『テレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル「二つの祖国」』(テレビ東京系)の記者会見が行われ、ムロツヨシ、多部未華子、高良健吾、新田真剣佑、松重豊が登壇した。
山崎豊子の大ベストセラーを民放で初映像化。第二次世界大戦前、中、後のアメリカと日本を舞台に、歴史に翻弄されながらも激動の時代を生き抜いた若者たちを描く。
主演の小栗旬は海外で撮影中のため、会見を欠席。チャーリー田宮役のムロツヨシが「会見で僕が最初にあいさつするとは思わなくて。小栗旬不在、申し訳ございません!」と小栗不在を謝罪。さらに「今日の衣装もベージュと紺と迷って、ベージュを選択したら(ほかのキャストを見て)紺のほうが統一感あってよかったな…」と嘆き、会場を笑いに包んだ。
ドラマのオファーがある前に、小栗から連絡があったと明かし「彼も役と同じで熱い男なんです。電話がいきなりきて『どうしても一緒に出てほしい作品がある』って言われて。彼が熱い話をすると二重になるんです」と小栗の真似をしながら「『ムロ君の役は、前に沢田研二さんがやっていて、今の沢田さんはムロ君だと思うのよ!』って言いだしたときは、この子は目がおかしくなっちゃったんだって思ったんですが、彼の話を聞いてほだされてというか、15年来の友人が一緒にやってほしいと言ってくれたので、ありがたいなと思い、出演を決めました」と語った。
天羽賢治(小栗)の同僚で日系二世・井本梛子役の多部は「テレビ東京が力を入れている作品に出演することになり、梛子を大切に演じさせていただきました」とあいさつ。タイでの撮影もあったという本作だが、印象に残っている撮影を聞かれると「小栗さんとムロさんとのシーンが多かったんですが、ムロさんとたくさんお話させていただきました。…ただ、何を話したかは全く覚えていないんですが、楽しかったです」と笑った。
さらにムロとのキスシーンもあったそうで、多部が「実は20代最後の作品がこの『二つの祖国』で、そこでムロさんとキスシーンをさせていただき、大変光栄でした」とはにかむと、ムロが「20代最後のキスが僕なんですね!じゃあ、30代最初(のキス)も狙っていきます!」と意気込んだ。
天羽家の次男・天羽忠を演じた高良は「台本をもらった時に素晴らしいドラマだと思いました。戦争という、人間が繰り返し続けている歴史というのを題材にしていて、もう一度自分の生まれ育った国だとか、自分の中に流れている血やルーツを考えるきっかけになると思います」と。
また「小栗さんは現場での居方や立ち方がカッコよくて。そんな小栗さんにタイで『世界一おいしいステーキ屋さんがあるから』って誘っていただいたんですけど、渋滞にはまり30分で頼んで食べなきゃいけなくなってしまって。小栗さんがおいしいっておっしゃるので、期待していたんですが、急いで食べたので味が分からなかったので、また連れて行ってほしいです!」と小栗とのエピソードを明かした。
天羽家の三男・勇役の新田は、演じた役柄と共通点があるという。「アメリカ育ちっていうのもあってか、周りから『アメリカンだね!』って言われることが多くて。自分の中で眠っていたアメリカンを出して勇を演じました」と。
そして賢治ら兄弟の父親・天羽乙七役の松重は「本作がテレビ東京の作品だというのを、この会見のためにテレビ東京に来たことで、あらためて実感しました。NHKとかテレビ朝日とかがやりそうなドラマですが、これがテレビ東京なんだということを知っていただきたい。食べているだけじゃないんだ!っていうことを」と話し、会場を笑わせた。
また撮影中、あるキャストからの差し入れに助けられていたといい「作品柄、つらいことが毎日続くような撮影だったんですが、そんな中、真剣佑が『僕が一番疲れた時に最高に欲しいものを、ダッド(松重)にプレゼントします!』って、タピオカミルクティーを差し入れしてくれて。それがすごくおいしかったんです、真剣佑ありがとうね!」と感謝。新田は糖分が(撮影で)低下していたので、補おうと思ってプレゼントさせていただきました。タピオカミルクティー、おいしくて好きなんですよね」と照れ笑いを浮かべた。
ここで、小栗とテレビ電話で中継がつながり、「やっほー!」と満面の笑みで手を振る小栗に対し「え、本当に海外にいるの?」と疑いながらも、一同は「中継とかかっこいい!」と。集まった記者に対し小栗は「本来なら、自分がいないといけない場所に行けず申し訳ありません。みんなで精魂込めて作った作品がやっと放送されるということは、すごくうれしいです」とあいさつした。
印象に残っていることを聞かれると「まず真剣佑君がハマっているというタピオカミルクティーを差し入れてくれて、タピオカ真剣佑」と笑いながらも、「あとスタッフさんがタイで手配してくれたお店があまりいいお店じゃなくて(笑)。でも、それも楽しい思い出です!」と語った。
小栗と久しぶりに合うのでは?という質問に、ムロは「彼は今すごく寂しがり屋なので、いつもテレビ電話がかかってくるんです。2人でお酒を飲みながら話しているので、一切変わりありません!…すみません、友達同士の会話に付き合わせてしまって」と笑った。
さらに「撮影の合間もだいたい隣に座っているんですが、だいたい子供の写真を見せてきて、僕が笑うまで見せられるという空き時間でした」と。
最後に小栗が「いろんな世代の方たちに見ていただいて、『自分はこう思う』と意見を交わしてもらえるような内容になっています。いろいろと考えさせられる作品なので、ぜひ楽しみにしていてください」とメッセージを送った。
テレビ東京開局55周年特別企画 ドラマスペシャル「二つの祖国」
テレビ東京系
3月23日(土)、24日(日)後9・00~11・24
原作:山崎豊子
脚本:長谷川康夫
監督:タカハタ秀太
出演:小栗旬、多部未華子、仲里依紗、高良健吾、新田真剣佑、ムロツヨシ/池田エライザ、橋本マナミ、原菜乃華、仲村トオル、田中哲司、柄本佑、甲本雅裕、リリー・フランキー、中村雅俊、ビートたけし、笑福亭鶴瓶、余貴美子、泉谷しげる、麻生祐未、松重豊ほか