永瀬匡主演、ゲッツ板谷原作の映画「ズタボロ」(5月9日(土)公開)。主人公・コーイチに惹かれていくヒロイン・清美を演じ、キスシーンと茶髪に初挑戦した清水富美加さんにお話を伺いました。
これはやばいぞ~(笑)
――「ズタボロ」への出演が決まったときの感想を教えてください
これはやばいぞ~(笑)。今までは元気で明るい女の子の役が多くて、クールで世の中を悟っている感じの役は初めてだったのと、キスシーンがある…この2つの課題があって、これはハードルが高いなって思いました。
――最初に台本を読んだ印象は?
とにかくがむしゃらで、すごく面白いと思いました。でも、びっくりしたのは台本のときはそんなにがむしゃら感を感じていなかったんですけど、映画になると永瀬匡さんが色づけたのか、もともと書いてあったのか、どちらの力か分からないんですけど、もう本当にこんなズタボロになるまで、喜怒哀楽フルスロットルで、走って迷ってボロボロになっているので、爽快だなと思いました。
――清美を演じる上で、心がけたことはありますか
台本にはないんですけど…勝手に設定を作ったりしていました。清美のいろんなバックボーンを勝手に想像して考えて、撮影に臨みました。
監督の希望に添えるように頑張ろう
――先ほど課題とおっしゃっていたキスシーンですが…
撮影の直前はすごく緊張していました。「人前でキスするってどういうこと!?」や「あんまり知らない男の子とキスするのって大丈夫なの?」って不安がありすぎたんです。いざ現場に入ったら、橋本監督やスタッフさんが「いいもの撮るぞ!」と気合がすごくて…。最初は恥ずかしさもあったし、思っていたよりキスが長かったり、向きを変えてとかがあったので、「うそだろ~」と思いました(笑)。でも、「これが現場なんだな」と思うようにして、「映画を作るってこういうことか。監督の希望に添えるように頑張ろう!」と気合を入れました。
最初はどうしたらいいのか分からなくてあまりうまく動けなかったんですが、永瀬さんが声をかけてくださったり、顔の向きのとかも結構アドバイスしてくださって、リードしなきゃいけない役なのにリードしていただいて。大変でしたけど、何とか終わったのでよかったです。
――清美は茶髪でしたが、役作りで染めたんですか?
そうなんですよ。生まれて初めてブリーチをして、髪の毛も染めて…今までずっと黒髪ロングで、いわゆるバージンヘアのままだったので、すごい色を抜くのにも時間がかかって、4時間以上かかりました。あとは、屋台で働いている人とかを実際に見に行ったりしました。夏に門前仲町のお祭りがあって、見に行って参考にさせてもらいました。だからこのへん(つむじあたり)は黒いまま何もしないで、途中から金髪っぽい茶髪にしました。すごく楽しかったです。
――周りの反応はどうでしたか。
事務所に行って社長を驚かそうと、役作りで染めたと言わずに、しかもわざとスカした感じで「おはようございます」と言ったんですよ。そしたら「髪どうした?!」と心配されました。社長は、私が不安定な時期に入っているんだと思ったそうです。うまくだませました(笑)。
お姉ちゃんには「似合わん」とか言われましたね。結構明るい髪色だったので、周りの反応はすごかったです。
今までとのギャップを楽しんでほしい
――『ズタボロ』では個性豊かな男性がたくさん出てきますが、清水さんの好きな男性のタイプを教えてください
私の好きなタイプは、すごく穏やかで、何も言わないで「うん、うん」と言ってくれる怒らない人です。怒っても怖くない人…すごく優しい人がタイプですね。『ズタボロ』の男性陣とは全然違いますね(笑)。『ズタボロ』のなかで言うんだったら、お医者さんとかになっちゃいますね(笑)。強いて言うなら…ちょっと趣旨が変わっちゃうかもしれないんですけど、コーイチは彼氏だったらいやだけど、近所の小さいころから知っているかわいい弟みたいな感じだったらいいかなと思います。「またけんかしてきて~」みたいな感じで、ちょっとお姉さんぶりたいです。
――次に挑戦したい役柄はありますか
快楽犯みたいな、結構ぶっとんでる役をやってみたいです。今までのイメージとはまた違うものに挑戦したいんです。
――それでは、プライベートでやってみたいことはありますか?
これは絶対かなわないやってみたいことなんですが…お好み焼きの屋台を出したいです。屋台を出している役は本当に楽しかったんですよ。夏休みになったら、お祭りで屋台を出して、お好み焼きを作ったりしたいです。
――最後に視聴者の方にメッセージをお願いします
映画では、「そこまでズタボロになるか」っていうコーイチのズタボロな一生懸命さや爽快感が味わえると思います。私はキスシーンや髪を染めたりなど、今回挑戦したことがたくさんありました。妹や同級生とかじゃなくて、“女”という立ち位置で出演するのは初めてなので、本当に見せたことのないものが出せたと思います。ぜひ今までとのギャップを楽しんでいただけたらなと思います。今までは見られなかった姿が全部詰まっています。大人になっちゃいました(笑)。
PROFILE
清水富美加…しみず・ふみか
1994年12月2日 生まれ。東京都出身。
2011年にシリーズ40周年記念作品「仮面ライダー フォーゼ」のヒロイン・城島ユウキ役で初の連続テレビドラマに出演。以後はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。代表作に、映画「HK/変態仮面」(2013)、ドラマ「ペテロの葬列」(2014)、ドラマ「魔法★男子チェリーズ」(2014)などがある。現在放送中のNHK連続テレビ小説「まれ」に蔵本一子役で出演中。また、北野武監督最新作「龍三と七人の子分たち」(4月25日公開)、映画「ズタボロ」(5月9日公開)の公開が控えている。
作品情報
映画「ズタボロ」
5月9日(土)公開
出演:
永瀬 匡 清水富美加 堀井新太 成田瑛基 荒井敦史
石田卓也 木村祐一 佐藤二朗 平田 満 南 果歩
原作:ゲッツ板谷「メタボロ」「ズタボロ」(幻冬舎文庫)
監督:橋本 一
脚本:髙橋 泉
音楽:海田庄吾
2007年に松田翔太主演で公開された映画「ワルボロ」の続編。ゲッツ板谷の小説「メタボロ」「ズタボロ」を原作に、高校に進学した主人公コーイチと仲間たちが、暴走族、不良集団、ヤクザなども絡む抗争に巻き込まれていく。
■ストーリー
地元・立川の不良グループで幅を利かせていたコーイチ、ヤッコ、キャームの3人は中学を卒業後、高校でも大きな顔をしたいがため、暴走族「立川獄門」に入る。しかし、そこでは「新人教育」という名目で理不尽なヤキを入れられる日々が続く。嫌気がさしたコーイチは立川獄門から距離を置くが、その間にヤッコが半殺しの目に遭ってしまい、コーイチは親友の復讐のためヤクザの叔父・猛身の舎弟になることを決意する。だが、そこはさらなる無慈悲な暴力が溢れ、旋律を覚える世界だった。さらに、仲間からの友情や体当たりで自分を守ろうとする母親の姿を目の当たりにし、自身の行動が正しいのか苦悩する・・・。復讐、苛立ち、悲しみ、恐怖、愛情、葛藤・・・、自分の中で渦巻く様々な感情。その全てと己にケリを付けるべく、“コーイチ”という一人の男としての戦いが始まる。