今春、新曲『おかんの呼ぶ声』をリリースした円広志が、10月12日(土)にNHK大阪ホールで『円広志コンサート2019 ~おかんの呼ぶ声~』を開催。先立って行われた会見では、円がコンサートへ懸ける意気込み、亡き母との思い出などを語った。
朝の情報バラエティー『よ~いドン!』(カンテレ)に出演し、“関西の朝の顔”として知られる円。昨年秋には大阪・フェスティバルホールでデビュー40周年記念公演を行い、観客を魅了した。「昨年の会場はキャパ2000人以上のフェスティバルホールだったので、学生の時の先輩に声をかけたら、『よっしゃよっしゃ!』と応援してくれたんです。今年もまた先輩に『NHKホールでやるんで、またお願いします』って言うと、『またやるんかい!』って言われまして…(苦笑)。そういうわけで、先輩の反応も悪く、『大丈夫かいな』って思いはありますが、今年はまた違ったものをやりたいと思っています。昨年は松本伊代ちゃんや月亭八光くんが助っ人に来てくれて賑やかにやったんですけど、今年は一人でガッツリ歌って聴かせたいなと。デビュー40年を超えて、また頑張ってやります!」と気合十分に語った。
見どころについては、「隠し玉に、変面(へんめん/中国の伝統芸)で有名なマジシャンの亜空亜SHIN(あくあしん)さんを呼ぼうと思っています。僕の誕生日会に来てくれた時、すごくウケたので、コンサートで一緒にコラボをしたら面白いんじゃないかと思いまして。僕の音楽と変面で、音楽だけでなく、目で見て皆さんに楽しんでいただけると思いますし、替え歌を歌うことも考えています。後半はガッツリとロックをやりますが、楽しい雰囲気のコンサートになるかと思います!」とPRした。
そして、新曲『おかんの呼ぶ声』については、「僕も気づいたら今年で66歳。両親との別れの日が来る年で、実際僕も5年前に母親を亡くしました。その時は悲しくて、日にちが経てばそんな思いも少しずつ薄れてくるのかと思っていたけど、母親への思いはどんどん大きくなってくるばかり。せっかく音楽をやっているので、そういう思いを音楽に託すのは当然だと考えて、『おかんの呼ぶ声』という曲を出したわけです」と新曲誕生の経緯を説明。「コンサート会場にいらっしゃる方にも、『俺もそうなんだ』『私の場合もそうかもしれない』『いつかはこうなるのかも』と共感してもらえると思いますし、それがコンサートに込めるメッセージですね」と語った。
さらに会見では、生後間もない円が母親に抱かれた貴重な写真を披露。「見て頂いたら分かると思いますが、めちゃくちゃ貧乏だったんです(笑)。家ではウサギとヤギを飼っていて、朝はヤギのミルクを飲み、おかずは川の魚を獲って食べて。ある日突然、ヤギがいなくなったりとかしてね。母親はおやじとケンカしたら泣きながら海まで行くんですが、そのとき必ず僕の手を引いて、夕日が沈むのをずっと見ていたんです。今は芸能界で仕事をさせていただいて、そこそこ僕も贅沢をさせてもらっていますが、最近になって、あのころは自分の家だけが特別貧乏だったわけではなく、そんな日々にも幸せは潜んでいたのではと思うようになりました」と振り返った。
また、昨年で歌手生活40周年を迎えた円は心境にある変化があったそうで「40周年の時は、よく“とんでとんで~”1曲で40年ももったなという思いでしたが、先日NHKの番組に出演した時、声の調子が悪くて、キーを半音下げて歌ったんです。それまで、『“とんでとんで”をキー下げて歌うぐらいやったら、歌手を辞める!』って豪語していたんですが、あっさり下げたんですよ(笑)。半音下げるだけで随分と楽になるんですね」と、代表曲「夢想花」に長年持っていたこだわりも明かした。
最後にコンサートに懸けるメッセージを求められると、「やっぱり最後は大爆笑で終わりたい!」と冗談を飛ばしつつ、「僕のコンサートには初めて来る人もいたりして、『歌も歌えるんやな』って感じで始まるんですけど、後半はお客さんもノッてきて総立ちになって盛り上がるんです。コンサートではお客さんが元気になって帰ってくれて、僕自身も皆さんと一緒になって元気になれたらと思っています。こちらも勇気をもらうし、また頑張ろうという気にもなります。わずか2時間のコンサートですが、歌で皆さんと一つになりたいですね!」と呼びかけた。
<公演情報>
『円広志コンサート2019~おかんの呼ぶ声~』
NHK大阪ホール
2019年10月12日(土)開場16:15/開演17:00
料金:6000円(税込・全席指定)
円広志 公式HP:http://tomde.co.jp/madoka/