平手友梨奈×月川翔監督インタビュー「初めての映画が『響』でよかった」映画「響 -HIBIKI-」

特集・インタビュー
2018年09月12日

「マンガ大賞2017」大賞受賞作品を映画化した「響 -HIBIKI-」で、映画初出演にして初主演を務める欅坂46の平手友梨奈さん。圧倒的な文才を持ち、絶対に自らの信念を曲げない“響”という強烈なキャラクターをどのようにしてつかんでいったのか。信頼する月川翔監督との対談インタビューで明かしてくれた。


響というキャラクターを平手さんと2人でつかみ取っていった感じです(月川監督)

映画「響 -HIBIKI-」◆いよいよ公開が近づいてきました。

月川:2週間前にできたばかりなので(取材時)、試写でも見ていただいている方がまだ少なくて。でもその少ない中からすごい熱量で感想をわざわざ伝えてくださる方が多いので、かなりの手応えをつかんでいます。早く見ていただきたいですね。

平手:私はつい最近見ました。クランクアップしたのが6月だったんです。それで9月公開だから“3~4か月あるね”って言ってたのが、もう目前に迫っていて。そういう意味ではあっという間だったなって感じてます。

月川:平手さんが飽き性だと聞いてたから心配だったけど(笑)、意外と早かったよね。

平手全然早かったです! ここまで飽きなかったの、初めてかも(笑)。

月川:おお~よかったよかった!(笑)

映画「響 -HIBIKI-」◆お二人は撮影に入る前から何度も打ち合わせをされたということですが、初めてお話しされたのはどのタイミングだったんですか?

月川:昨年の9月、平手さんに出演のオファーをしに行ったのが一番最初ですね。全然しゃべってくれなかったんですよ(笑)。

平手:あはは(笑)。

月川:あまり目も合わせてくれないし(笑)。そんな中で、大人がいろいろ言うかもしれないけど、もしこの映画をやるなら自分自身で決めてほしいというのをお願いしました。

平手:そうですね。部屋に入ったら、監督を含めて3人いらっしゃって。

月川:うん、3人で行きました。

平手:こちらもスタッフと私の2人しかいなくて。全然フォローしてくれなくて(笑)。

月川:ははは(笑)。

平手:“あ~どうしよう!”みたいな感じでした。今年に入ってからですよね? ちゃんと目を見て話したのは…(笑)。

月川:そうだね(笑)。

平手:月川監督は本当に言葉にうそがなくて、何でも正直に話してくださってるなというのを感じました。

◆響というキャラクターの魅力について教えてください。

月川:今回の作品は、自分自身にとっても転機になりそうだなと。今回、こうして響と平手友梨奈に出会ったことで、モノを作るという姿勢が正される感じがしていて。いつもだったら“もう少しサービスショットを撮ろうかな”とか“こうしたらお客さんが喜ぶんじゃないか”とかいろいろ考えるんですけど。この作品に関しては“この作品はこうあるべきだ”という思いだけで作りました。でも、自主製作映画を作っていたころってそうしていたんですよね。あのころの記憶が呼び覚まされる力が響というキャラクターにあって。自分も突き動かされていくような感じがしました。

平手:私もそんな響が大好きで。いやもう、大好きなだけですね、私は。何から何まで全部好きです。


初めての映画が本当に「響」でよかったし、このチームで作れてよかった(平手)

映画「響 -HIBIKI-」◆現場では具体的にどんなことをお話しされてたんですか?

月川:撮影前に“ある程度こういう動きになるかな”みたいなことだけを伝えてました。響について一番知っていたのは平手さんだと思っていたので、“響ならどうする?”って僕が聞きに行ってましたね。それで動きを見せてもらって、何かしっくり来ないことがあったらそれがなぜなのかをひもといていって。響というキャラクターを、平手さんと一緒につかみ取っていった感じでした。

◆平手さんをすごいなと思ったのはどういうところですか?

月川:監督って本来、何がよくて何が悪いかをジャッジしなきゃいけない立場ですけど、やっぱり分からないことも起きてしまうわけで…。

平手:確かに監督って自分の意思を貫く立場というか、何かもう「ここはこうしてああして」っていう感じなのかなと思ってましたけど、月川監督はいろいろ意見を求めてきてくださる方で。

月川:そういう時、彼女が“だったらこうしましょう”って提案してくるものが“確かに響ならこうするな”と納得いくものなんです。しかも瞬時に出てくる。だからこそ僕は、平手さんが響としてそこに存在してくれてるんだなという感覚に至ったんですよね。それが平手さんのすごさだと思いますね。

平手:私としては、ただ自由にやらせていただいたという感じです。こういうタイプの監督は珍しいと聞きましたし、初めての映画が本当に「響」でよかったし、このチームで作れてよかったなと思います。

◆平手さんのクリエイターとしての才能を感じるところはありますか?

月川:作品全体の話ができるところだと思います。後半の動物園のシーンを入れることを提案してくれたんですけど、それによって、響が芥川賞や直木賞の受賞結果に興味がないだけじゃなく、響の普通の高校生っぽい側面が出てくる。そういうことを一緒に考えていける人だから、僕は同じ作り手だと思って接してました。“平手さんがそう言うなら入れなきゃ”ってことじゃなくて、“それならもっとよくなるな”って思えるコミュニケーションが取れた。作品をよくするために一緒に走ってくれる人という意味で、平手さんはクリエイターだと僕は思いますね。

平手:私は映画は今回が初めてですが、今までMVとかいろんな作品もみんなで話し合って作ってきて、それが当たり前という感覚なんです。みんなで意見交換をすると“ああ、こうなるんだ”っていう発見があって、そういう部分でモノ作りは好きです。

 

■PROFILE

●ひらて・ゆりな…2001年6月25日生まれ。愛知県出身。O型。デビュー曲から最新シングルまで7作連続でセンターを務めている欅坂46のエース。ドラマ出演作に『徳山大五郎を誰が殺したか?』『残酷な観客達』。

●つきかわ・しょう…1982年8月5日生まれ。東京都出身。監督作に「センセイ君主」「君の膵臓をたべたい」「となりの怪物くん」「君と100回目の恋」「黒崎くんの言いなりになんてならない」など。

 

■映画情報

映画「響 -HIBIKI-」映画「響 -HIBIKI-」
9月14日(金)全国東宝系にて公開

<STAFF&CAST>
監督:月川翔
原作:柳本光晴
脚本:西田征史

出演:平手友梨奈、アヤカ・ウィルソン、高嶋政伸、柳楽優弥、北村有起哉、野間口徹、小松和重、黒田大輔、板垣瑞生、吉田栄作、小栗旬、北川景子ほか

<STORY>
文芸誌編集者のふみ(北川)は、天才的な文才を持つ少女・響(平手)と出会う。絶対に信念を曲げず、それに反する相手には手を出してしまうこともある響は、周りと衝突しながらもさまざまな人々の価値観を変えていく。

©2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会 ©柳本光晴/小学館
 
●photo/中田智章 text/橋本吾郎 hair&make/Mao(マクスタア)(平手) styling/笠原百合(平手) 衣装協力/クロエ カスタマーリレーションズ(シーバイクロエ)(平手)

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025冬ドラマ最新情報まとめ2024→2025 年末年始・お正月特番一覧