加藤シゲアキ『オルタネート』（新潮社）が、第42回「吉川英治文学新人賞」の受賞作に決定した。
3月2日（火）午後3時より行われた、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催する文学賞「吉川英治文学新人賞」の選考会で、選考委員の審査により『オルタネート』の受賞が決定。
第42回「吉川英治文学新人賞」は2020年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等で優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈呈される賞だ。
過去には和田竜『村上海賊の娘』（第35回）、辻村深月『ツナグ』（第32回）、柳広司『ジョーカー・ゲーム』（第30回）、佐藤多佳子『一瞬の風になれ』（第28回）など、数々の話題作が受賞してきた。アイドルがノミネート、そして受賞するのは、賞の創設以降、初めてのこととなる。
2012年1月に『ピンクとグレー』（KADOKAWA）で小説の世界に鮮烈なデビューを果たした加藤は、NEWSのメンバーとして芸能活動も行いつつ、作家としても活動を続け、数々の話題作を世に送り出してきた。
そんな彼の3年ぶりの新作長編となる『オルタネート』は刊行直後から話題を呼び、発売から5日目にして緊急重版。そして昨年12月18日、本作が第164回直木賞にノミネートされたことが発表されると、あらゆるメディアからの取材が殺到し、1月5日に累計10万部（5刷）のベストセラーを記録。
1月21日には「本屋大賞」初ノミネートの報も飛び込むなど、怒濤の快進撃を続けていた本作。現在までに累計15万1000部（8刷）を記録していたが、今回の受賞はまさに歴史的快挙と呼ぶべきものとなった。
書誌情報
『オルタネート』（加藤シゲアキ・著）
2020年11月19日発売
定価：1,650円＋税
発行：新潮社
『オルタネート』公式サイト：https://www.shinchosha.co.jp/alternate/
©新潮社