東京国際映画祭で映画「人魚の眠る家」の完成披露舞台あいさつが行われ、主演の篠原涼子、共演の西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中泯、堤幸彦監督が登壇した。
今回の東京国際映画祭からオープニング作品、クロージング作品と並ぶ新設部門「GALAスクリーニング作品」として上映される「人魚の眠る家」。その上映に先立ち、レッドカーペットを歩き終えた篠原らが舞台あいさつを行った。
共演は3度目、映画では初共演となる篠原と西島。本作では離婚寸前のすれ違う夫婦を演じていることについて聞かれると、2人の共演作は必ず「篠原が西島を振り回す」という共通点があることが発覚。
しかし、本作ではお互いが実際に家族を持ってから、初めての夫婦役ということで、篠原は「すごくお互いいろんな話をしたし、考えさせられることがありましたよね」と感慨深げ。西島は実際に母になった篠原の母親の演技について「実人生で積み重ねてきた演技の重みというか、深さを感じられました」と絶賛した。
演出で苦労したことを聞かれた堤監督は「作品のストーリーにおける出演者の感情を順番に形作ることが大切だと思ったので、今回はほぼ順撮りといって物語の始まりから順番に撮っていく方法をとりました」と撮影でのこだわりを明かし「だからこそ丁寧に感情を表現することができたと思います」と自信をのぞかせた。
シビアなシーンがあるものの、撮影は和気あいあいとした雰囲気で進んだという。楽しかった思い出を聞かれると、山口は「回想のシーンで子供たちと一緒に庭で鬼ごっこをしたんですが、服がびちょびちょになるくらい汗をかいて遊びました」と。川栄は坂口とのデートシーンでもんじゃ焼きを食べるシーンを挙げ「坂口さんはカットがかかってもずっともんじゃ焼きを食べてました」というエピソードを披露し、会場を和ませた。
最後に堤監督が「たくさん作品を撮ってきましたが、自信持って皆さんにお届けできる作品となっています。ただ、この作品の答えはひとつではありません。ご覧になった方によって作品の印象が変わってくるかと思いますが、ぜひそれぞれの立場で見ていただきたいと思います」とあいさつ。そして篠原が「本当に最後まで、思いっきり泣いていただきたいと思います!!!」と力強く締めくくった。
「人魚の眠る家」
11月16日(金)公開
監督:堤幸彦
脚本:篠﨑絵里子
原作:東野圭吾「人魚の眠る家」(幻冬舎文庫)
出演:篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中哲司、田中泯、松坂慶子
配給:松竹
<STORY>
二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)とIT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。娘の小学校受験が終わったら、離婚すると約束した夫婦のもとに、突然の悲報が届く。娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。回復の見込みがないわが子を生かし続けるか、死を受け入れるか。究極の選択を迫られた夫婦は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始する。治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていく。それは果たして愛なのか、それともただの欲望なのか。過酷な運命を背負うことになった彼らの先には、衝撃の結末が待ち受けていた――。
公式サイト:ningyo-movie.jp
©2018「人魚の眠る家」製作委員会