11月9日(金)公開の映画『生きてるだけで、愛。』の完成披露上映会が行われ、主演の趣里、共演の菅田将暉、仲里依紗、西田尚美、石橋静河、織田梨沙、関根光才監督が登壇した。
本作は、芥川賞作家・本谷有希子の同名小説を趣里主演で映画化した、今を懸命に生きる不器用な男女2人の真っすぐでエモーショナルなラブストーリー。には、主演の趣里をはじめ、菅田将暉、田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙、仲里依紗が出演。同作が初の長編監督作となる映像作家・関根光才が監督を務める。
引きこもりのヒロイン・寧子役の趣里は「脚本を読んだときにものすごいエネルギーを感じて、それを初期衝動として大切に演じました。外から見たら難のあるキャラクターだけれど、生きていたら楽しいことだけではなくて、辛いことや悲しいこともある。だから共感できる部分はたくさんありました」と。
初共演の菅田については「とても自然体な方ですよね。現場でも本当にそのままで。寧子のエキセントリックな部分を受け止めてもらいました」と感謝した。
寧子と同棲するゴシップ雑誌記者・津奈木役の菅田は「シリアスなシーンが多い映画の現場の方が仲良くなる。現場をどうやって楽しむかと考えることが多いので、実際に現場では楽しくやっていました。趣里さんからはストレッチとかを習っていましたね。僕は体が硬いから」と撮影を振り返った。
趣里が「菅田さんからはボクシングを教えてもらいました」と話すと、菅田は「趣里さんはボクシング経験がないのに、3分くらいミット打ちができていたくらい体力がすごい…なんかラジオの収録みたいな舞台あいさつだね」と笑顔を見せた。
津奈木の元カノ・安堂役の仲は「とりあえずセリフが長くて辛かった。自分ではよく分からないようなことをセリフで言っているので…」とぶっちゃけつつ、「久々の映画の撮影だったので、いい経験ができました。16ミリフィルムで撮影する映画も久々だったので、身が引き締まって。でもフィルムの値段が高い分、NGが出せないというプレッシャーと長いセリフで“どうしよう!”とパニックになっていました」と明かした。
寧子が働くことになるカフェバーのマスターの妻・真紀役の西田は「普通さが寧子に刺さればいいと思って、普通の塩梅を意識しました。いいカフェでした」と。カフェバーの従業員・莉奈役の織田は「緊張感がなく自由な感じの現場なのかなと思ったけれど、フィルムでの撮影が緊張した」と語った。
関根監督は、フィルム撮影の狙いについて「原作を読んだときに、真っ先にフィルムで撮りたいと思った。フィルムは人の心の動きが映ると僕が信じているからです」とその理由を説明。
津奈木の同僚・美里役の石橋は「映像も美しく、途中から他人事に思えなくなるほどそれぞれのキャラがいとおしくなった」と作品の印象を語った。
映画にちなんで“分かり合えたと思えた瞬間”を聞かれた趣里は「舞台をやると、お客様と通じ合えているような瞬間を感じることがある。同じ時間に生きて、存在しているんだというのが空気で分かる。そんな幸せを感じる時にお芝居をやっていて良かったと思う」と自身の体験を紹介。
菅田は「ささいなことですが」と前置きしつつ「コンビニに入ったら、自分の曲が流れていて、店員さんと目があった。この人が僕の曲をかけたのか?と。気まずくてレジに行きにくくなりましたけれど…。そんなシンクロがありました」と。
俳優の中尾明慶を夫に持つ仲は「旦那さんのお仕事が終わるころかなと思って『終わった?』と連絡をしたのと同時に、連絡が同時にあるということが結構ある。そんなときに分かり合えているなと思う」と。さらに「何を食べたい?と聞いても返事がなかったのに、ハヤシライスを作っておいたら、帰ってきた時に『ハヤシライスが食べたいと言おうと思っていた』と言われたこともある」と仲むつまじい夫婦シンクロを紹介し、会場を盛り上げた。
最後に趣里は「撮影ではスタッフさん一人ひとりの熱い思いを感じ、映画の力を感じていました。『生きてるだけで、愛。』というタイトルが全てですが、葛藤やいとおしさが詰まっている作品です」とアピールした。
映画『生きてるだけで、愛。』
11月9日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
<STORY>
生きてるだけで、ほんと疲れる。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子と、出版社でゴシップ記事の執筆に明け暮れながら寧子との同棲を続けている津奈木。そこへ津奈木の元カノが現れたことから、寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、二人の関係にも変化が訪れるが……。
出演:趣里 菅田将暉 田中哲司 西田尚美/松重豊/石橋静河 織田梨沙/仲里依紗
原作:本谷有希子『生きてるだけで、愛。』(新潮文庫刊)
監督・脚本:関根光才
製作幹事:ハピネット、スタイルジャム
企画・制作プロダクション:スタイルジャム
配給:クロックワークス
公式サイト:http://ikiai.jp
©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会