コメディー特番『君は天才!』(BSプレミアム)の試写会に渡辺謙が登壇した。
本作は、日本を代表する国民的俳優・渡辺謙が“生まれて初めて挑戦する”コメディー特番。ある広告代理店を舞台に、渡辺が少し豪快な営業部長を演じる。長谷川京子、北村匠海、池田エライザなど豪華な出演者と音楽シーンやCMパロディーの要素も随所に取り入れ、ハリウッド映画やブロードウェイミュージカルで活躍する大物俳優・渡辺謙のイメージを180度くつがえすエンターテインメントとなっている。
渡辺は作品について「今日ほど自信なく居心地の悪い、そういう作品で皆さんの前に立つっていう感覚が心苦しい感じでいっぱいです。ドラマでもトライしながら演出家や脚本家の方と喧々諤々やりながら作っていたつもりではあるんですが、これほどNHKのコンプライアンスと戦った作品は初めてじゃないかと思っております。企画の最初の段階から同席させていただいて、ずっとこまごまお話をさせていただきながらやりました。どこまで僕たちが面白がっていることが世の中に面白がってもらえるのか、僕の中でリトマス試験紙となるような作品だと思います」と語った。
もともとコメディーが大好きだという渡辺は「今回はドラマの中にあるコメディーとは一味違う、もう一つ踏み込んだコントとコメディーの中間くらいですので、出ている人たちも俳優のみんななので、どこまで笑いとしてやるべきなのか、それとも一編のドラマとしてつながっていけるのかと試行錯誤しながら、ディレクターの方ともお話ししながら毎シーン毎シーン撮らせていただきました」と。
顔に洗濯ばさみをつけたり、水をかぶるなどインパクトが強いシーンがあるという渡辺は「洗濯ばさみに関しては最初、某テレビ局の罰に近いことをやろうかみたいなことを言ってたんですよ。ただそれだと二番煎じにもなる。でも“no pain、no gain”だよねって話をして、じゃあ、洗濯ばさみかなって(笑)。水に関しても、コントの定石はどこにあるかみたいな話をしまして、水になったんですけど。あの水も当初予定してた量よりも大幅に増やして、首に影響が出るくらいの量の水を用意しいただいて、一応体を張らせていただきました」と。さらに、自身のCMのパロディーにも挑戦したことを明かし「やりすぎですよねぇ?一番の反省点は出すぎてたなって思ってます」と笑顔で語った。
また、渡辺は数日前まで舞台で王様役をやっており、王様から営業部長という役のギャップについて「これ実は渋谷で幕が開く2週間くらい前に撮ってたんですよ。だから逆に戻れんのかなってちょっと心配してました(笑)。一週間余りこの作品に没頭して撮ってたんですけど、この期間だけは『王様と私』のセリフの練習はできませんでしたね」と振り返った。
俳優としてこういった役を演じる魅力を渡辺は「おそらく振り幅になるんじゃないかと思うんですよね。ドラマの場合ですと、役の性格上だったり、行動半径だったりとか、規範だったりとか、そういうものっていうのがやっぱりめちゃくちゃやったらドラマにはならないので。でもこれは、かなりそういう垣根というか枠を取っ払ってしまっています。でも、今日相当やばいやつは見ていただいてないんですね!ですから全部見ていただいたら相当やばいかもしれません!結構優しいところを!めちゃくちゃですよ!」と作品への強い自信を見せた。
最後に渡辺は「とにかく面白がって一晩ほんのり大人のエンターテインメントを楽しめたなというような、大きなテーマもなく、そんな作品でありたいなと。それで上質なエンターテインメントにしたいなという思いがありましたので、そういう風に視聴者の皆さんに伝わっていくとありがたいかなと思っております。できれば応援していただければと思います」と番組をPRした。
コメディー特番『君は天才!』
BSプレミアム
8月10日(土)後10・00~11・30
再編集版
総合テレビ
9月28日(土)後11・00~11・49