9月10日(金)に全国公開(8月27日(金)福島県先行公開)される映画「浜の朝日の嘘つきどもと」の舞台となった福島県南相馬の映画館・朝日座で、“朝日座凱旋イベント”が開催され、高畑充希、大久保佳代子、佐野弘樹、タナダユキ監督が登壇した。
「百万円と苦虫女」(08)、「ロマンスドール」(20)など多くの話題作を世に送り出して来たタナダ監督が、主演に高畑を迎えオリジナル脚本で挑んだ本作。福島県・南相馬に実在する映画館・朝日座を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が恩師と約束した“朝日座再建”のため、小さな“嘘”をついても映画館を守ろうと奮闘する物語。
昨夏の撮影以来、1年ぶりに朝日座へ凱旋したキャスト・監督一同。朝日座について高畑は「1年前、夏の暑い時期に朝日座で撮影して以来、久々に来ましたが、変わらず朝日座がどっしり存在していて、自分が1年前に戻った気がしてノスタルジックな感覚です。朝日座は少し“母校”みたいな感覚があって、入った瞬間に(撮影中のことを)思い出すところがあるので、今日戻って来れてうれしいです」とコメント。
タナダ監督は「映画を作り終えた後に、ここでイベントがやれたらいいな、と思っていました。変わらずに朝日座が存在してくれているということは、朝日座を守っている人がいる、ということ。それがうれしいです」と語った。
柳家喬太郎演じる朝日座の館主・森田保造と言い合うシーンで朝日座を訪れた大久保は「夕暮れが差し掛かってきた頃、外の待合室にいた時に、そこから見る朝日座の外観が『わー頑張って立ってるな、頑張れ!』という感覚がありました」と回想。また、喬太郎師匠との共演について「お互いまあまあな年なので集中力が続かなく、お互いミスしてしまったので、やりとりが長かったです。最後の方はお互いちゃんとやれよ、と思いながら撮りました」と振り返った。
大久保演じる茉莉子のパートナーでベトナム人の技能実習生、チャン・グオック・バオ役を演じた佐野は「2日間くらいしか朝日座にはいなかったけど、もぎり席がある映画館は初めてだったのでプライベートでもまた来たいな、と思いました」と語った。
高畑は印象に残っているシーンについて「ファミレスのシーンで、佐野さんが1年くらい日本に住んでいる設定だったので日本語の片言感を調整する過程が面白かった」と暴露。さらに「茉莉子先生とは長回しのシーンがあったんですけど、大久保さんと普通になんてことない会話をしている気持ちになっていった」と振り返ると、すかさず大久保が「口が悪いレベルが同じなんだと思う」とツッコみ、息の合った掛け合いを見せた。
大久保は高畑の印象について「莉子という役柄が、わがままな時と、犬が震えてるみたいな不安そうな表情を見せるときがあるので、本当にかわいく見えてきて、ほっといたらどんどん小さくなるんじゃないかな、かわいいな、犬みたいだな、という感覚になり、気持ちをのっけてもらえたので、いい関係性ができた」と明かした。
朝日座が100年もの間、多くの人の憩いの場として愛され続けていることにちなみ、“憩いの場”について聞かれた高畑は「実家。小さいテラスがあって夏になるとバーベキューをするんですが、両親も人に会うのが好きなので実家にたくさん人を呼ぶ。私がいなくても、友人が来ていたりする」と明かし、周りを驚かせた。
さらに司会からコロナが落ち着いたら「『浜の朝日の噓つきどもと』の共演者も実家に呼ぶか」と聞かれると、高畑は「お酒が飲めて、犬と猫アレルギーがなければ、ぜひ!」と誘うと、大久保は「すぐ行きます!」と予約。仲むつまじいやりとりを見せた。
最後にタナダ監督は「南相馬でたくさん撮影した作品なので、ぜひロケ地にも足を運んでほしいです。ちょっと嘘をついてもいいので、面白かったよと広めてください」と。そして、主演の高畑は「1年前に撮影し、やっと皆さんに見て頂けてうれしい。(撮影中は)1年後もっと良くなってると思っていたので少し寂しいですが、エンターテインメントが明日の元気につながればいいです」と語った。
「浜の朝日の嘘つきどもと」
2021年9月10日(金)全国公開/8月27日(金)より福島県先行公開
公式サイト:hamano-asahi.jp
公式SNS:@hamano_asahi
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