映画「愛がなんだ」の公開記念舞台あいさつに、主演の岸井ゆきの、共演の成田凌、深川麻衣、若葉竜也、今泉力哉監督が登壇した。
今泉監督は「昨日から劇場公開されて、いろいろな感想も耳に入ってきた。『刺さった』という人もいるようで、ちゃんとお客さんに届いていることが分かってうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
大好きなマモルを一途に追いかける主人公・テルコ役の岸井は「原作と映画では役柄の描き方が違うので、原作未読の方は映画を観た後に原作を読んでみたら面白いかも」と。テルコの唯一の親友・葉子役の深川も「これだけの個性的なキャラクターが出ているのに、誰も悪者に見せない展開がすてき。誰にでも共感できるのがこの映画の面白いところ」と語った。
葉子に惚れるナカハラ役の若葉は「演じていて恥ずかしかった。それは自分と通ずる部分があるから。自分の全裸を見られているようで、セリフにしても『こんなことを言ったことがあるよなぁ』と思った」と。思い出のシーンを聞かれると「BBQの撮影で成田君がブヨに刺されてすげえ血が出ていた。自分も耳を刺されてものすごく腫れあがった」と苦笑した。
そんな若葉は深川から「寡黙で怖そうな人という印象を持っていたけれど、ナカハラ君と接していく中でけなげな人だなと。誰もが応援したくなる人です」とエールを送られ、「ありがとうございます!」とうれしそうに答えた。
成田は、岸井とのキスシーンについて「一発OKだったけれど、岸井さんが監督のところに行ってコソコソと。そうしたら監督が僕のところに来て、ざっくりと説明すると『今のキスじゃ岸井さんは芝居ができねえ』と言われた」と暴露し、今泉監督は「そんな言い方はしていない!」と大慌て。しかし「岸井さんからは『愛情がないのは分かるけれど、肉体すら求められていない気がする』と言われて、もう一度やってもらった。そうしたらものすごく熱量のあるキスシーンになってしまって『それは違う』と調整しつつやってもらいました」とキスシーンの舞台裏を明かした。
最後に今泉監督は「内容が刺さったという人もいるし、すすり泣いたという感想も聞きました。泣かせたい、笑わせたいという意識のないささやかな演出だが、そこから何かを感じ取ってもらうというのが理想でした。それが届いたのがうれしい。このキャストでなければ厳しかったはず」とキャスト陣に感謝。岸井も「この映画を完成させるために、キャスト・スタッフ一同頑張りました。映画は続いていくものなので、明日も明後日も劇場が満席になったら…と願います」と語った。
映画「愛がなんだ」
公開中
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
出演:岸井ゆきの 成田凌 深川麻衣 若葉竜也 片岡礼子 筒井真理子/江口のりこ
配給:エレファントハウス
公式サイト:http://aigananda.com/
©2019映画「愛がなんだ」製作委員会