北川景子×芳根京子インタビュー「もう相思相愛ですから(笑)」映画「ファーストラヴ」

特集・インタビュー
2021年02月08日

北川景子×芳根京子インタビュー

直木賞を受賞した島本理生の同名サスペンス小説を映画化した「ファーストラヴ」で共演した北川景子さんと芳根京子さん。姉妹役で共演したドラマ『探偵の探偵』から約5年、今回はそれぞれ心の傷を抱える公認心理師と殺人事件の容疑者という難役に挑んだ“相思相愛”なお2人に話を伺いました。

北川景子×芳根京子インタビュー

◆原作・脚本を読んだ時の印象、そして役作りについては?

北川景子:あっという間に引き込まれて、一気に読み終わってしまったことを覚えています。そして、ズシリと感じるものがありました。私と境遇は違いますが、共感するところもありました。それで実際の公認心理師の方にお会いして、私が患者のような立場で、普段悩んでいることなどについて聞いてもらいました。それによって、患者さんとの向き合い方や佇まい、目線みたいなものを参考にさせてもらいました。

芳根京子:このような役を頂けることがうれしかったんですが、環菜次第で、作品の色が変わることにプレッシャーを感じ、ちょっと不安になりました。ただ、堤(幸彦)監督といろいろお話させてもらって、「環菜がこういうふうに見えたらいいな」と自分の意見も出させてもらいながら、環菜のキャラクターを作らせてもらいました。

北川景子×芳根京子インタビュー

◆今回、久しぶりの共演となりますが、お互いの印象について教えてください。

北川:姉妹役だった『探偵の探偵』ではシーンは多くなかったんですが、すごく一生懸命で真っすぐなイメージでした。そして、とても感受性豊かで瞬発力のすごい “感性のお化け”と思っていました(笑)。それから、5年ぐらいたっての共演ですが、芳根ちゃんが作品の軸となる環菜役を演じると聞いて、「現場でどんな芝居が見られるんだろう?」と思ったことを覚えています。

芳根:『探偵の探偵』ではすぐに亡くなってしまう妹役だったので、とても悲しかったんです。でも北川さんが私と共演したことを覚えていてくださったことがうれしくて! 今回、私と北川さんが対峙する面会室のシーンでは、マイクが心臓の音を拾ってしまうぐらい緊張していたんですが、北川さんが演じた真壁先生が目の前でせりふを発すると、自分が想像もしなかった感情があふれてきて、びっくりしたんです!

北川景子×芳根京子インタビュー

◆お互いハードな役柄を演じ終えた時の現場での感触はいかがでしたか?

北川:現場では堤監督ともたくさん話し合うことができましたし、前日に撮ったシーンを編集したものを見ることができたりして、「苦しい」「しんどい」と思うようなことがなかったんですが、クランクアップした時にふと涙が出たんです。どこかで「やっと解放される」といった気持ちもありましたし、今になってみると、あの時の私は由紀のように内に秘めながらいろんな感情を抑えていたんじゃないかと思いますね。

芳根:感情をパーンと出すような役だったので、私も自分のパワーを99%撮影で使い切っていたと思うんです。だから私生活でも引きずっていたというか、あまり人と話したくない状態だったように思います。ハードなシーンの時には、北川さんが「大丈夫」と気を遣ってくださったり、お食事に誘ってくださったのもありがたかったです。とにかく必死過ぎて、撮影直後の手応えみたいなものは分かりませんでしたが、今の自分にできる力は全部出し切ったとは思いました。

北川景子×芳根京子インタビュー

◆そして完成した作品をご覧になっての感想は?

北川:Uruさんの楽曲が盛り上げてくださっていて泣くとは思わなかったシーンで泣いたり、いい涙を流させてくれる作品になったと思います。男性の方には、この映画を通じて、女性って、他人には言えずに、1人で悩んでいることがあるということを知ってもらえるとうれしいです。そして、今回も芳根ちゃんは“感性のお化け”でしたね(笑)。どうしたら、そんなお芝居ができるのか知りたいと思ったぐらい。現場に入った時に、周りの空気を全部引き付ける求心力みたいなものがあるし、普段は環菜さんとは全然違うのに、現場では環菜さんにしか見えなくなる。

芳根:ありがとうございます! 完成した映画を見た時は、初めて客観的に作品に触れたこともあって、誰にも関心を持たれない孤独を経験した環菜のつらさを冷静に見ることもできましたし、いろいろ腑に落ちた部分もありました。ただ、自分のストレッチ姿はちょっと不気味に見えました(笑)。

北川景子×芳根京子インタビュー

◆今回はお互いヘビーな役柄での共演でしたが、今後はコメディでの掛け合いも見たいですね。

北川:もう相思相愛ですから(笑)。芳根ちゃんが自由奔放な天真爛漫な妹で、私が「またぁ?」みたいな感じで、毎回毎回振り回されるお姉ちゃん役のホームコメディとかいいですね!

芳根:お姉ちゃんを振り回す役でも、お姉ちゃんに振り回される役もどっちも対応します! 私、コメディをやる時は役作りで悩むことはないんです。ずっと元気で、食欲もあって、健康的な生活を送ることができるんです。

北川景子×芳根京子インタビュー

PROFILE

北川景子
●きたがわ・けいこ…1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。O型。主な主演作にドラマ『フェイクニュース』、『家売るオンナ』シリーズ、『悪夢ちゃん』シリーズ、映画「スマホを落としただけなのに」など。今後の出演作に映画「キネマの神様」(2021年公開予定)がある。

芳根京子
●よしね・きょうこ…1997年2月28日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作に連続テレビ小説『べっぴんさん』、『海月姫』、『高嶺の花』、『コタキ兄弟と四苦八苦』、映画「累―かさね―」、「物置のピアノ」など。

映画情報

映画「ファーストラヴ」
2021年2月11日(木・祝)より全国公開

<STAFF&CAST>
監督:堤幸彦 原作:島本理生 脚本:浅野妙子
主題歌・挿入歌:Uru

出演:北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、板尾創路、石田法嗣、清原翔、高岡早紀、木村佳乃

<STORY>
父親殺害の容疑で女子大生・聖山環菜(芳根)が逮捕され、事件を取材する公認心理師・真壁由紀(北川)は、弁護士の庵野迦葉(中村)と共に彼女の動機を探るため、面会を重ねる。二転三転する環菜の供述に、由紀は翻弄される中、過去の自分と似た何かを感じ始める。

©2021『ファーストラヴ』製作委員会

●photo/中村 功 text/くれい響 hair&make/SAKURA(まきうらオフィス)(北川)、原田琴美(芳根) styling/林 峻之(UNFORM)(北川)、道端亜未(芳根)

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