9月27日(金)公開の映画「惡の華」で主演を務める伊藤健太郎とヒロインの玉城ティナが、現役高校生16人の思春期の悩みを解決する「惡の華 お悩み相談教室」を開講した。
教室に登場するなり、報道陣のカメラの数に驚く2人。伊藤は「こういう場所に立つ日が来るとは、学生時代思っていなかったので、新鮮な感じ」と。玉城も「お悩みに答えていきたいと思います」と笑顔を見せた。
緊張している高校生たちに、玉城が「緊張しないでください!でも、こんな近い距離はあまりないかも」と語ると、伊藤も「一番緊張してるのは、男子3人だと思う(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。
伊藤はこの作品のオファーを受けた時の気持ちについて「作品は知っていたんですけど、まさかそれを僕がやらせてもらうことになるとは。中学生役ということもあったので、びっくりしたんですけど、今までやったことのないようなタイプの作品、役柄でもあったのですごくワクワクしましたね」と。
玉城も「高校生の時に原作を読んでいて好きだったので、仲村さんというすごく強烈なキャラクターを私に委ねてくれるというのは、面白そうだなと思いました。プレッシャーというより面白そうっていうワクワクの方が大きかった」と語った。
伊藤と玉城は、今作で3度目の共演。伊藤が「具体的に話はしてないんですけど、春日と仲村っていう関係性は、人となりも分かっていて、一緒に何回かやっているプラス玉城さんが演じる仲村さんですごくよかったなっていうのは思いますね」と。
玉城は「伊藤さんが真ん中で立っていてくれるおかげでやり切れた部分もあるし、今回、罵倒したり、馬乗りになったり、キックもしたり。伊藤さんだからやりやすかったっていうのもあるので、全力で行かせていただきました。ありがとうございます」と語り、会場は笑いに包まれた。
この作品を通じて感じた相手の魅力について聞かれた伊藤が「あらためて思ったのは、頭いいなって思いましたね」と語ると、「具体的に言って!」と不服そうな玉城。伊藤は「物事のとらえ方もそうですし、『惡の華』だけでなく、何かを観た時の感想とかが、そういうところをとらえるんだって、すごく面白い方ですね。演技の時のスイッチもすごい」とその理由を語った。
玉城は「話せば話すほど、いい意味で今っぽくないなって思う。好きなものというか、わりとどの時代でも当てはまりやすい顔でもあると思うし…」と挙げていくと、伊藤は驚いた表情に。玉城は気にせず「感性とかも、いい意味で今っぽくないなって思う」と続け、「ほめ言葉ですよ?」とフォローした。
そして、本題であるお悩み相談へ。まずは伊藤がお悩みが書かれた紙が入っているBOXから紙を取り出すと「高校3年生で、大幅に進路変更をし、不安。あと半年、勉強を頑張れるようにエールが欲しい」というお悩みが。
伊藤は「自分のやりたいことの方にシフトチェンジしたってことだよね?それだったら、絶対大丈夫!そこで、自分がやりたいことじゃない方へ行った時の後悔の方が僕はカッコ悪いと思うので、自分がやりたいことの方にシフトチェンジしていくのであれば、めちゃくちゃカッコいいことだと思うし、なかなかそういうことができる人はいないと思うので、自分が決めたことに不安にならず、頑張るべきだと思う」とエールを送った。
玉城も「私がよく思うのは、これは誰のための人生なんだって考えるんですけど、親のためでもないし、友達のための人生でもないので、自分がやりたいことっていうのを貫いたほうが絶対にいいと思います。そもそも後悔のない人生っていうのは、ほぼゼロだと思うんですよ。私も振り返ってみても、後悔というものはあるし、でもそれが次の活力になったりするので、そこで後悔を追い抜けるぐらいのパワーが出てくれるといいな」とアドバイス。
司会から「ちなみに何をやりたいんですか?」と聞かれた高校生が「美術スタッフになりたい」と答えると、2人とも驚きつつ、伊藤が「美術ってすごい面白くて。映画やドラマではめちゃくちゃ大事な部署でもあるので、ぜひ頑張ってもらいたい。一緒にできたらいいね」と声をかけた。
続いて、玉城が引いたのは「部活に塾に、行事に、大量の宿題に追われる日々で、疲れがたまり、息が詰まりそうです。お2人はこんな時どうしますか」という男子高校生からのお悩み。玉城は「ものすごくやらなきゃいけないことが多いと思うんですけど、学生時代にやってきたことって、思い返してみるとかけがえのないものだなと気づくので、疲れ切っていると思うけど、お休みの日にリフレッシュしてやり続けてほしいなって思います」と。
伊藤は「今自分がやらなきゃいけない宿題とかと同じぐらい、遊びとかリフレッシュできる時間を無理やり作るんですよ。そうすると、自分の中でプラマイゼロになるというか。時間がなかなかないと思いますけど、時間を作って、何か1つそういうものを見つけるといいんじゃないかな」とアドバイス。
音楽を聴くことが好きという質問者に、伊藤は「音楽を聴きながら何かやったりとかはどう?」と提案。さらに「何が好きなの?ロックとか?」と尋ねると、「洋楽が好き。ロックよりポップスのほうが…」と言われ、ロック好きの伊藤が思わず苦笑するひと幕も。
さらに「仲の良い男の子に片思い中。その男の子と身長が変わらず、身長の低い女の子の方が好きなんじゃないかと思い、なかなか告白できない。どうにか自信を持ちたい」という思春期らしいお悩みに「こういうのいいじゃん!」とテンションが上がる伊藤。
玉城が「身長というよりかは、人じゃない?」と投げかけると、伊藤が「そんなに考えすぎなくてもいいと思う。身長がというよりも、その人がどうかということだから。その男の子にとって魅力的だなって思う人だったら、身長だったり、髪の長さだったり、口では言っていても、タイプと付き合う人は違うので、あんまり気にしないで、絶対自分が好きって思うんだったら、言った方がいいと思う。伝えると向こうも意識し始めると思う。いいな~」とうらやましがった。
玉城も「相手から見て、魅力的かだと思うし、思って悶々としてるぐらいだったら、言っちゃった方がいいんじゃない?と思う」と語った。
司会から「どういうところに魅力を感じますか?」と問われると、伊藤は「自分をちゃんと好きでいる人が好きですかね。私なんてっていうよりも、ちゃんと自信を持って、すごく自分のことを好きでいられる人の方がいいなって思う。それが何かやっていることに対して自信がある、ないってことではなくて、自分自身のことをちゃんと分かっている人がすてきだなって思う」と。
玉城は「もう社会人なので、仕事に対する姿勢とかが…」と語りだし、伊藤から「リアルすぎるよ」とツッコまれつつも「リアルすぎた?(笑)でも、ちゃんとしてないと。あとは、価値観が合う人」とタイプを挙げた。
そして、最後に「周りは将来やりたいことが決まっていて、自分はやりたいことが見つからず焦っています」というお悩みが。これに伊藤は「そこまでネガティブに考えなくていいと思っていて。逆にポジティブにとらえていいというか。やりたいことがないイコールダメじゃなくて、やりたいことがないイコールたくさん何でもやれるってこと。決まっている人はもちろんすごいけど、決まってなくてもいろんな選択肢がある。僕が一番大事だなって思うのは、少しでも気になったものは、手を出してみること。僕もこの仕事を始めた時は役者やりたいっていう気持ちがなかったけど、少しだけ興味があったからやってみたら、楽しいじゃんってなった。それってやってみないと分からないから。つまらなかったら辞めちゃえばいいし。それの繰り返しで、人ってやりたいことを見つけていくんだと思う」と力説。
玉城も「本当にそのとおりで、言うことないんですけど(笑)。一生の仕事を18歳で決めるかって言われたらそうじゃないと思うし、私もこういうお仕事させてもらっているけど、10年後何しているかなんて分からないです。いろんな選択肢ができると思うから、気軽に選んで真剣に取り組んでもらって、見つかったらいいですよね」と言葉をかけた。
最後に、映画「惡の華」について、玉城は「題材自体が、思春期をどういう風に生きていこう、生き抜こうっていう作品だし、今真っただ中の皆さんが受け取れる部分もあると思う。春日だったり、仲村だったりっていうダークな面を持っている人たちが、どういうふうになっていくのかっていう青春映画なので、友達と一緒に見てほしいなと思っております」と。
伊藤も「変態性だったりとか、クソムシとっていう言葉がすごく立っているので、どこか見づらいなと思う方々もいらっしゃると思うんですけど、見てもらったら、皆さんに近い世代の話なので、時代が違ったりしても、意外と思春期に自分らが感じることって同じことなんだって、たぶん思ってもらえると思います。ここに来てもらってる男子3人は、めちゃくちゃ春日に感情移入できると思うんですよ。ブルマを盗むとかあるけど、そこじゃなくて、もっと根っこの部分で思春期の時に抱えてる葛藤だったり、モヤモヤみたいなものをすごく共感してもらえると思う。みんなの心にズバズバと突き刺さるような作品になっていますし、あとは意外と泣けるっていう映画になっているので、劇場で見てもらえたらうれしい」と語ると、玉城が「きっと見てくれるでしょう!」と相づち。伊藤も「こんなに話したもんね(笑)」と笑顔で締めくくった。
映画「惡の華」
9月27日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
<出演者>
伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨 / 飯豊まりえ
北川美穂、佐久本宝、田中偉登、松本若菜、黒沢あすか
高橋和也、佐々木すみ江、坂井真紀、鶴見辰吾
原作:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載)
監督:井口昇
脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」
製作:『惡の華』製作委員会(ハピネット ひかりTV ファントム・フィルム 角川大映スタジオ 日活)
配給・宣伝:ファントム・フィルム
公式サイト:akunohana-movie.jp
twitter:@akunohana_movie
©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会