9月4日(金)から全国公開される清原果耶の主演映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」の完成披露試写イベントが、8月3日(月)に開催。新宿バルト9で行われたイベントでは主演の清原果耶、藤井道人監督に加えて、リモートで桃井かおりが登壇した。以下、オフィシャルレポートを掲載する。
ステージ上には、まず主演の清原果耶と藤井道人監督が登壇。そしてMCの声掛けと共に、星ばあ役の桃井かおりが宇宙でいちばん“遠距離”な完成披露試写会と題し、LAより生中継で登場。「こっちは夜中の2時半よ~。健気でしょ桃井!」とさっそく桃井節を炸裂させ、会場を沸かせた。
清原が「今日は会場に足を運んでくださって、本当にありがとうございます。今日これから『宇宙でいちばんあかるい屋根』をご覧いただけるということが本当に嬉しい思いでいっぱいで、大切に大切に送り出したいなという気持ちで今日この場に立っています。今日はこれから楽しい時間を共有出来たらと思います」と挨拶。
続いて、桃井は「本当にこの時期に封切ができる幸せをしみじみ感じています。とにかくいい映画なので!宜しくお願いします!今日はありがと!」と語りかける。藤井監督は「ちょうど一年前の今日、この映画をクランクインして一年後の今日、完成披露で皆さんにお届けできることを光栄に思っております。こういう時代だからこそ観ていただきたい映画が完成しました。今日は皆さん楽しんでいってください」と、3人それぞれの挨拶からイベントがスタート。
久しぶりの対面となる桃井に対し、清原が「お久しぶりです~、お元気ですか?」と声を掛けると、桃井は「元気ですよ~!」と満面の笑顔で返す。「うれしいですね、こうやってまた顔を見られて光栄です」と1年ぶりの画面越しの再会を楽しんでいる様子。「いや~本当はそっちに行ければ良かったんだけどねぇ」という桃井の言葉に、清原は「画面越しでもうれしいです!」と答えた。
完成した本作を観た感想について、清原は「私はもう正直、放心状態になってしまいました。初主演作という言葉だったりとか、エンドロールで自分の歌った歌が流れるとか、なかなか客観視できなくて。あ、終わったっていう安心感にも似た喪失感みたいなものが大きかったような気がしています」と明かす。だが、「一緒に初号を観たスタッフのみなさんが、すごい良かったよ!っていう言葉をかけて下さったので、いい作品になったんだな。良かったなって。嬉しい気持ちはありました」と実感した模様。
桃井は「私は反対に、今まで自分が出た映画の中でいちばん自分が出てることが気にならなかった映画なんですよね。それですごく映画として観られました。監督が、これは群像劇じゃなくて彼女の世界を描いてるんだって。出来上がって作品を観たらそれがよく分かって、観てすぐに監督にメールしたくらい」と話す。それに対して、藤井監督は「はい、すごい嬉しいメッセージをいただいて、心臓がバクバクバクってなりました(笑)」と明かした。
昨年の日本アカデミー賞で話題となった「新聞記者」と全く異なる作品に挑戦したことについて、藤井監督は「逆に『新聞記者』の方がイレギュラーという感じで。今回はプロデューサーの前田さんからこのオファーをいただいたときに、今まではずっと暗いところから光を目指すような映画を撮っていて、今度は明るいところからしっかりと暗いところを照らしていけるような作品を描いてみたいなと思って挑戦しました」と本作の出発点をつまびらかにする。
本作が初めての藤井組となる桃井は、藤井監督について「『新聞記者』を観て、その話をしているときにメールをいただいたので、運命を感じたのもあるし、監督がこんなものを作るのかっていう驚きもあったし、ワクワクもしたし、本当に年を取ってきたので、こういうオファーを待っていたという思いで嬉しかったです」と出演の経緯を明かした。
本作で名コンビを演じた清原と桃井だが、お互いの印象について清原は「私が何か口にするのもおこがましいんですけど…、一緒にお芝居をしていてこちら側に伝わってくるエネルギーの濃さとか強さみたいなものがとてつもなく大きくて、前を向かなきゃって奮い立たされるような、現場でご一緒していて必死に後を付いていきたくなるようなそんな印象でした」と、桃井の存在感の大きさを感じたようだ。
一方、清原について桃井は「ものすごい孤独な女優さんだなっていう(笑)。すごい真面目で本気で作品を見ているし、自分が何をすべきかを見ているから、絶対に邪魔しちゃいけないなという気持ちになったし、彼女がやろうしている、真剣にストイックに考えていること、彼女の表現しようとしていることが見えなくて、冗談抜きで私が付いていったんですよ。それで映画を観て、あぁ良かった!って本当に思いました」と率直な心境を吐露した。
共演した伊藤健太郎の印象について、清原は「すごく柔らかい波をまとわれてる方だなという印象があって。それはきっと伊藤さんの内から出る感覚なのかオーラなのか、すごく“優しい”っていう言葉が当てはまるような接し方をして下さったので、(自身が演じる主役の)つばめとしてすごく楽しく撮影をご一緒させていただきました」と答えた。