映画「弱虫ペダル」公開記念舞台あいさつが行われ、永瀬廉(King & Prince)、伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、栁俊太郎、菅原健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、三木康一郎監督が登壇した。
本作は、2月初旬にクランクインしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言を受け、中断。宣言解除後6月に入ってから細心の注意を払いながら撮影を再開し、クランクアップ。8月上旬に無事完成を迎えた。
永瀬は「撮影中は撮り切れるか心配でしたが、無事初日を迎えられて、皆さんの元に届けられたこと、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と心境を語った。
“あまりの感動に思わず泣いてしまった”“ぐっときた最近のエピソード”について聞かれた永瀬は「この作品の試写会をKing & Prineのメンバーと一緒に観たのですが、その時メンバーが『2時間飽きずに観れた』『泣きそうになった』とか言ってくれたことがすごくうれしかったです。(髙橋)海人に関しては、『3回ぐらいは泣いた』って言ってくれましたけど、普段から良く泣くタイプなんでうれしくはなかったです(笑)」と話し、会場の笑いを誘いつつ「メンバーの温かい言葉に本当にぐっときて、撮影頑張ってよかったな、と思いました」と語った。
伊藤は「車に乗って信号待ちをしている時、目の前の横断歩道をゆっくり渡っているおばあちゃんがいたのですが、後ろからおじいちゃんが来て、手をつないで引っ張っていくご夫婦の姿にほほ笑ましくて心が温かくなって、感動しました」と語ると、すかさず永瀬が「作り話じゃないよね!?」とツッコむと伊藤は「ちょっと前の本当の話」と笑いながら返した。
坂東は「自分が出演した番宣番組を栁さんと見たくて連絡したら、家でしゃぶしゃぶを作って待っててくれてうれしかった」と。栁が「お前のために作ったわけじゃない!俺はもともとその日は、しゃぶしゃぶを食べたくて自分のために用意してたんだよ!」と返すと、坂東は「まず電話で何食べたい?って聞いてくれて、家に行ったら、しゃぶしゃぶ作ってくれてたよ!」と主張し、会場は笑いに包まれた。
橋本は「私、涙腺弱くなくて、小さい時から卒業式とか行事に泣かないタイプだと思っていた。最近、『はじめてのおつかい』とか見て泣くようになって涙腺が弱くなってきた気がする。子供が頑張っている姿がすごく好き。今年のはじめ、甥っ子が産まれたのもあって、精いっぱいハイハイしている姿にも感動してウルっとしちゃいますね。」とほっこりエピソードを披露。栁も「俺も一緒。姪っ子がかわいくてグッとくる。姪っ子の動画を見て日々成長していく姿がかわいい」と笑顔を見せた。
菅原は「母親から先日お姉ちゃんが結婚するって連絡が来た。2人きょうだいなので『違う人の奥さんになるんだな』と思ったらぐっときました」と。井上は「撮影中、僕が皆さんより年下だったので、緊張して不安でしたが、坂東君や栁さんが気さくに声をかけてくれたことに愛を感じました。おかげで現場でなじむことができました」と感謝の気持ちを伝えた。
三木監督は「この作品の編集・ダビングをしている時に、後ろで観ているプロデューサー陣が何度も観ているのに毎回泣いているのが気持ち悪かった」と話すと、永瀬は「監督は思っていることと逆のことを言いますからね。すごく良かったな、って思ってるはず」と語った。
ここで、主演として作品を引っ張ってきた永瀬へ、三木監督から感謝の気持ちをつづったサプライズの手紙が贈られた。
三木監督からの手紙
手紙を書いてくれなんて言われて、何書いていいかよく分からないけど、まあ、思ったことを、つらつらしたためてみます。
初めてあなたと会った寒かったあの日、僕が言った言葉を覚えていますか?「この作品は誰のものでもない、あなたの作品です。参加すると言う発想は捨てて、映画を作る責任を背負ってほしい」そんな感じのことを言ったと思います。弱冠21歳、映画に出演するのはこれで2回目、演技の経験も少ない、ましてや、自転車という特殊な環境で芝居をしなきゃいけないあなたに、とんでもない要求をしたと思います。普通なら、自分のことに集中してください、となるのですが、僕はあなたに作品全体のことを考え、役者やスタッフを引っ張っていってほしいと要求したのです。
この「弱虫ペダル」という作品は、永瀬廉でなければ完成しなかったと思います。あなたが自らの行動と情熱で皆を引っ張っていったから完成したと、今、心から思っています。伊藤健太郎の存在も大きかったでしょうか、彼と競い合い、共に目標に向かう姿はこの作品の成功を感じさせました。
今回のあなたの姿や総北メンバーを見て、つくづくお芝居とは、テクニックではなく、「想い」なんだと痛感しました。どれだけ本気か、どれだけ努力したか、どれだけ真摯に向きあったか、そしてどれだけその作品を愛しているか、その「想い」は、うまい下手を超えて必ず見ている人の心を動かす。今回、あなたの弱虫ペダルに賭けた「想い」は、しっかり映画の中に映し出されていると思います。
そしてそれは必ずや見ている人の心を打つことになるでしょう。
あなたと共に駆け抜けた10か月、苦労もありましたがとても楽しかったです。僕自身、自転車を撮影するという新しい挑戦で、たくさんのプレッシャーに押しつぶされそうなこともありました。しかし、あなたの真っすぐ未来を見据える瞳に、何度も助けられました。できる!やろう!その声に励まされました。本当に、本当にありがとう。
最後に今後、たくさんの映画やドラマに出演されると思います。今回のその情熱があれば必ず成し遂げられると思います。
真摯に取り組む姿勢、努力、作品を愛する心。それを忘れないで、さらに大きな舞台に羽ばたいていってください。
三木監督からの熱いメッセージに会場は温かい空気に包まれ、永瀬と共に撮影を乗り切った伊藤からは「僕が泣きそうになっちゃった。うれしいよね」と。永瀬は「最近ぐっと来たエピソードこれにします。5行ぐらいで終わると思ったら、すごくたくさんのメッセージが詰まっていて、あらためて監督の愛を感じました」と目を潤ませながら三木監督への感謝を語った。
橋本からも「私もてっきり5行ぐらい、笑いに走るのかと思ったらスクリーンにも良い写真が出てきてすごく感動しました。自転車競技というものを通して、皆が一生懸命走っている姿を近くで見ていたので、今の手紙も含め、青春と感動が詰まっている映画になっているんじゃないかなと思いました」と語った。
そして、あらためて永瀬は「すごく過酷でしたが、お互い助け合いながら、支え合いながら撮影できる現場ってなかなかないと思います。このご時世に通ずることもあると思いますが、頑張ってよかったな、という報われた気持ちです。そして映画を観てくださっている方々に感謝したいです」と笑顔で語った。
最後に、永瀬は「最近暗いニュースが多い中ですが、この作品は皆さんに笑顔を与えられるような作品になってます。そして、新しいチャレンジをしようと思っている人、新しい自分を見つけたいと思っている人の背中を押すような映画になっていると思います。これからも『弱虫ペダル』という作品を温かく見守り、愛していただけたらうれしいです」とメッセージを送った。
作品情報
「弱虫ペダル」
公開中
主演:永瀬廉(King & Prince)
出演:伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、栁俊太郎、菅原健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)・竜星涼/皆川猿時
原作:渡辺航『弱虫ペダル』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:三木康一郎
脚本:板谷里乃・三木康一郎
主題歌:King & Prince「Key of Heart」(Johnnys’ Universe)
制作プロダクション:デジタル・フロンティア
協力:ワイズロード
製作:映画「弱虫ペダル」製作委員会
配給:松竹株式会社
©2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 ©渡辺航(秋田書店)2008