里見浩太朗が『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系(月)~(金)後0・30)にゲスト出演する。
本作は倉本聰さんが手掛ける『やすらぎの郷』(2017年)の続編。脚本家の菊村栄(石坂浩二)らテレビ人が入居する老人ホームの人間模様と、根来しの(清野菜名、風吹ジュン)と公平(風間俊介、橋爪功)夫婦の一代記という2つの世界を描く。里見は菊村が旅先の山梨県の村で出会う謎の男・ニタニ役で、3月放送予定の第232、233話に登場する。
『水戸黄門』(TBS系)では石坂が4代目、里見が5代目の水戸光圀役を演じた。共演するのは今回が初となり、里見は「石坂さんは僕のイメージだと“貴公子”。2人きりでたっぷり2話分、お芝居ができるのが楽しみでした。思っていたとおり物静かな方で、何もしなくても“絵”になる、素晴らしい俳優さんですね」と絶賛。
石坂も「里見さんは、どこか“イギリス風”のムードをまとっている方。ブリティッシュ・ジョークを感じさせる軽妙なやりとりを残してニタニが去っていくところが、とてもかっこいいんですよ!」と脱帽。「里見さんには入居メンバーとして、ずっと『やすらぎの郷』にいらしてほしかったなぁ」と名残を惜しんでいる。
<石坂浩二(菊村栄 役)コメント>
◆里見浩太朗さんとの初共演が実現しましたが、里見さんの印象は?
初めて里見さんにお目にかかったのは、私が『水戸黄門』(TBS系)を卒業した後です。里見さんが水戸光圀役を受け継いでくださることになり、ご挨拶に伺いました。ちょうど扮装をされているところですっかり黄門様に成り切っていらっしゃいましたが、里見さんは時代劇でも貫禄のある品のよいお殿様を演じてこられた方ですので、そのときも「私よりもずっと品のよい黄門様だなぁ」と思ったことを覚えています(笑)。
『やすらぎ』シリーズのいちばんいいところは、共演者たちが生きてきた時代がほぼ同じこと。今回、里見さんから疎開したときのお話をうかがいましたが、私自身も疎開を経験していましたので、お話を聞けばすぐにその光景が目に浮かびますし、通じあえるんです。
◆里見さん演じる、謎の男“ニタニ”とのやりとりで感じたことは?
今回、里見さんが演じてくださった“ニタニ”は、ちょっと変わった役柄。彼は農家としてずっとその地に足をつけて暮らしてきて、故郷が荒れ果てていく姿を目の当たりにしてきた…。でも実際は、“それだけではなさそうな男”で、彼が本当のことを言っているのか分からないよう、倉本先生が非常にうまくお書きになっているんです。見てくださる方によって、さまざまな受け取り方がある役柄だなと思っています。
里見さんは、どこか“イギリス風”のムードをまとっている方。イギリスには“ブリティッシュ・ジョーク”という文化がありますが、そんなブリティッシュ・ジョークを感じさせる軽妙なやりとりを残して、ニタニが去っていくところが、とてもかっこいいんですよ!でも僕としては里見さんには入居メンバーとして、ずっと『やすらぎの郷』にいらしてほしかったなぁ。それが残念です!
<里見浩太朗(ニタニ 役)コメント>
◆石坂浩二さんとの初共演が実現しましたが、石坂さんの印象は?
石坂さんと僕は『水戸黄門』の4代目と5代目ですが、石坂さんは僕のイメージだと“貴公子”。静かな男らしさを持っていらっしゃる方だなと思っていました。
今回は、そんな石坂さんと2人きりでたっぷり2話分、お芝居ができるのが楽しみでした。思っていたとおり物静かな方で、何もしなくても“絵”になる、素晴らしい俳優さんですね。
◆『やすらぎ』シリーズはご覧になっていましたか?
もちろん見ていましたよ!お仕事をしてきた方や一緒にゴルフや麻雀を楽しんだ懐かしい方々がいっぱい出演されているので、「元気で頑張ってるなぁ」「あの女優さんは変わらないなぁ」…なんて、見ていて楽しくて仕方がないんですよね。
実は、『やすらぎの郷』で織本順吉さん演じる“加納英吉”が亡くなったシーンを見てすぐ、織本さんに電話したんです。「浩ちゃん、よく電話してくれたなぁ」ってとってもうれしそうに話してくださいましたが、そのあとすぐ天に召されてしまって…。本当に電話してよかったなと思いました。そういう懐かしさや時代への思いといったものが、『やすらぎ』シリーズには詰まっているんですよね。
◆倉本作品への出演は40年ぶりですが、本作に出演して感じたことは?
倉本先生とはホテルでばったりお会いしたり、同じ飛行機に乗り合わせたこともありますが、先生の作品に本格的に出演するのは初めてです。
この『やすらぎの刻~道』では戦前から終戦後まで、僕たちが子供のころの世界が描かれてきました。今回の脚本にも、僕自身が祖母の暮らす田舎に疎開していたころの生活がそっくりそのまま描かれていたので、喜んで出演させていただきました。やっぱり倉本先生も同じ時代を生きてきたんだなぁと感じられて、それがとってもうれしかったですね。僕が疎開していた田舎でも廃屋が増えましたし、祖母が養蚕をしていたので、“お蚕さん”が桑を食べる音がやかましくて寝られない…なんてことも経験していますから、セリフでその情景を話すのもとてもうれしかった。お蚕さんについては、脚本を見なくてもしゃべれるぐらい、よく知っていますからね(笑)。まさに自分の子供時代に入っていくような感覚で、その世界の中に年齢を重ねた自分が存在している…。なんというか、この場所が僕にとっての『やすらぎ』の世界だと感じられ、演じていてとても楽しかったですね。この世界の中でお芝居ができて幸せでした。
◆視聴者へのメッセージをお願いします!
『やすらぎ』シリーズの中に首を突っ込むことができて、本当に楽しいです。その“楽しそうな里見浩太朗”を、ぜひ見ていただきたいですね!
実は、僕が演じた“ニタニ”が、その正体をのぞかせるのは1か所だけ。でも、それすらも彼のジョークかもしれない…。そういう“含み”のあるところこそが、ニタニという男なんだろうなと思って演じました。何が起きるのか、本当に見てのお楽しみ。絶対に面白いですよ!
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