デビュー以来、さまざまな映画に出演し、存在感のある演技で注目を集めてきた落合モトキさん。最新作「日々ロック」では、ビジュアル系ロックバンドのボーカル・新庄を演じた落合さんに、作品について、演技について、音楽について…お話を伺いました!
入江悠監督の言葉で自分のリミッターが外れました
――落合さんが演じた新庄という役は強烈なキャラクターですね。
ありがとうございます。
主人公のライバルとなるビジュアル系バンドのボーカル役なんですが、ここまでふざけている状態で、撮影したことはない!というほどでした(笑)。
原作がある作品なので、そこに基づいていかなければいけないのかな、と思っていたのですが、入江悠監督からの「台本を意識してね」という言葉で自分のリミッターが外れましたね。好きにやっていいんだって。
それに、台本が既に強烈でしたからね(笑)。振り切ってやらないと後悔するなって思ったほどです。
スタッフさんからは「落合君の絶対開けない引き出しを開けたよね」って言われました(笑)。
――作中ではたびたび白目になっていますが(笑)、これは監督からの指示ですか?
いえ、アドリブです。
特にやろう!って決めていたわけではないのですが、気づいたらああなっていて(笑)。
普段からお笑いが好きでよく動画を見ているんですよね。芸人さんのコントが役作りの参考になったかもしれません。
強烈なのは僕だけではないですよ!日比沼を演じた野村周平君なんてダッチワイフ抱えてピンスポットに当たってるんですよ!? それ見た瞬間、思わずふき出しましたもん(笑)。
草壁役の前野朋哉さんは、熱い役なのにロシア帽かぶってたり。そんな共演者の姿を見たら自然に頑張んなきゃって思いました。作品の途中にしか出演しないので、見ている方の記憶に残るためには、あのくらい振り切って演じてよかったなと思っています。
――作中の音楽もすてきでしたね。
猫チェルシー、爆弾ジョニーなどたくさんのバンドが楽曲提供してくれているんです。主題歌「終わりなき午後の冒険者」っていう曲は、キャッチーでいい曲ですよ。「日々ロックフェス」というイベントに行ったときも、やっぱり音楽っていいなと思いました。
すてきな音楽を演奏するバンドがこの作品をきっかけにもっと多くの人に知ってもらえたらいいですよね。
――落合さんも楽器を演奏されるんですよね。撮影中、自分で弾きたいとは思わなかったですか?
ギターとドラムをやっています。
劇中で僕たちのバンドに音を入れてくださったのが、「ミサルカ」というバンドで、もちろんプロですからね。
とてもじゃないですが、やれなかったです(笑)。
それに、ライブのシーンもほとんどアドリブだったのでそこに必死でした。やったことを覚えておかないと次のシーンにつながらなくなってしまうので。結構、そこであっぷあっぷしてました。
原作を読んだときに“出会えてよかったな”と思った
――いつも役作りはどのようにされていますか?
台本を隅から隅まで読んでいます。
役に入り込んで一部分しか見えていないとなるとそれは役作りではないと思っていて。
ちょっとでも素に戻っていたほうが、俯瞰で役を見つめられるのでそこは大事にしています。
「MONSTERZ」ではオネェ、「ホットロード」では暴走族、今回はビジュアル系バンドのボーカルと、いろんな役をやらせてもらっているので、絶対に町でばれない自信があります(笑)。
――新たな落合さんが見られる「日々ロック」、公開が楽しみです。
僕自身、原作を読んだときに“出会えてよかったな”と思いました。
映画にしても原作を壊していないし、別の良さがあります。
映画館に足を運んでふっと「日々ロック」を見たら、「あっ当たりを引いたな」と思ってもらえる作品だと思います。
まぁ、「今日は日々ロックを見るぞ!」と計画を立てて見に行ってもらうのが1番だとは思うんですけど、映画ってふとした出会いもあると思っていて。あと、主演の野村周平君や二階堂ふみちゃんは、これまでいろんな役をやられているので、いろんなイメージがあるかと思いますが、そのイメージをも超越しているキャラになっています(笑)。
ぜひ口コミで広げていっていただきたいです!
――最後に、落合さんの今後挑戦してみたい役を教えてください。
はい、死なない役です!(笑)これは大前提で。
年齢が自分と大幅にずれている役をやってみたいです。中学生とか小学生とかおじいちゃんとか。
シリアスな作品だと僕の場合、死ぬことが多いので(笑)、コメディかな。
最後まで生きている役を演じたいです!
PROFILE
●落合モトキ…1990年7月11日生まれ。東京都出身。O型。
子役時代からテレビドラマに出演し、映画『桐島、部活やめるってよ』(12)や『ホットロード』(14)など多くの話題作に出演。
作品情報
「日々ロック」
11月22日(土)全国公開
出演:
野村周平/二階堂ふみ/前野朋哉/落合モトキ/岡本啓佑/古舘佑太郎/
喜多陽子/毬谷友子/蛭子能収/竹中直人ほか
監督:入江悠
原作:榎屋克優「日々ロック」
●STORY
金なし風呂なし彼女なし。ヘタレロッカー・日比沼(野村)が友人とともに結成したバンド“ザ・ロックンロールブラザーズ”。ある晩、ライブをしていた日比沼の前にカリスマ的な人気を誇るアイドル・咲(二階堂)が現れる。
彼らの曲を聞いた咲は自分の曲を書いてほしい、と頼むが…。
オフィシャルサイト(http://hibirock.jp/)
(C)2014「日々ロック」製作委員会(C)榎屋克優/集英社
●取材/飯倉聖蘭、寶福加寿美