ft/s0007030
<出演>
小栗旬
橋本環奈/柳楽優弥 吉沢亮
中村勘九郎
山本美月 矢本悠馬 立木文彦
堤真一
原作:「銀魂」空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本/監督:福田雄一(「大洗にも星がふるなり」「HK変態仮面」「女子ーズ」「斉木楠雄のΨ難」ほか)
エグゼクティブプロデューサー:上田徳浩(エイベックス通信放送)、小岩井宏悦(ワーナーブラザース映画)
プロデューサー:内部健太郎(エイベックス通信放送)、松橋真三(プラスディー)、稗田晋(集英社)
アソシエイトプロデューサー:平野宏治(プラスディー)、三條場一正(集英社)
制作プロダクション:ワーナー・ブラザース映画・プラスディー
製作著作:©空知英秋/集英社 ©2018映画「銀魂2」製作委員会 ©2018 エイベックス通信放送
ドラマ公式SNS:Twitter @gintama_dtv