ビン・リューが初監督を務めた傑作ドキュメンタリー「Minding the Gap」が、邦題「行き止まりの世界に生まれて」として9月4日(金)より全国で順次公開される。それに先駆けて、本作のポスタービジュアルが解禁された。
物語の舞台は「全米で最も惨めな町」とされるイリノイ州のロックフォード。そこで暮らすキアー、ザック、ビンの3人は、貧しく暴力的な家庭から逃れるように日々スケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとっての唯一の居場所で、もう一つの家族とも言えるものだったが、それぞれが大人になるにつれ自分自身の様々な現実に直面する中で次第に道を違えていく。
そんな彼らの姿を撮影したのは、本作に出演しながら監督も務めたビン・リュー。10代の頃から撮りためていたスケートビデオと共に、閉塞感のある故郷で必死にもがく若者3人の12年間を通して、親子、男女、貧困、人種などの様々な分断を見つめ、“トランプのアメリカ”の知られざる現実をも映し出していく。
主人公の3人が暮らすロックフォードは、かつて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、今やアメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置する。2016年の大統領選では“夢を失った”ラストベルトの人々による投票が、トランプ大統領誕生に大きな影響を与えた。
本作は「21世紀アメリカの豊かな考察」(ニューヨーク・タイムズ)、「ドキュメンタリーの新時代」(WIRED)と評され、第91回アカデミー賞と第71回エミー賞でWノミネートを果たすという快挙を達成。さらに、サンダンス映画祭をはじめとした59の賞を総なめにし、映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では満足度100%の評価を獲得した。さらに全米の批評家・観客のみならず、オバマ前大統領も「感動的で、示唆に富む。ただただ惚れ込んだ」と絶賛のコメントを残している。
この度解禁されたポスタービジュアルは、コンクリートの道路の上をスケートボードで日の光を目指すかのように前へと進む3人の姿が映し出されている。メインコピーの「傷だらけのぼくらが見つけた明日−−」というフレーズが掲げられており、彼らが未来へ向かって進むことへの微かな希望が託されているかのようだ。
<作品概要>
「行き止まりの世界に生まれて」
2020年9月4日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督・製作・撮影・編集:ビン・リュー
出演:キアー・ジョンソン、ザック・マリガン、ビン・リューほか
<WEB>
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