Hey! Say! JUMP・山田涼介主演の映画「記憶屋 あなたを忘れない」の完成披露メモリアルイベントが行われ、山田をはじめ、芳根京子、佐々木蔵之介、蓮佛美沙子、泉里香、濱田龍臣、平川雄一朗監督が登壇した。
本作は、織守きょうやの45万部を超える小説「記憶屋」を実写映画化。恋人の記憶を取り戻すため記憶屋探しに奔走する大学生・遼一をHey! Say! JUMPの山田涼介、遼一の幼なじみ・真希を芳根京子、遼一の記憶だけを失ってしまった恋人・杏子を蓮佛美沙子、遼一と共に記憶屋探しをする弁護士・高原を佐々木蔵之介が演じる。監督は、映画「ツナグ」、ドラマ『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』の平川雄一朗が務める。
この作品を初めて観客が見ることについて、山田は「約1年前に撮影した作品がこうして皆さまの元に届くっていうことをうれしく思っています。そして、この感動の物語をどういうふうに皆さんは受け取るのかなというところが僕は1番楽しみですね~。人それぞれ、受け取り方が全然違うと思うので」と語った。
遼一を演じるに当たり、平川監督とどのように作り上げたか問われると、山田は「台本だけ見ると少し難しいお話なんですよ。なので、これをどうやって分かりやすく劇場に足を運んでくださった皆さんに受け取ってもらえるかなっていうところを考えながら、監督と現場でみんなそれぞれ話し合いながら演じていたんじゃないかな」と。
これを受けて平川監督が「特に蔵之介さんは脚本を変えて、いろいろアドバイスをくださって、この映画に貢献していただいた」と裏話を明かすと、佐々木は「なかなかのSFファンタジーなので、どこまでお客さんに浸透していくかっていうのが大変だなって思って」と返した。
また、平川監督が「涙のシーンが1つあるんですけど、テイク1で泣きすぎなんじゃないかと思って、テイク2で涙を流さないでくれと頼んだ。編集の時にテイク1を使ってしまって…」と話しだすと「そうなんですよ!」と責めたてる佐々木と山田。山田は「正直、あの時何を言っているんだろうなって思った」と当時の心境を明かし、会場の笑いを誘った。
撮影で記憶に残っていることを聞かれた芳根が悩む様子を見せると「記憶屋に消されたか?」と和ませる山田。芳根は「本当に戦ったなっていうのが印象的。監督が“これでいい”でOKを出す方ではなかったので、何回も1シーンをやったりしたけど、その分いろんな真希を自分で見ることができたから、すごくありがたかったなって思うし、妥協せずに何度も挑戦させてもらったことも、何度もお付き合いいただいたことも本当に感謝しております」と平川監督や山田らに感謝を伝えた。
そんな芳根について、山田は「いい意味で“化け物”だなと。本読みの時に、だいたいみんな手探りで台本を読んでいくんですけど、この段階で本気でやっていて。これは俺ももっと本腰を入れて、幼なじみ役としてできることはやっていこうと思った。芳根さんの演技に引っ張ってもらったところもある」と語った。
山田と共演した感想を聞かれた佐々木は「広島へロケというか、山田君と広島旅行に行った気分になった。1泊だけだったんですけど、その時に観た瀬戸内の橋や海の景色は本当に印象に残っている。その後僕は、マネージャーがインフルエンザになったから、1人で福岡へ行ってHey! Say! JUMPのライブを見た」とエピソードを明かすと、山田が「ありがたかったです」と感謝した。
そんな山田は以前から佐々木と共演をしたかったそうで「蔵之介さんが出ているとある映画が大好きで、ずっと共演したいなと思っていたら、今回ようやく共演させてもらってうれしかったです」と告白すると、佐々木は「聞いた時、最初ウソだと思ってた」と明かした。
山田演じる遼一の恋人役を演じた蓮佛は「切なかったです。役柄としてはもちろん忘れているんですけど、私個人としては記憶を忘れる前の順風満帆な2人の幸せなシーンの残像が残っていて。そんな中で、山田君が悲しい顔をするんですよ。それが、私個人としては強烈に切なかった」と。
すると山田は「デートした時の写真を撮るために、まだ人がいる時間にお台場とかへ行って撮ったんです。さすがにバレるんじゃないかなって思っていたけど、騒ぎにならなくて。帽子もマスクもしなくてもこういうところ歩けるんだ~ってうれしかったけど、まだまだだな俺って思ったりも…」と裏話を明かした。
イベントでは、新予告映像が公開され、合わせて主題歌が中島みゆきの「時代」となることを発表。山田は「なんてこの映画にピッタリの主題歌を持ってきたんだろうって思った。内容にすごくリンクしている歌詞の部分が多くて、温かさだったり、この悲しさだったりがこの1曲ですごくこの映画の良さをより出してくれているなって思った。この時代に中島みゆきさんの『時代』が新たな1ページをめくるんだなって思うとすごくうれしい」と心境を明かした。
さらに、本作にちなみ、記憶屋に消されたくない・消してしまいたい今年1年の思い出を披露するひと幕も。山田は「蔵之介さんがご自身のクランクアップの時に日本酒を下さいまして。その日本酒がとてつもないおいしさで。あの味は忘れたくないなと。おいしすぎて飲みすぎて、家でペロンペロンになってましたけど(笑)」と明かすと、佐々木から「この冬もいい酒が出来たから…」と山田を飲みに誘っていた。
また、消してしまいたい記憶として「芳根さんが現場に手作りのクッキーを差し入れしてくださって。それがとてつもなくおいしくて。ごっそり1袋持っていきましたね(笑)。それをスタッフさんに見られて、すごく注意されたので、その記憶を消したい」と語った。
芳根は「日本アカデミー賞の新人賞を頂いて、式典に参加した時に見た景色は忘れられないし、忘れちゃいけないなって思います。消してしまいたい記憶は…、舞台をやらせてもらった時に、本番の直前の稽古期間にせりふが全部飛ぶという夢を見たんです。いまだにトラウマなので、嫌な夢は消したいな」と。
佐々木は「佐々木すみ江さんとのシーン。その景色は全部覚えてますし、消したくない。消してしまいたい記憶は、山田君のエピソードを聞いて思い出したけど、広島の方言指導の方が差し入れで洋酒ケーキを持ってきてくださって。めっちゃおいしくて、おいしいよって言いながら、ポケットに1つ入れたこと」と明かすと、山田が「現場の男性陣、おいしいもの盗みがちですね(笑)」と笑った。
蓮佛は、消されたくない記憶として「1番ではなく、20番目くらいの話なんですけど…。撮影の時に待機場所で山田君が携帯を触っていたと思うんですけど、突然“鳩ぽっぽ”を歌いだして。それが何ていう選曲なんだと思って笑ってしまったら、山田君から『なんで笑うの?』と言われたので『面白いなって思ったから、気にしないで』って返した5秒後ぐらいに、“およげ!たいやきくん”を鼻歌レベルで歌っていて。なんてメルヘンな26歳なんだって思ったこと」と現場でのエピソードを披露。山田は「うそでしょ!でも、何が悔しいって、20番目ってところが1番悔しい」とツッコんだ。
泉は、消されたくない景色として「今日この場にいることです」と答え、「優秀な答えですよね」と平川監督を感心させた。
最後に消されたくない記憶を発表することになってしまった濱田は「僕が最後じゃないほうがよかったと思うんですけど…」と切り出し、「自動車免許を取った記憶を消したくない」と答えると、山田は「かわいい!」とほっこりしていた。
最後に、山田が「この映画は、本当にさまざまなキャラクターが出ていて、どのキャラクターにフォーカスを自分で合わせるかで、見え方がすごく変わってくる映画だなと思っています。世代問わず、楽しんでいただける作品になったのではないかなと思っております。この冬、最も感動できる作品になっていますので、この作品を見て、皆さんの大切なものを見返すようなきっかけになってもらえればいいなと思って、キャスト、スタッフ一同作りました。観てくださった方は、いろんな方におすすめしてくださるとうれしく思います」と呼びかけた。
映画「記憶屋 あなたを忘れない」
2020年1月17日(金)全国ロードショー
出演:山田涼介、芳根京子、佐々木蔵之介、蓮佛美沙子、泉里香、田中泯、杉本哲太、佐々木すみ江、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザートム、須藤理沙、濱田龍臣、佐生雪、稲垣来泉 ほか
原作:織守きょうや「記憶屋」(角川ホラー文庫刊)
監督:平川雄一朗
脚本:鹿目けい子、平川雄一朗
音楽:髙見優
©2020「記憶屋」製作委員会