昨年亡くなったフランスの女優アンナ・カリーナのドキュメンタリー映画「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」の予告編が解禁された。
パートナーであるデニス・ベリー監督が万感の思いを込めて作り上げたアンナへのラブレター(本人談)である本作は、6月13日(土)の新宿K’s cinemaを皮切りに全国順次公開される。
アンナ・カリーナは、1940年9月22日デンマークのコペンハーゲンで、遠洋航路船船長の父と19歳の母との間に誕生。17歳の時に、パリでココ・シャネルと出会い、アンナ・カリーナと命名される。
トップモデルとなった彼女を見初めたのが、ジャン=リュック・ゴダールだった。「女は女である」「女と男のいる舗道」そして「気狂いピエロ」など、時代を画したヌーヴェル・ヴァーグのアイコンとなったコンビの誕生と別れ。音楽界の寵児ゲンズブールも、ミュージカル映画「アンナ」のために14曲を提供した。
1972年、彼女は完全な男社会のフランス映画界を飛び出し、自ら製作・脚本・監督・出演した作品をNYで撮影する。さらに歌手として活動を開始、フランスやヨーロッパだけではなく日本でもツアーを行った。
この度公開された予告編は、まるでアンナが隣にいて、あの大きな瞳でこちらを見つめるようなシーンから始まる。パリの町なかの映画館カルチエラタンに来たアンナは、何に心を動かし、どんな風に変わってきたか、映画史そのものである自分の人生を振り返る。
永遠のフランスのファッションアイコンらしく、茶のコートとハット、黒のトップスという、すっきりとした出で立ち。過去に演じてきた役柄が次々と映し出され、ココ・シャネルの映像では「アンヌ・カリーヌ・ベイヤーだと伝えると、シャネルはそれを繰り返して“だめね。アンナ・カリーナにしなさい”と言った」という、運命的な出会いを語る。
また、ゴダールから手渡されたメモには「愛しています。真夜中。カフェ・ド・ラペ」という告白があった事を語った。セルジュ・ゲンズブールは、アンナの声と歌い方は強烈な個性があると称え、その後に続く映像では、アンナはその独特な歌声を披露している。
数々の名作の中に、アンナの人生が映る。しかし実際の彼女の人生の方が、映画よりももっとドラマチックで運命的だったかもしれない、そんな思いに駆られる予告編に仕上がっている。
映画「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」
6月13日(土)より新宿 K’s cinema 他にて全国順次公開
監督:デニス・ベリー
2017年/フランス/55分/日本語字幕:芳野まい
配給:オンリー・ハーツ
© Les Films du Sillage – ARTE France – Ina 2017