NMB48・太田夢莉の卒業コンサート『I wanna keep loving』が11月25日、兵庫県・神戸 ワールド記念ホールで行われた。
開演前、太田が影アナで「今日は皆さんに向けて特別なセットリストを用意してきました!」と告げると、青いサイリウムが会場のあちこちから光り始め「ゆーり!」コールで応じる会場。
そして雷鳴が鳴り響き、ステージにはスモークがたかれる中、中央から太田がポーンと飛び出して登場。その勢いのまま「純情U-19」からコンサートがスタート。4曲を続けて披露すると、会場は「ゆーり!」コールに包まれた。
MCでは、コンサートの模様が『大阪チャンネル』でも生配信されていることを告げつつ「卒業発表から今日まで、あっという間だった」と小嶋花梨。11月17日に東京国際フォーラム ホールCで自身初となる『太田夢莉 ソロコンサート ~Daydream~』を終えたばかりの太田は「来られなかったメンバーもいますが、NMB48全員とのステージは今日で最後なので頑張りたいです。皆さんとの時間も大切にしたいです!」と笑顔を見せた。
村瀬紗英、渋谷凪咲、小嶋花梨、大田莉央奈、南羽諒によるMCでは「1曲目は19歳以下のメンバーで歌ったこと、気付きました?」と渋谷。東京で行われた太田のソロコンサートにも触れ、「夜行バスで10時間かけて行きました!昼夜公演を終えたばかりの怜ちゃんを連れて!これは絶対に行かなきゃと思って!!本当に行ってよかった!」と小嶋。出演した大田と南は「2曲を一緒に歌わせてもらいました!」と振り返った。
ユニットコーナーでは、太田夢莉、古賀成美、加藤夕夏による「おNEWの上履き」や上西怜、中川美音、安田桃寧、堀ノ内百香による「ガラスのI love you」は花道で。太田、前田令子、河野奈々帆による「黒い天使」では、赤と黒を基調にしたタイトな衣装で魅了した。
ロック調の「Blue rose」は太田、小嶋、東由樹、石田優美で披露。マイクスタンドを使ったパフォーマンスでかっこいいステージを繰り広げた。白間美瑠、吉田朱里のデュオから始まった「MARIA」では、太田が歌いながらセンターへ登場。3人は切れ味のいいダンスでも魅了した。
谷川愛梨が太田への手紙を朗読し、二人の写真も映し出された映像メッセージでは「お互い『信友』。卒業のタイミングが偶然一緒だったのも、何かの運命かな」と谷川、太田への思いを伝えた。そんな二人が歌ったのは「友達」。互いに涙を浮かべ、あふれる気持ちを抑えるように歌い上げた。最後は手をつないでハグ。太田は「愛莉ちゃん、お手紙ありがとう。私も愛莉ちゃんと似ていると思っていたから、この曲を歌いたかった。出会ってくれてありがとう」と涙ながらに語るも「卒業コンサートは1回だけ!私らしくないから明るくやろう!!」とすぐに切り替え、笑顔を見せた。
そして「しんみりしちゃったけど、次の曲は思いっきりやりたい!」と空気を一変させ「ミュージック、スタート!」と声を上げると、太田のソロのステージかと思いきや、サプライズゲストの岡田奈々(AKB48/STU48)がペアルックで登場。大歓声が沸き起こる中、二人で「ショートカットの夏」を披露した。
「すごい!大盛り上がり!私なんかがこのステージに出て申し訳ないですが、晴れ舞台に出させていただいてうれしいです」と語る岡田に、太田は「ショートカット同士ということで、この曲を選びました」と。そして互いに「これからもよろしくね!」と言葉を交わし、岡田はステージを後にした。
続いてのMCでは、谷川、吉田、加藤、白間が登場。それぞれ披露したユニット曲を振り返り、加藤は初めて太田と会ったころのエピソードを紹介。「ゆーりとはホテルで相部屋になることが多くて、その頃はいつも一緒にお風呂に入っていたんです。今では絶対、入ってくれないけど!」という貴重な体験にメンバーからは驚きの声が上がった。
太田はその後もユニットに出ずっぱり。渋谷、川上千尋、山田寿々、山尾梨奈らとの「どうでもいい人仮面」、清水里香、堀詩音、水田詩織らと魅せた「だらしない愛し方」、研究生たちとは「今日、初めて歌います!」という「理不尽ボール」を。南、山本望叶らとの「遠距離ポスター」、梅山恋和、山本彩加、本郷柚巴、中野美来らとは「おはようから始まる世界」と続けて披露した。途中、この日だけの密着映像もモニターに映し出され、そのプレゼントに会場は歓声で応えた。
そんな中、「まだあのユニットが登場していないですよね」とあおる山本彩加。吉田、渋谷、村瀬、太田によるQueentetの紹介映像がモニターに映し出されると、会場はブルーのサイリウム一色に。4人はセクシーかつかっこいいダンスで「僕だけの君でいてほしい」をパフォーマンス。楽曲の終盤、3人が太田を囲み、頭をポンポンするひと幕も。
安田、山本彩加、山本望叶らによるMCでは、後輩たちが太田への思いや知られざる一面を明かした。塩月希依音は「ゆーりさんとお話しするようになったのは最近なのですが、勝手に気が合うなと思っていました。ゆーりさんが最近、チョコレートを食べたいというツイートをしていて。私もチョコレートが大好きなので一緒に食べにいきたいです!」。山本望叶は「ゆーりさんのお顔を初めて近くで見た時、どうしてもお鼻を触りたいという衝動にかられて触らせてもらいました!」と衝撃の告白。どんな感じで触ったの?と盛り上がり、梅山を相手に再現する山本望叶に「ぞくっとした」と梅山。山本彩加は「ゆーりさんは運動音痴で有名なのですが、走っているところを見たことなかったので、動画で調べました。いろんな楽曲のゆーりさんの走り方を見ました!」と研究発表。そして「『虹のつくりかた』の坂でこけそうになっているゆーりさんの真似をします!」と言ってステージで実演。「そんなゆーりさんも全部かわいいです!」とリスペクトを込めた。
安田の「次は懐かしい曲を」との紹介で始まったのは、太田、吉田、加藤、石田、古賀、山尾、西澤、明石、本郷の旧NMB48 team Nによる「儚い物語」。直後にはteam Nの新曲「ごめん 愛せないんだ」を初披露し、太田はセンターで堂々のパフォーマンスを見せた。
続いて花道で待っていたのは加藤、石塚朱莉、井尻の同期の3期。「背中から抱きしめて」「君が教えてくれた」の2曲を披露した。そして「3期生からのプレゼント」と共に過ごした日々の写真がモニターに映し出されると、太田も涙が止まらず、同期だからこその温かいひと幕となった。
石塚、井尻晏菜、古賀、前田のMCでは、古賀、石塚、井尻が太田のエピソードを紹介。古賀は「今はクールなゆーりちゃんだけど、最初の頃は私にガチ恋だった」と太田が加入したころの話を。井尻は好きな女性声優ユニットのライブに行った思い出を。「ふたりしてペンライトを持って、ミックスも覚えていったのですが、周りは関係者ばかりで乗り切れなかったんです。でも、最後の方では気持ちが抑えきれず、二人で乗りました!」。石塚は太田がドラマに出ていた話を始め「ゆーりが演じていた役が大好きだったのですが、走り方はゆーりそのものでダサかった(笑)」と笑いを誘った。
卒業コンサートも後半に突入し、「Don’t look back!」からクライマックスへ。太田は「今から皆さんの元に私が会いに行きます!」と宣言。「まさかシンガポール」や「しがみついた青春」ではトロッコでフロアを巡り、ファンに笑顔で手を振った。「BINGO!」のソロパートでも、メンバー全員に見守られながらしっかりと歌い上げ、目に涙を浮かべながらもすがすがしい表情を見せた。
本編の締めくくりは、太田が「次が最後の曲になるのですが、まだ歌っていない曲は分かりますか?最後はあの曲で、みんなで虹を作りたいと思います!」と呼びかけ、「虹の作り方」を全員で届けた。
太田は「きれいな虹をありがとうございました。とてもきれいでした。本日は、本当にありがとうございました!」と、爽やかな笑顔でステージを後にした。
アンコールでは、割れんばかりの「ゆーり」コールの中で「ありがとうございます」と太田が登場。「きれいな虹を保ってくれていてありがとうございます。もうすぐ二十歳になるのですが、二十歳になる前にアイドルを卒業するので、ちょっと早い成人式風の衣装を作ってもらいました」とくるりと回転する太田。「皆さんの応援があったから、ここまで来られました。卒業コンサートをしたいと思ったきっかけは、渡辺美優紀さんの卒業コンサートでした。いつかたくさんの方に見送ってもらえるアイドルになりたいと目標にしてきて、まさか本当に、こんなにたくさんの方に見送ってもらえるなんて思っていませんでした。自分が思っていた以上に、たくさんの方が自分のことを知ってくださって、応援してくださっていることを実感しました。皆さんが少しでも好きでいてくださって本当にうれしかったです。アイドルになれてよかったって、どの曲でも思っていました。ライブの途中で昔の映像が流れて、何回も変化を重ねながらここまでやってきて、7年9か月の時間を過ごしてきました。いまだに卒業する実感があんまりなくて。いまだに『デイドリーム』のまま、卒業発表してからずっと夢を見ているような感覚です。アイドルじゃなくなる実感がないけど、終わっちゃうというのもアイドルなのかなと思います。アイドルになって大変さも、楽しさも分かりました。何よりも皆さんに会えてよかったです。もうアイドルはいやだな、向いてないなと思うこともたくさんあったけど、どんな時も私の味方をしてくれる方がたくさんいらっしゃって、何度も救われました。私は直接、言葉にするのは難しくて、だからこそ楽曲で気持ちを表現できるライブが好きでした。なかなか素直になれない私だけど、そんな私だから頂けた曲があります。初めてのソロ曲です。ソロ曲を頂くことも目標にしてきました。今の私の気持ちにピッタリの曲だと思っています」と気持ちを伝えた。
そして、NMB48 22ndシングル「初恋至上主義」劇場盤に収録されたソロ曲「Acting tough」を大切に歌い上げた太田。続いてメンバー全員と「夢は逃げない」「大声ダイヤモンド」を披露。太田を囲む後輩の中には涙をこらえきれないメンバーも。
太田は「この時間が終わってほしくないと思いますが、本当に本当に次が最後の曲になります!最後は私のとてもとても大切な曲を今日は全員で歌わせていただきます!それでは聞いてください!」と、初めてセンターを務めた「初恋至上主義」を力いっぱい歌い上げた。
「それではみんなで夢莉さんをお見送りしましょう!」という小嶋の言葉をはじめ、メンバーからのメッセージを受けて太田はステージ上方へと移動。「7年9か月で出会えた全ての皆様にお礼を言いたいです。皆さん、ありがとうございました!」と伝え、花吹雪が舞う中でステージを後にした。
誰もいなくなったステージでは、モニターに太田の軌跡映像が放映され「NMB48は私の青春で、人生で初めて無我夢中になれた。全ての出逢いに感謝しています。I wanna keep loving you!太田夢莉」という直筆メッセージも届けられた。
太田は10代最後の日である11月30日(土)に大阪・NMB48劇場で行われる卒業公演でアイドル人生に幕を下ろす。
「太田夢莉 卒業コンサート I wanna keep loving」
<セットリスト>
(1)純情U-19
(2)甘噛み姫
(3)欲望者
(4)努力の雫
(5)おNEWの上履き
(6)ガラスのI love you
(7)黒い天使
(8)Blue rose
(9)MARIA
(10)友達
(11)ショートカットの夏
(12)どうでもいい人仮面
(13)だらしない愛し方
(14)理不尽ボール
(15)遠距離ポスター
(16)おはようから始まる世界
(17)僕だけの君でいて欲しい
(18)儚い物語
(19)ごめん愛せないんだ
(20)背中から抱きしめて
(21)君が教えてくれた
(22)Don’t look back!
(23)空から愛が降ってくる
(24)まさかシンガポール
(25)しがみついた青春
(26)BINGO!
(27)虹の作り方
EC1:Acting tough
EC2:夢は逃げない
EC3:大声ダイヤモンド
EC4:初恋至上主義
©NMB48