10月16日(水)スタートの『ドラマホリック!「死役所」』(テレビ東京系)の第1話放送に先駆け、主演・松岡昌宏と原作者・あずみきしのスペシャル対談が公開された。
◆これまで映像化は困難と言われてきた、あずみ先生の『死役所』が松岡昌宏さん主演でドラマ化されます。
あずみきし:ありがたいことに、これまでドラマ化のお話を本当にたくさんいただきまして。要となるシ村役のキャストの方のお名前を聞いて「ちょっと違うなぁ」と思うこともあったんですけど、今回は「主演は松岡さんで」とお伺いして、「いけるな」と思いました。
松岡昌宏:本当ですか?ありがとうございます。俺は、原作を読んで「なぜ、俺にシ村がきたんだろう?」って謎でしたけどね(笑)。
あずみ:読者の方は、肯定派も否定派ももちろんいると思いますけど、単純に私は「見たい!」って思いました。
松岡:よかった。そう言っていただけるのは、役者冥利につきるので。
あずみ:私の行きつけの美容師さんも「ドラマ全部見ているファンですが、シ村にぴったりです。って言っておいて」って(笑)。
松岡:その方に「あなた様は仏様です」って言っておいてください(笑)。
◆松岡さんは、シ村をどう演じるか固まるまで、かなり試行錯誤をされたそうですが…。
松岡:僕はいつも役のバックボーンを設定するんですけど、シ村の場合、以前実際に起きた痛ましい事件をふと思い出して。もしかしたら、シ村はそういう悲劇を経験した人なのかもしれないと思った。その悲しみや痛みを想像しながら、もう一回台本を読み直したら、人間性がしっくりイメージできるようになりましたね。
あずみ:はぁー、バックボーンを考えるなんて、すごいですねぇ…!
松岡:小説をドラマ化するときは、僕らが絵コンテを作るので、いろんなことができるんですが、漫画原作は既に絵コンテのようなもの。原作の雰囲気を守りながら、リアリティある色付けをするかが重要ですからね。
あずみ:なるほど。
◆松岡さんは、先生に何か聞きたいことはありますか?
松岡:もう漫画の結末は決まっているんですか?
あずみ:まだ決まってないんですよ。
松岡:僕も読んでいて思いました。まだ、これどうにでも転がせるから、今結末を決めたらもったいないだろうなと。最終回を決めたら、編集者が「先生、もうちょっと続けてみましょう」って言うでしょうね(笑)。
あずみ:そうですね。厳しい担当さんがついているんで(笑)。まだまだ書きたいものはたくさんあって、何パターンか考えていますから。いくらでも書けると思っています。
松岡:それは助かった!先生の中でオチが決まっていると、結末に合わせて僕の芝居も変えなきゃいけない。完ぺきに決まっていたら、シ村のキャラの方向性が微妙に違ってくることもあるので、ホッとしました。
あずみ:はい。そこは、どう転んでも大丈夫なように演じていただければ。
松岡:もし決まったなら、教えてくださいね。
あずみ:あはは。しばらく決まらないです。
◆松岡さんはドラマ版の『死役所』を通して、視聴者にどんなメッセージを伝えたいですか?
松岡:死の世界って、遠い世界のことのように思う方も多いかもしれませんが、現実的なものだと思うんです。僕は、子供のころから人はいつか死ぬものだということを念頭に置いて生きてきて、“今日死んでもいいように”ってことを考えて生きてきましたからね。そういう考えを持っているので、死の世界をリアリティがあるものとして表現したいです。放送する水曜深夜のドラマ枠は新設枠なんですよ。監督やカメラマンは何人かいるんですが、女性スタッフが多いですし、若い子も多い現場。
新しい挑戦が詰まったドラマで『死役所』の世界観をリアリティたっぷりにお届けします。
あずみきしの初撮影現場潜入の模様や、松岡の役作り秘話などを盛り込んだ、スペシャル対談の完全版は、10月21日(月)発売の「月刊コミックバンチ」(2019年12月号)に掲載される。
<第1話ストーリー>
目を覚ました三樹ミチル(黒島結菜)は、見知らぬ場所にいた。ここはどこなのか?戸惑うミチルに声をかけたのは、総合案内係として働くシ村(松岡昌宏)だった。シ村の言葉で殺されたことを思い出したミチルは、他殺課でイシ間(でんでん)に「どうすればあの女に復讐できるのか」と訴える…。その頃、シ村はベンチに座る中学3年生の鹿野太一(織山尚大)に声をかけていた。シ村は、曲がった脚を見て、自殺課へ連れていく。成仏するには、成仏許可申請書に具体的な自殺理由を書かねばならない。ためらいながらも書き始める太一だったが、自殺の要因となった陰湿ないじめ、無関心な両親など嫌な過去が蘇り錯乱してしまう。そんな中、太一はシ役所である人物と遭遇する…。
ドラマホリック!
『死役所』
テレビ東京系
10月16日(水)スタート
毎週(水)深0・12~0・52
©あずみきし/新潮社 ©「死役所」製作委員会