2018年4月クールに放送された『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が、「東京ドラマアウォード2018」連続ドラマ部門のグランプリを獲得。田中圭が主演男優賞、吉田鋼太郎が助演男優賞に選ばれた。
『おっさんずラブ』は、女好きだがモテない主人公・春田創一(田中)が、乙女心を隠し持つ上司・黒澤武蔵(吉田)とイケメンでドSな後輩・牧凌太(林遣都)から告白されるラブコメディ。
主演男優賞を受賞した田中は「現場にいる皆さんの愛を受けていればいい役だったので、ずっと楽しくやらせてもらった。自分たちが言うのも何ですが、本当に面白いドラマになってよかったと思います。ここにいない共演者やスタッフさん、見てくださった皆さんに“ありがとう”を言いたい」と喜びをかみ締めた。
助演男優賞の吉田は「今回、僕はヒロインという役を頂いて。最初は慣れないヒロイン役にどうしようかと思いましたが、田中圭君を本当に愛して、好きになっていけばこの役はできるのかなと。ひたすら田中圭君を愛しました」と会場の笑いを誘った。
<田中圭 囲み取材コメント>
◆主演男優賞を受賞されてどんなお気持ちでしょうか?
うれしいです。個人的に賞を頂くのは、今年までなくて。もちろん賞のことを考えて役者をやっているわけではないですけど、やっぱり、皆さんからの“頑張ったね!”じゃないですが、いつか賞をもらえたらいいなとは思ってました。でも、まさか自分が助演の前に主演でという形で頂くとは、夢にも思っていなかったです。でも、『おっさんずラブ』に関わった皆さんが僕にくれた賞だと思いますので、堂々といただきま~す!
◆注目が集まるきっかけになった作品だと思いますが、何か変化はありましたか?
取材が増えました。今までオフだった日が取材デーになったり、ドラマの現場に密着されたりとか。でも、僕自身はあんまり変わってないですね。
◆『おっさんずラブ』はSNSで大きな反響がありましたが、そのことについて思うことがありますか?
それこそ、完成した1話を見たときにすごく面白くて。手応えを感じながらみんなで作っていたんですけど、1話の視聴率が2.9%って出たときに監督とプロデュ―サーさんもすごく落ち込んでいて、僕に“すみません”って謝りに来たんです。でも、僕はもともとあんまり数字に固執しているわけでもなかったですし、1話がすごく面白かったから“全然気にすることないよ!逆にそんなの急にやめて”って思って。まず、この作品は単発だったので、数字を獲りにいこうと思って連ドラにするんだったら、“タイトルは『おっさんずラブ』じゃねーよ!”っていう話をしたのも覚えていますし(笑)。でも、そこでぶれずに自分たちが楽しいと思ったことや、好きだっていう気持ちをただただ真剣にやり続けようと思って。何%が成功かは分からないですけど、やっぱり数字的には最後まで跳ねることはありませんでしたが、その分思いが届いた人もたくさんいて。だから、視聴率では見えないものも確かにあるっていうのは感じました。
判断基準が基本的に視聴率しかないので、視聴率が良くてドラマの現場があがることに越したことはないですけど、やっぱり数字にとらわれずに自分たちが面白いと思う作品を作ってきたのが日本のドラマだと思います。もちろん原作モノも楽しいですが、オリジナルの楽しさとか、純粋にみんなが作りたいモノが今回『おっさんずラブ』という形で届いて。多分ですけど、『おっさんずラブ』は史上最低の視聴率でドラマアワード作品賞のグランプリを受賞したと思うので、数字を恐れずに自分たちがやりたいことを貫く作品が今後も増えていったらいいなと思います。
◆田中さんにとって、この『おっさんずラブ』はどんな作品になりましたか?
スタートになりました!18年俳優をやってきて、僕が主演でやることなんてほとんどなかったので、この作品が単発がなく、連ドラからだったらきっと僕が主演をすることもなかったと思いますし。とにかくやり切ろうと、18年の集大成だと思ってやったんですけど、それが意外と“まだまだこういう現場を作れるんだ”とか“まだまだ楽しいことがこの先もいっぱいありそうだな”“もっといい現場に会いたいな”っていういろんな感情が生まれてきた。集大成として挑んだんですが、スタートにすぎなかったっていう感覚がありますし、これから『おっさんずラブ』以上のモノをやらなければしょうがないと思ってます。
<吉田綱太郎 囲み取材コメント>
◆『おっさんずラブ』をやるにあたり、考えられたことはありましたか?
現場に入る前は演じたことがない役柄でしたので、大変緊張したし、どうやって演じようか悩んだんですけど、撮影をしているうちに自分の性格はとても女性っぽいと(笑)。例えば、自分の思いを打ち明けられずに家で引きこもったり、お酒の力を借りないと告白できなかったりすることもあるので、部長みたいに影で写真を撮ってみたりね(笑)。だから、そういう気持ちがよく分かるので、途中からは自分の性格のままやればいいんだなということに気づき始めまして。だから、役作りをしたという感じではないです。
◆現場がとても楽しそうな様子でしたが?
そうですね。ただ、田中君や林(遣都)君は撮影が終わったあとによくご飯を食べに行ったりしていたんですけど、僕は他の仕事も入ってたりしてそれができなかったんですよ。なので、僕はみんなが楽しそうにしているのを見て、少しヤキモチを…。林遣都と田中圭は初共演なんですけど、日に日にすごく仲良くなっているのを見て、ちょっと不思議な気持ちを抱きましたね(笑)。
◆アドリブが非常に多い現場だったと伺いましたが?
僕自身がアドリブを入れてしまいがちな俳優なので。そうすると、田中君も非常に臨機応変で才能がある俳優なので、僕のアドリブをきっちり返してくるというのが続き始め、脚本の徳尾浩司さんには申し訳ないけど、これでやらせてもらおうというふうになりましたね。