内藤瑛亮監督による映画「許された子どもたち」が、6月1日(月)の公開より1ヶ月で動員5,000人を突破。渋谷HUMAXシネマへのムーブオーバーと渋谷エリア公開延長決定を記念して、7月4日(土)に主演の上村侑、母親役の黒岩よし、内藤監督を迎え、キャスト登壇による初の舞台挨拶が行われた。
本作は、これまでにも衝撃的な内容により作品を発表するたびに物議を醸してきた内藤監督が、自主映画として完成させなくてはならなかった問題作。8年の歳月をかけて構想し、いじめによる死亡事件を起こした加害少年とその家族、そして被害者家族の姿を描いた作品だ。
コロナ対策で劇場の客席を半数に減らした中で、満席の観客に迎えられて登壇した上村、黒岩、内藤監督。内藤監督は、主演の上村について「体格が良くて眼光も鋭いけど、一時、学校に行けなくなったことがあるほど繊細な一面を持っていると分かり、荒々しさと繊細さが共存した主人公に相応しいと思いました」とキャスティングの理由について語った。
母親役の黒岩は「夏編は母親の真理が『自分は正しい』と思ってひたらすら頑張っているシーンだったので楽しかったのですが、冬編は加害者家族として誹謗中傷や疎外感を受けるシーンだったので孤独感が増していき辛かったです」と撮影中の心境の変化についてコメント。
上村の家族は公開初日に見に来てくれたそうだが、「帰りの電車の中で父親が一言も口を聞いてくれなくて。その後も映画について何も語ろうとしなかったんです」と告白。「でも公開から一か月たって、最近、父がようやく映画の話をしてくれて、『同級生を殺しながら、罪を否認し、少年審判に無罪に相当する「不処分」を決定された主人公の絆星を、どういう目線で見たら良いのか分からなかった』と言われました」と父親が抱いた複雑な思いについても明かした。
最後に上村は「この映画はフィクションでありながら、現実とつながる問題点がリアルに描かれていると思います。その問題点に対して、自分なりに考えるきっかけとなってもらえれば嬉しいです」と語り、会見を締めくくった。
舞台挨拶終了後は、劇場ロビーにてパンフレット購入者に向けたサイン会も実施。なお、本イベントでは新型コロナ拡散防止に配慮し、フォトセッション以外、登壇者全員がフェイスシールドを着用し実施された。レポート全文は、次ページに掲載。