松坂桃李主演『微笑む人』原作者・貫井徳郎が太鼓判

ドラマ
2020年02月22日
『微笑む人』

 松坂桃李が主演するテレビ朝日系ドラマスペシャル『微笑む人』(3月1日(日)午後9時)の放送に先立ち、原作者の貫井徳郎さんがコメントした。

 本作はエリート銀行員・仁藤俊美(松坂)が「本の置き場所が欲しかった」という理由だけで妻子を殺害したと供述し、彼の過去に隠された事実が次々と明らかになっていく衝撃のミステリー。原作の同名小説は貫井さん自身が「僕のミステリーの最高到達点」と自負しており、累計15万部を突破している。

 貫井さんは「ここ最近、作品を映像化していただく機会が多いのですが、そこで思ったのは“映像畑の方々は、映像化しやすい作品よりも、しにくい作品をあえて選んでやるんだな”ということなんです(笑)」と分析。「微笑む人」の映像化も「どちらかと言えば映像化しにくい作品だと思っていたので、お話を頂いた時は“あ、そう来たか”と思いましたね」と意外だったそう。

 ドラマには、オリジナルキャラクターの記者・鴨井晶(尾野真千子)が登場。結末もアレンジされているが、「なるほど!とびっくりしました。満足感を得られるようなラストになっているのではないでしょうか」と絶賛。仁藤役の松坂にも「松坂さんをキャスティングしたというだけで、もうこの作品は成功じゃないですか!?と思うくらい、ぴったり」と太鼓判を押す。

 さらに「物語を楽しむに当たっては、“怖いもの見たさ”という感情って必ずあると思うんです。でも、それが度を越していると、いくらフィクションでも見たくない。このドラマが、果たして度を越すのか越さないのか――僕はそこが非常に興味のあるところです。僕は小説だと、意外と気にせずに度を越したものを書く方なので(笑)。どんな風に受け取られるのか、楽しみです」と語っている。

<原作者・貫井徳郎氏 コメント>

◆『微笑む人』がドラマ化されることになったとき、まずどのように感じられましたか?

 ここ最近、作品を映像化していただく機会が多いのですが、そこで思ったのは「映像畑の方々は、映像化しやすい作品よりも、しにくい作品をあえて選んでやるんだな」ということなんです(笑)。『微笑む人』は、どちらかといえば映像化しにくい作品だと思っていたので、お話を頂いたときは「あ、そうきたか」と思いましたね。
 ただやはり、原作そのままよりは、アレンジしたほうが面白い作品になるのではないかと思っていたら、脚本を秦建日子さんが担当してくださると聞き、それならば僕が思いつかなかったようなアイデアを足して映像化していただけるだろうな、と楽しみにしております。

◆詳しくはネタバレになってしまいますが、秦建日子さんの脚本のラストはいかがでしたか?

 なるほど!とびっくりしました。テレビの前で気軽に視聴し始めた方々も、引き込まれるような展開で、満足感を得られるようなラストになっているのではないでしょうか!

◆貫井さんが考える『微笑む人』の映像化のしにくさ、とは何だったのでしょうか?

 テーマが難しいのではないかと思ったんです。この本のテーマって「世間の人たちは、自分がわかる範囲だけで“わかった気になっている”」っていうことなのですが、そんなことって、「言われたくない」「目をつぶっていたい」って思っている方々が大半だと思うんですよ。
 大半の人たちが「受け付けられない」と思っているようなテーマでも、テレビで放送したら多くの方の目に触れてしまうので、ちょっと映像化は難しいのではないかな、と感じていました。

◆そんな映像化不可能と思われた作品を松坂桃李さん主演でドラマ化。松坂さんが演じた仁藤俊美はいかがでしたか?

 仁藤役に松坂桃李さんをキャスティングしたというだけで、もうこの作品は成功じゃないですか!?と思うくらい、ぴったりだと思いました。松坂さんって見るからにいい人。爽やかですし、裏に隠していることなどもなさそう…。でも、そういう人が「本の置き場所が欲しかったから」というわけの分からない理由で妻子を殺す――そのギャップの大きさが、逆に怖さになると感じました。
 そして、松坂さんがこんな役をやってくださることにも少なからず驚きはありましたね。

◆尾野真千子さん演じる晶は原作にはない役でしたが…?

 映像と小説の違いの間には補助線を引いた方が分かりやすくなる、ということがあります。今回はその役を尾野真千子さん演じる晶がやってくださっていると思います。尾野さんの存在で、このストーリーが視聴者の方々に分かりやすく伝わるといいな、と思っております。

◆原作のファン、まだ小説を読んでいない方、それぞれいらっしゃると思いますが、そういった方々に貫井さんからメッセージをお願いいたします。

 物語を楽しむにあたっては、「怖いもの見たさ」という感情って必ずあると思うんです。でも、それが度を越していると、いくらフィクションでも見たくない。このドラマが、果たして度を越すのか越さないのか――僕はそこが非常に興味のあるところです。僕は小説だと、意外と気にせずに度を越したものを書く方なので(笑)。どんな風に受け取られるのか、楽しみです。

©テレビ朝日

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