10年ぶりに劇場で作・演出を手掛ける前川知大の作品『迷子の時間』-「語る室」2020-が、2020年11月より上演される。主演は、5年ぶりの舞台出演となる亀梨和也に決定。併せて、前川と亀梨よりコメントも到着した。
本公演は、PARCO劇場のオープニング・シリーズを飾る一作として昨年より準備が進められていたが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、今年4月に予定していた発表は見送りに。演劇界を横断して組織された「緊急事態舞台演劇ネットワーク」によるガイドラインなどに沿い、少しずつ劇場や舞台公演が再開し始めたことを受け、この度発表される運びとなった。
作・演出を手掛けるのは、演劇界の各賞を受賞し、近年では「太陽」や「散歩する侵略者」などの作品が次々と映画化されるなど、日本を代表するクリエイターの前川知大。2015年に自身が主宰する劇団イキウメで上演された「語る室」をベースに、10年ぶりの登場となるPARCO劇場のオープニング・シリーズに相応しい2020年版を新たに贈る。深遠さを増した独自のSF的な世界観から、今を生きる意味を問いかけてくる、まさに前川ワールドの真骨頂といえる作品だ。
そして主演を務めるのは、蜷川幸雄演出の音楽劇「靑い種子は太陽のなかにある」以来、5年ぶりの舞台出演となる亀梨和也。前作では、自分自身の正義とスラムでの正義の間で葛藤し、さらに恋人との死別を経験する青年という難役を見事に演じきった。今回は、失踪した子供の叔父で奇妙な幻覚に悩む警察官を演じ、自身初となるストレートプレイにも挑戦する。
発表にあたり、前川は「この公演の幕が開く11月に、社会がどういう状況になっているかは、誰にも分かりません。いま上演発表はすべきなのか、迷いました。PARCO劇場、亀梨さんと相談し、だったら迷ったまま発表してしまおうと決めました」と、明かした。しかし「迷っているからこそ、日々変わる状況に臨機応変に対応できることがあると信じます」と思いを語る。
亀梨も「初めてのストレートプレイ。昨年、このお話を頂いた時、嬉しさと同時に、初めてだらけの環境に正直不安もありました。日々、世の中の状況が変化していく中、みんなで話し合いを重ね、今という時間を柔軟にとらえ、さまざまな決断、出来る準備を進めていきたいと思います」と意気込みを見せた。前川と亀梨のコメント全文は、次ページを参照。