国内最大のフリマアプリ「メルカリ」に実際に届いた2万を超える体験談を基に書き下ろされた、オムニバス形式のオリジナルドラマ『そのご縁、お届けします-メルカリであったほんとの話-』が11月3日(火・祝)からスタート。誰かが手放した思いの詰まったモノを、新しい持ち主の元に運ぶ配達員・黒江陸を演じる飯豊まりえさんにインタビュー。
◆実話を基にしたオムニバス形式のドラマですが、役どころについて教えてください。
私が演じる陸は、配達員としてモノを届けて縁をつないでいくストーリーテラーのような存在。このコロナ禍で人との距離が出来て、孤独を感じる機会が増えたと思うんです。この作品は、人と人の出会いがテーマ。あらためて人との関係性などを考えるきっかけになると思います。
◆陸を演じる上で意識したことはありますか?
陸は配達物を手に取ると、そこに何が入っているのか分かってしまう不思議な力を持った子です。毎回、「お届けに参りました」というシンプルな決まったせりふがあるんですが、そこは自分の中でモノローグを大切にしながら言うようにしていました。陸は私が抱いた片桐(健滋)監督の第一印象と似ているんです。目に見えていないものが見えていそうな感じや、相手の感情をくみ取っていくところとかが(笑)。あと、配達員として車を運転するシーンもあるんですが、男性スタッフさんたちに後ろから車を押してもらって、撮影しています。そのシーンが、一番のハプニングだったかもしれません。
◆陸の親代わりとして一緒に暮らす青果店「八百吉」の店主・三田史郎役を演じる塚地武雅さんの印象を教えてください。
塚地さんとは以前、『LIFE!人生に捧げるコント』というコント番組でご一緒したことがあって、それ以来です。実際に八百屋さんとして営業しているお店を貸切っての撮影だったんです。撮影が終わると、スタッフさんから「八百屋にある物、全部持って帰ってください!」という声がかかって、塚地さんと「マイケル・ジャクソンみたいなことしていいの⁉」と驚きました(笑)。撮影の合間には、K-POPの話をして盛り上がりました。
◆全6話でさまざまな縁が描かれますが、一番印象に残っている“縁”はどの話でしょうか?
どのお話も捨てがたい…。元ミュージシャンとファンの少年との縁を描いた1話では、その少年が夢を諦めたミュージシャンの夢をつないでいくというのが胸アツでした。それに2話の離婚を考えているご夫婦がモノをどんどん無くしていって、あらためてお互いの大切さに気づいていくというのは、すごくリアルだなと思いました。4話の付き合いがなかった隣のお家の旦那さんが実は商品を購入していて、出品した家族と隣のお家の人との縁をつないでいくのも良かったです。
今回描かれている縁だけでなく、普段からこういった奇跡が起きていると思うんです。自分はいらないなと思ったモノでも、「メルカリ」のように出品して人に渡っていくことで、まだそのモノのストーリーは続いている。そういう奇跡が起きるかもしれないと思って、ぜひモノは大切にしてもらいたいですね。